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手紙㉜――ジロウから侑子へ
ユーコちゃん
元気にしてるか?
今日は花見をするんだ。
去年は寒空の下で震えながらやった記憶があるけど、今年は花見日和だな。
ここ一週間、晴れの日が続いてる。
ユーコちゃんたちの世界も、いろいろと大変なんだってな。ユウキから毎日話を聞いてるよ。
新学期早々、一か月近く学校が休みになるんだって?
学校だけじゃなくて、閉まってる店も多くて、出勤する人も少ないんだって?
緊急事態宣言っていうんだっけか?
ライブハウスも営業できないって、本気か?
誰かと一緒に歌も歌えないって、正気の沙汰じゃないな。
こっちもいろいろ不便はあるけど、そんな比じゃなさそうだ。
俺はマスクが嫌いだからなぁ。息苦しくて、どうも苦手なんだ。
そんなシロモノを身につけないと外を出歩けないって、拷問かよ。
息が詰まりそうになったら、こっそり歌っちまえ。
どっかあるだろう? 思いっきり一人になれそうなところ。
大声出して、思いっきり歌うんだ。
どんなことにも、終わりはある。
歌にも、ライブにも、食事にも。
永久に続くものなんてないんだ。
お互い、頑張ろうな。
辛いことにだって、終わりは来るんだから。
とにかく毎日続けることは、食べて寝て笑うこと!
ちょっと余裕があるのなら、歌ってごらん。
ユーコちゃんには、それがいいと思う。
ジロウ




