手紙㉛――ユウキから侑子へ
ユーコちゃん
毎日同じことを聞いてごめんね。
今日の体調はどう?
熱はない? 咳は出ていない?
少しでも具合が悪かったら、無理をしないでね。
ヒノクニでは、命に関わるような感染症が流行ることはないんだ。
だから君の世界で起きていることが、怖くて仕方がない。
手紙で知らせてもらうことしかできないし、もし君が病気になっても、俺はそばで看病することさえできない。
考え始めると、どうにも落ち着かなくなるんだ。
ユーコちゃんから手紙が届くたび、まず元気にしているかどうかを確かめてしまう。
いつも通りの君の言葉を見つけて、ようやくほっとする。
本当はもっと楽しいことをたくさん書きたいのに、心配ばかりしてしまうね。
梅の花は終わって、そろそろ桜が開花しそうだ。
そっちはどう?
外に出られるなら、少しでも春の景色を楽しめるといいね。
明日からユーコちゃんは二年生なんだよね。進級おめでとう!
学校は予定通り始まりそうかな。
もし休みが続くことになっても、焦らないで。勉強も歌も大切だけど、君が元気でいてくれることが一番だから。
こちらは暖かい日が増えてきて、みんなほっとしてるよ。冬の間は寒い思いをしていたからね。
薪割りがすっかり特技の一つになった。きれいに割れると爽快なんだ。
ユーコちゃんにも見せてあげたいな。きっと笑うと思うよ。
写真をありがとう。
君はいつもきれいだね。
元気そうな顔が見られて、本当に嬉しかった。
何度も眺めてしまったよ。
一緒に写っていたのは、朔也さんだね。
海外赴任が中止になってしまって、気を落としているとのことだったけど、少しは元気になってきたかな。
君の家族も、どうかみんな無事でいてほしい。
毎日歌ってるよ。
変身館だけじゃなく噴水広場でもね。
最後にはもちろん、ウタを唱えてる。
みんなに幸せが訪れるように。
ユーコちゃんが元気で、そちらの世界も無事であるようにって。
お互いに不安定な時代を生きているようだけど、きっと大丈夫。
そう信じているよ。
どんなに離れていても、いつもユーコちゃんの近くに想いを寄せている。
悲しいことがあった時も、不安な時も、いつでも、どんなことでも手紙を書いて。
元気なふりなんてしなくていい。
怖い時は怖いって、つらい時はつらいって書いてほしい。
俺には何でも話して。
何でも受け止めるよ。
それから、お願いが一つだけある。
返事を書くのが負担になる時は、無理をしないで。
何日か手紙が届かなくたって、俺は待ってる。
でも、元気になったら、また君の話を聞かせてほしい。
今日食べたものでも、窓から見えた景色でも、何でもいい。
そんな何気ない話を、これからもずっと聞いていたいんだ。そうすると、ユーコちゃんがすぐ隣にいる……そう感じることができるから。
いつも愛してる。
ユウキ




