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青い半魚人  作者: 松下真名
第二章
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手紙㉘――アオイから侑子へ

ユーコちゃん

 

久しぶり!

超レアキャラから来た! って思ってるんだろ?

そうなんだろ?

これからは、まあまあレアキャラくらいの登場頻度にはなるかもよ。

俺、筆まめじゃないからなあ。

けど、思いついた時に書いて、すぐにユウキに渡すってことはできるようになるから。

どういうことかって?

俺、王都に帰ってきたんだよ。

大学の建物が先週起きた地震で結構なダメージ受けてさ、併設してた学生アパートも住めない状態になっちまったから。

しばらく大学は閉鎖。

住む場所もなくなっちゃったし、再開するまでは実家にいるべきだろ。

ま、心配するな。

俺は全然悲観してない。

研究なんて、どこだってできる。

それに今は、俺がやってきた研究がまさに役立つかも⁉ って局面だと思ってる。これがワクワクしないでいられるか?

というか、ユーコちゃん。

君は俺が大学で何をやってたか、ちゃんとその辺分かってたっけ?

あ、話してない。そうかも。ごめんごめん。

ユーコちゃんにとっては、身近かもよ。

俺が研究してるのは『機械』だ。

魔法でできることを、あえて魔法以外の方法で再現する研究ってこと。

今この国、国中皆、魔法を思うように使えない状況だろ?

俺が勉強してきたこと、身につけてきた知識は、かなり重宝されてるんだぞ。

さしあたり、皆が何とかしたがってる電気を安定して使えるように、何か作れないかなと考えてる。

それ以外にも、今まで魔法任せだったことを機械で代わりにできないか、色々試してみたい。

俺みたいに暇を持て余してる研究者は、結構王都にいるっぽいんだよ。今度集まることになってる。きっとすごいことを思いつくぞ。

ユーコちゃんは色々心配してくれてるって聞いた。

まぁ、どんな状況か見えないんだから、悪い方へ考えがちになるのは分かる。俺だって王都に帰ってくるまで、家族やユウキたちが心配だったもんな。

だけど意外と皆楽しくやってるから、安心しなよ。

毎晩、表で隣近所一緒に、大きな焚き火を作るんだ。キャンプファイアーみたいに。

そこからランタンに炎を移して、家の中に持ち込んでる。

日常的な必需品になったから、ランタンの硝子をビーズで飾ったり、色硝子を組み合わせたりするのが、最近流行ってるんだよ。中の炎が揺れると、壁や天井に模様が踊っているように映るんだ。とても綺麗なんだよ。

音楽がないと寂しいってなったら、必ず誰か歌える奴や楽器できる奴がいるしな。こっちの夜は、以前より賑やかかもしれない。

今日もユウキが、ツムグくんから絵を習ってた。

この間あいつが描いた絵を見せてもらったよ。

なんでユウキは何でも器用にこなせるのかな。歌もできて、楽器もできて、手先は器用で? 今度は絵まで綺麗に描けちゃうのかよ。俺の考えた設計図も、代わりに描いてくれないかな。

ユーコちゃんの手紙に入れたいって、色々と描いてるみたいだよ。

写真も最近は頻繁には撮れないからな。あれも結局、魔力だったから。

つくづく思うよ。

何でもかんでも、魔力ありきで成り立っていた日常だったんだなって。

当たり前じゃないって、気づけたことは良かったのかもしれない。

魔力に頼らない道も拓いていく必要があるって、皆が気づいただろうから。

すなわち、俺のありがたさにな!

それじゃ、気が向いたらまた書くよ。


アオイ

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