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青い半魚人  作者: 松下真名
第二章
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手紙㉔――ユウキから侑子へ

ユーコちゃんへ

 

いつになく分厚い封筒が届いたから、びっくりした。

それも五通連続で!

ありがとう。

どれも役に立つよ。

ツムグくんの言っていた通り、ニホンは地震大国なんだね。台風や水害に対する知識も、ヒノクニよりずっと豊富なんだろうな。

 

今は、送ってくれた資料を皆で頭に叩き込んでるところ。

まとめ直して複製したら、変身館で配ろうってジロウさんが張り切ってる。ミツキやスズカたちも、職場や学校に持っていくって。

きっと、皆の心の支えになるよ。

今は誰もが不安を抱えてるからね。

何をすればいいのか分かるって、それだけでも少し安心できるものなんだね。

 

色んな人が、色んなことを手紙で伝えてくるだろう。

最近の地震のこと。

水害のこと。

だから俺は、ユーコちゃんへの手紙では、なるべくそういう話をしないようにしてた。

君にまで不安になってほしくなかったんだ。

俺からの手紙を読んでる時くらい、ユーコちゃんには笑っていてほしいから。

 

でも、君がこんなにたくさん資料を送ってくれたってことは、もう随分心配させちゃってるんだろうね。

ごめんね。

それから、ありがとう。

心配しなくていいよ。

 

皆、ちゃんと食べてる。

ちゃんと眠ってる。

心配なことは確かに増えたけど、毎日ちゃんと笑ってるよ。

それさえ出来てれば、とりあえず大丈夫。

ジロウさんがよく言ってたでしょ?

本当にその通りだと思う。

 

最近の皆の一番の癒やしは、やっぱりモモちゃんかな。

リリーはしばらくジロウさんのところにいることになってる。あの屋敷なら皆が立ち寄りやすいし、ノマさんもいるからね。そうして正解だったと思う。

 

まだ生まれて一月も経ってないのに、モモちゃんはあっという間に皆を笑顔にしちゃうんだ。

こんなに素晴らしい魔法って、なかなかないよ。

だから、こっちは大丈夫。

大丈夫だよ。

モモちゃんっていう最強の魔法が、皆の心を守ってるからね。

 

それに、ユーコちゃんが俺たちのことを考えてくれてる。

離れてるのに、こんなにたくさん調べて、考えて、送ってくれた。

ちゃんと届いてるよ。

資料だけじゃなくて、ユーコちゃんの気持ちも。

愛してるよ。

何があっても、無事を貫くと約束する。

 

だからユーコちゃんも、そっちで元気にしててね。

ちゃんと食べて、ちゃんと眠って、いっぱい笑ってて。

 

もうすぐ夏休みも終わる頃だよね。

学校が始まったら、またたくさん話を聞かせて。

授業のことでも、部活のことでも、友達のことでもいい。

何を食べたとか、どこへ行ったとか、今日こんなことがあったとか。

そういう、ユーコちゃんの何でもない話を聞くのが好きなんだ。

君がすぐ近くにいるような気がするから。

別の世界の話なのにね。

不思議なくらい、近くに感じるんだ。

だから、どんなことでもいい。

ユーコちゃんの「いつも」を、俺に伝えてね。

 

ユウキ

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