手紙㉔――ユウキから侑子へ
ユーコちゃんへ
いつになく分厚い封筒が届いたから、びっくりした。
それも五通連続で!
ありがとう。
どれも役に立つよ。
ツムグくんの言っていた通り、ニホンは地震大国なんだね。台風や水害に対する知識も、ヒノクニよりずっと豊富なんだろうな。
今は、送ってくれた資料を皆で頭に叩き込んでるところ。
まとめ直して複製したら、変身館で配ろうってジロウさんが張り切ってる。ミツキやスズカたちも、職場や学校に持っていくって。
きっと、皆の心の支えになるよ。
今は誰もが不安を抱えてるからね。
何をすればいいのか分かるって、それだけでも少し安心できるものなんだね。
色んな人が、色んなことを手紙で伝えてくるだろう。
最近の地震のこと。
水害のこと。
だから俺は、ユーコちゃんへの手紙では、なるべくそういう話をしないようにしてた。
君にまで不安になってほしくなかったんだ。
俺からの手紙を読んでる時くらい、ユーコちゃんには笑っていてほしいから。
でも、君がこんなにたくさん資料を送ってくれたってことは、もう随分心配させちゃってるんだろうね。
ごめんね。
それから、ありがとう。
心配しなくていいよ。
皆、ちゃんと食べてる。
ちゃんと眠ってる。
心配なことは確かに増えたけど、毎日ちゃんと笑ってるよ。
それさえ出来てれば、とりあえず大丈夫。
ジロウさんがよく言ってたでしょ?
本当にその通りだと思う。
最近の皆の一番の癒やしは、やっぱりモモちゃんかな。
リリーはしばらくジロウさんのところにいることになってる。あの屋敷なら皆が立ち寄りやすいし、ノマさんもいるからね。そうして正解だったと思う。
まだ生まれて一月も経ってないのに、モモちゃんはあっという間に皆を笑顔にしちゃうんだ。
こんなに素晴らしい魔法って、なかなかないよ。
だから、こっちは大丈夫。
大丈夫だよ。
モモちゃんっていう最強の魔法が、皆の心を守ってるからね。
それに、ユーコちゃんが俺たちのことを考えてくれてる。
離れてるのに、こんなにたくさん調べて、考えて、送ってくれた。
ちゃんと届いてるよ。
資料だけじゃなくて、ユーコちゃんの気持ちも。
愛してるよ。
何があっても、無事を貫くと約束する。
だからユーコちゃんも、そっちで元気にしててね。
ちゃんと食べて、ちゃんと眠って、いっぱい笑ってて。
もうすぐ夏休みも終わる頃だよね。
学校が始まったら、またたくさん話を聞かせて。
授業のことでも、部活のことでも、友達のことでもいい。
何を食べたとか、どこへ行ったとか、今日こんなことがあったとか。
そういう、ユーコちゃんの何でもない話を聞くのが好きなんだ。
君がすぐ近くにいるような気がするから。
別の世界の話なのにね。
不思議なくらい、近くに感じるんだ。
だから、どんなことでもいい。
ユーコちゃんの「いつも」を、俺に伝えてね。
ユウキ




