表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
青い半魚人  作者: 松下真奈
第二章
100/120

手紙③――侑子からユウキへ

ユウキちゃんへ


 びっくりした! 

 まさか本当に、あの手紙がそっちの世界に届くなんて。 

 それだけじゃない。返事が来るなんて! とても驚いています。

 届いたらいいなって思ってはいました。だけど確証なんてなかったし、がっかりして終わりだろうと思ってた。


 手紙は私の部屋からつながる屋根裏に置いたの。その場所が、ジロウさんの家の魔石ソケットがあった場所になんとなく似ていて、あの場所まで繋がっていそうだなんて思ったことがきっかけで。

 

 ユウキちゃんは? あの手紙はどうやって出したの?

 この手紙を書き終わったら、また同じように屋根裏に置いてみようと思ってます。そしてまたユウキちゃんのところへ届いたら……私達はまた、こうやってお話できるってことだよね?


 私は今日から新学期でした。一年間学校に通っていなかったから、もう一度同じ学年をやり直しになりました。今までとは別の学校に編入することになったけど、いとこたちと同じ学校なので心強いです。 

 そして、学校でまた音楽を続けられそうだよ!

 軽音同好会というところに入りました。(授業とは別で、学校内で生徒たちが興味関心のある分野の活動をすることを部活って呼んでいるんだけど、その中でも小規模の団体のことを同好会っていいます。)

 軽音同好会では何をするのかっていうと、バンド演奏ができるの。ギターもそこで続けられそうです。(私がギターを弾けるようになっていたので、皆に驚かれました。) 

 毎日歌ってるよ。ユウキちゃんと一緒に歌った歌を沢山。

 歌っていると、私がそっちの世界にいたのは夢ではなくて現実の出来事だったんだなって、実感できるから。

 私も会いたい。ユウキちゃんに。皆に。

 こっちの世界に戻ってきて、家族やいとこたちと会えたことは、確かに嬉しい。だけど、あんな風に突然お別れなんて……

 この手紙、どうかまた届きますように。


侑子

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ