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±0  作者: 日向陽夏
第4章 黒へと至る少女【後】 絶対零度編
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第17話 マゼンタの悪魔㉞【赤染アンリ視点】

 

 《全理演算》――ゼンリエンザン――


(演算開始。いばら姫が攻撃してくる確率は何パーセントか?)

(演算終了。95パーセント)


「……?」


 いばら姫は凍り付いたような笑みを浮かべている。

 思わず、無意識にいばら姫の殺気に呑まれ、《全理演算》を使用してしまった。

 私への毒の能力は解除されてしまう。もう一つの反射を……読まれたのか。

 そして、やつの第三の腕の、その指先が私の《八咫之鏡》に触れる直前。

 背筋に嫌な悪寒が走り、一瞬私は硬直する。


 そう。このまま、いばら姫の能力を反射すれば勝てる。……はずだ。


 ――――本当にそうか?


「…………っ」


 あいつは私が反射できることを知っている。

 この状況で攻撃するわけがない。

 なのになぜ、”95パーセント”なんて高い数値が出てくる?


 《全理演算》――ゼンリエンザン――


(演算開始。いばら姫の攻撃を反射して私が死ぬ確率は何パーセントか?)

(演算終了。100パーセント)


 ”反射”狙い。

 つまりはカウンターのカウンター狙い?

 いばら姫も”反射持ちの能力者”だというの?

 いや、その可能性は低い。あれば、もっと早い段階で使えば私を殺せたはず。

 瞬き一回分の逡巡。

 お互いのジェネシスが狂おしく混ざりあう。

 そして私たちは、殺意の視線を交差させる。

 紙一重の攻防の最中、私はいばら姫の策を推理する。

 《自在転移》を自分自身に対して発動、それを”反射”し自分ではなく私を転移させる。

 どこへ?

 私の《発狂密室》の中だ。骸骨と私の死体を閉じ込めた、二人分の狭いドーム状の中へ私を転移すれば、《発狂密室》によって私の肉体は内と外とで切断される。

 即死せずとも、致命傷は避けられない。

 私の反射を利用して私を殺す。

 いばら姫の、神算鬼謀。


 ――――その思考すら罠だとしたら?


 もはや躊躇している時間は無い。

 結論が出ていないのに、決断しなければならなかった。

 《八咫之鏡》の反射を発動するか、しないか。

 交互ゲームに持ち込んだが、最後に同時ゲームに戻された。

 この女……本当に……。

 もうこうなってしまえば、どっちに転んでもおかしくはない。

 知略は互角。限界まで殺し合い、徹底的に削り合い、能力に優劣は無かった。

 完全に、互角。だからこそ、ここまで追い詰めたのに、ここまで追い詰められている。

 はぁ……なんて、ツイてない。


 私はヒコ助の時と同じように。


 ――――もう一度、死ぬ覚悟をせざるを得なかった。



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