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±0  作者: 日向陽夏
第4章 黒へと至る少女【後】 絶対零度編
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第17話 マゼンタの悪魔㉜【いばら姫視点】


 判断すべき指標。

 的を絞る。


 どこを攻撃するか。人体。


 頭部を攻撃したときに勝つ確率。

 首を攻撃した時に勝つ確率。

 腹部を攻撃したときに勝つ確率。

 腕、足、目、鼻、内蔵各種。

 人体の部位に的を絞って勝率を計算する。


 どこから攻撃するか。方向性。

 前方、背後、上空、地面、地下。


 どうやって攻撃するか。手段。


 毒で攻撃した時に勝つ確率。

 《完全再現》で生成した武器、兵器で攻撃した時に勝つ確率。

 爆弾、銃、刃物、ガス、レーザー、砲弾、火炎放射……。

 第三の腕で攻撃した時に勝つ確率。

 《完全再現》以外の、私の所持能力で攻撃した時に勝つ確率。

 《完全再現》で再現可能な能力で攻撃した時に勝つ確率。


 また、複合パターン。連続攻撃の組み合わせ、1万通りを計算する。


 しかし、《完全再現》は万能ではない。見たモノを完全に理解していなければ再現不可能。見た目はもちろん、組織構造、構成、物質、全てを理解している必要がある。だからこそ、理解を超えるような存在は再現できない。つまり、透や白雪セリカのクローンは生成不可能。そして、サマエルも。あいつは私の理解を超えているからこそ、価値があるとも言える。

 能力の再現にも大幅な制限がある。

 どのような能力か見たことがあり、効果を深く理解している必要がある。知識としてではなく、手足を動かすほどの感覚的な理解。《五感奪取》も、実際に視力を封じた生活を5日間かけて習得した。逆に言うと、私が《完全再現》で《五感奪取》を発動したとしても、視力しか奪えない。聴覚なども検討したが、習得時間を考えるとタイムパフォーマンスが悪すぎる。《完全再現》は、飽くまでもあらゆる能力の下位互換。

 赤染アンリのように、自分自身の複製は不可能だった。私のルーツは、骸骨が蘇らせた死体。生前の記憶は部分的に脳裏に過ることはあるけど、


 ――――この能力にもし、”上位”互換があるとするならば。


 今まで見たことがないものを具現化することができれば、それはこの能力の上位互換ということができるだろう。私の理解を超える存在が、恐らくはその地点まで到達できるのかもしれない。


 理解を超えること。

 赤染アンリ。

 こいつの理解を超えるような攻撃ができれば、勝てる。

 こちらが切れる手札から計算できる確率は、全て読み切った。

 毒、腹部、正面からの攻撃が確率が低い。

 あとは、相手次第。

 何か仕掛けているのは、間違いない。恐らくは腹部に。腹部への攻撃の場合の勝率が異様に低かった。


 ――――一度しか言わないよ、いばら姫。君が敗北するとしたら、それは君の予測を超える者が現れた時だ。だから、もしそのときがきたら、君も君自身の予測を超える選択をするんだ。どれほど気に入らなくても、プライドよりも利害を優先しろ。いいね?


 ココアの匂いとともに。

 透の言葉を何故か、ふと思い出した。

 そう、あいつの言葉が私の胸に残っている。だから、セリカ戦に備えてサマエルを解放した。

 透とはボードゲーム、カードゲームなど、いろいろやった。

 どんな勝負でも、私の勝率は3割ほど。《全理演算》を使用しても。

 この勝率について。透は知能の差ではなく、理解の差だと言った。

 私が透を理解するよりも、透は私を理解していた。

 この勝負においては、どうだろう。

 私は赤染アンリを理解しているか。

 赤染アンリは私を理解しているか。

 どちらの割合の方が多いのか。


 《全理演算》――ゼンリエンザン――


 ――――答えは、50パーセント。


 決めた。この手で行こう。

 赤染アンリにとって、


 ……不可避で、未知の連撃を。


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