第15話 エレアの初夜と街造り開始
「しかしあれだよね~、この町の人達はいい人が多いね~」
「そうですか?町を救って頂いたんですから、当たり前だと思うんですが」
「ん~、そうなのかね~、ねぇ、ニキさん、農業ってやっぱ大変だよね?」
「農業ですか?まあ、畑を興して収穫するにはそれなりのノウハウがいると思いますが」
「だよね~、ここの町の人に手伝って貰いたいな~と思うんだけど」
「え?どう言う事ですか?」
「いや~、これから街を造ろうかと思って、その為にはまず自給自足が出来ないといけないかな~って」
楽しい雰囲気の中宴会を満喫していたシュンは、ふと、ニキに相談をした。
町人の温かい歓迎振りに心を振るわせたシュンは、
町人を雇うと思ったらしい。
それに際してギルドのお姉さんが疑問をぶつけて来た。
「町を造るんですか?」
「うん、あ~、街って、もっと大きな」
「街の方ですか…、あの、それって、手伝ったら給料とか出ますか?」
「うん、それに住んでくれるなら尚いいね~、栄えた街にしたいし」
「そ、そうですか、じゃあ、町長にお話下さい、後私も一緒に連れて行って下さい、一応商人ですから、商売も出来ますし」
「いいの?」
「はい、私は全然いいです、お姉ちゃん、お姉ちゃんもギルドの受付にして貰っちゃえば?」
「ギルドか、暫くは必要ないけど、いずれは欲しいね~、うん、お願いしようかな」
「え、え、私なんかでいいんですか?」
「うん、カノンさんと2人でやって貰うのもいいし、お姉さんは受付が職業なの?」
「あ、いえ、一応は、武、武道家でしたけど…、足を痛めてしまいまして、殆ど引退状態なんです」
「それは…」
街造りの事を話したら妹が酷く乗り気になり
商人として一緒に行きたいと話して来た。
それをシュンは快く向かえその返事に気を良くした妹は、
姉もどうかと誘った。
満更でもない姉であったが職業の話をされ、
一転して表情が暗くなってしまった。
そんなお姉さんの話にシュンも暗くなってしまったが、
ザーナがシュンへ1つの案を持ち掛けた。
「………シュン、貴方なら治せるんじゃない?」
「ん?俺が?」
「………そう、怪我なら治せるでしょ?」
「そうですわね、重い病気には回復魔法は体力的に厳しいものがあるけど、怪我なら魔法で治りますわね」
「え、え、治すって、私そんなお金ない」
「お金?あぁ、そんなの要らないよ、どれ、ちょっと見せてくれる?」
「あ、は、はい」
「あら、これは酷い…、怪我してすぐ回復魔法を掛けなかったのですか?」
「は、はい、パーティーを組んでた僧侶が、治すには金を出せって……」
「酷いなそれは、どんなやつなの?そいつは」
「前に一悶着あった、あの」
ザーナはシュンを指して魔法で治せるのではないかと言い、
アイリーンも同調してシュンを見上げる。
言われたシュンは1つやってみるかと腕を捲くり、
お姉さんの足を見させて貰った。
お姉さんが見せてくれた足は酷い傷跡が残っており、
サリィは表情をきつくしてお姉さんに尋ねた。
するとお姉さんは過去の嫌な事を答えシュンも顔を厳しくした。
そしてその僧侶はと聞くと盗賊に落ちぶれた奴だと知り、
捕まえてからどうなったか聞いていなかったシュンは、
アイリーンに顔を向けて聞いた。
「あぁ、あいつか、そう言えばあいつ達ってどうなったの?」
「うふふ、盗賊になった上に、モニカに手を出そうとした罪でこうですよ」
「あぁ、まあ、だろうね~、さて、お姉さん、ちょっと待ってて」
「ちょっ、シュン君」
「お、お、お兄様、何をしているんですかっ」
盗賊だった奴等の末路はアイリーンが自分の首を手で斬る形を見せて伝え、
死刑になった事を知ったシュンは納得行ったように顔をうんうんとし、
その後何故か魔剣を抜いて自分の左腕に斬り付けた。
突然の事態にルーミアは慌てふためき、
モニカもいつもの間延びした少女言葉が消えて早口で言葉を出した。
周りの恋人達も驚きふためくがシュンだけは冷静に落ち着かせ、
左腕の治療を始めた。
「む~~、なるほどなるほど、もうちょっと強くしてみたら……、よし、大体分かった」
「シュ、シュン様…」
「ああ、ごめんごめん、魔法って攻撃にしか使ってなかったら、程度を調べようかと」
「調べようって、何故ご自分の腕を?」
「まあ、ほら、確かめる為に人は斬りたくないし、自分の腕なら手っ取り早いかなって」
「でも、調べなくったって、回復魔法なら攻撃魔法と違いますし」
「いやいや、分からないよ?現に今試しに使った魔法って、10分の1しか力を込めてなかったし」
「今ので10分の1?」
「うん、だからさ、加減を間違えて、回復させ過ぎて足が、ボンッ、とかなったらそれこそ大惨事でしょ?」
「ま、まあ、言いたい事は分かりましたが、まずは相談をして頂きたかったです」
「………馬鹿、心配させないで」
「あ、あぁ、ごめん、まあ、お姉さん、足がボンッて事にはならないから、治療するね」
「は、はい…」
自分の腕を斬った理由を聞いた恋人達はやっと落ち着きを取り戻したが、
どうせなら相談してからと至極もっとな意見を言われ、
ザーナに至っては馬鹿呼ばわりで非難をされる始末だった。
しかし一応は自体も収拾をし、シュンはお姉さんの足の治療を開始し、
10秒もしない内に全回復して、綺麗な足へと変貌を遂げた。
「あ、あ、ありがとうございます、凄く嬉しいです、本当にありがとう」
「いやいや、治って良かったよ、ねっ、みんな」
「まあそれは、しかし…」
「お師匠様?後で分かっていますよね?」
「お説教ですね、ちゃんと、後悔して貰いますからね」
「うむ、いくらシュン君とは言え、見過ごせませんよ?」
「そ、そんな~、浮気した時に言われるような台詞を」
「浮気された方が全然ましです…、本当にシュンさんは馬鹿なんだから…」
「………馬鹿、大馬鹿者」
「は、はぁ、やり方失敗したしたな~」
まさに後悔先に立たずと思うシュンであったが、
恋人達は怒りよりも二度とこんな真似をさせないと言う気持ちが強く、
責めるのではなく注意の意味での説教をしようとしていたのだった。
そんなこんなで宴会もお開きとなり町長へ話に言ったシュン達は、
収入源の少ない町をまたもやお救い下さるのかと、
熱烈に感謝され是非明日から町人を連れて開拓作業をしてくれと、
頼み込まれた。
「いやはや、あんなに感謝されるとは思わなかったね~」
「それこそ自給自足に近い形で暮らしていた町ですからね、ありがたいお話だったんじゃないでしょうか?」
「いや~、でも、協力をお願いしたのに、逆に感謝されて吃驚しちゃってさ」
「それはそれでいいじゃないですか、だめだと拒否されるより全然後味がいいですし」
「まあ、ね~、さて、風呂にでも入って寝ようかな~」
「そうですね、お風呂に入りながら説教して、寝ましょうか」
「はい、御風呂に入りながら説教して、その後帰らさせて頂きましょうかね」
「あ、説教はやっぱりあるんだ」
「当然です」
「当然ですわ」
「………当たり前」
町長との話が終わった後自宅へ帰って来たシュン達は、
お茶を啜りながら町の開拓の話をしていた。
そしてシュンは、恋人達が説教の事を忘れてると思い、
風呂に入ってすぐ寝ようかなと言ったが、
恋人達は勿論忘れている筈もなく風呂場で説教をすると口々に言い、
項垂れるシュンへ当然だと口撃しザーナまでもが一緒に風呂へ入るようだ。
「……ごめんなさい」
身体を洗われた後シュンは浴槽内で恋人達から次々と説教をされ、
結局シュンが謝った事で終結した。
そして一緒に入っていたお姉さんと妹の名前を今更聞いたシュンは、
ついでにステータスも見せて貰った。
まずは姉の方は。
名前 ファン エニャク 性別 女 年齢 20 レベル 32
職業 武道家 称号 シュン クルスの恋人
HP 410
MP 0
力 85+5
魔力 9+5
体力 131+5
素早さ 206+5
賢さ 5400
運 780
魅力 8500
攻撃力 90
防御力 136
回避力 211
常備スキル
武道家の心 戦闘時パーティーメンバーの回避力上昇(極小)
必中 戦闘時クリティカル率上昇(極小)
格闘技使い 戦闘時素手か格闘武器を装備中攻撃力上昇(大) 全属性魔法によるダメージ増加(極大)
特殊スキル
暴神化 戦闘時攻撃力上昇(大) 命令拒否確立上昇(極大)
情報収集家 パーティーメンバーの索敵能力上昇(小)
大怪我を乗り越えた者 戦闘時以外HP自然回復力上昇(小)
覇王への尊敬 覇王のパーティーメンバー中戦闘時クリティカル率上昇(小)
シュン クルスへの恋心 シュン クルスの傍に居る事で能力上昇(微小)
⇒
次に妹の方はと言うと。
名前 ジャン エニャク 性別 女 年齢 16 レベル 16
職業 商人 称号 シュン クルスの恋人
HP 135
MP 22
力 20+5
魔力 9+5
体力 32+5
素早さ 14+5
賢さ 6600
運 5330
魅力 8600
攻撃力 25
防御力 37
回避力 19
常備スキル
商人の心 戦闘終了後レア素材取得確立上昇(極小)
技術使い 金属性魔法効果上昇(大) 火属性魔法によるダメージ増加(極大)
弓使い 戦闘時弓を装備中攻撃力上昇(大) 剣によるダメージ増加(極大)
特殊スキル
貨幣変化 全てのMPを使って戦闘中敵を貨幣に出来る(経験値取得0)
幸運 パーティーメンバーの運上昇(小)
覇王への尊敬 覇王のパーティーメンバー中戦闘時クリティカル率上昇(小)
シュン クルスへの恋心 シュン クルスの傍に居る事で能力上昇(微小)
⇒
と言う具合だった。
ステータスを見ての通りシュンが覇王である事はもう打ち明けてあったが、
異常なほどの戦闘能力を有するシュンを知っていた為驚かれる事はなく、
態度も特に変わらずに接してくれる事も約束済みだった。
「………人には見せた事のないけど、見る?」
「えっ?そ、それって…」
「………ステータスよ、馬鹿、なに下を見ているのよ」
「あ、あぁ、ステータスね、ははは、ステータスの事に決まってるよね」
「………当たり前でしょ、なかなかエッチね…、それに、もっと強くなってからって約束したでしょ」
「あ、う、うん、じゃあ、その、ステータスをね、見させて貰うね」
エニャク姉妹のステータスを見た後のシュンに、
ザーナはきつく巻かれたタオルを解く振りをして、
思わせ振りな台詞でシュンをからかった。
見事に引っ掛かったシュンではあったがザーナがからかって来る程に、
打ち解けてくれた事に喜んでいた。
だが、一緒に風呂に入っているのだからそんな事は当然で、
シュンが喜ぶ姿を見たザーナはエロい事を想像して喜んでいると、
要らぬ勘違いを思わせてしまっていた。
それとは別にザーナのステータスはこんな感じだ。
名前 ザーナ グラムス 性別 女 年齢 14 レベル 3
職業 鍛冶師 称号 シュン クルスの恋人
HP 43
MP 5
力 10+5
魔力 2+5
体力 29+5
素早さ 11+5
賢さ 6200
運 2330
魅力 8800
攻撃力 15
防御力 34
回避力 16
常備スキル
鍛冶師の心 戦闘終了後レア鉱物取得確立上昇(極小)
技術使い 金属性魔法効果上昇(大) 火属性魔法によるダメージ増加(極大)
鈍器使い 戦闘時工具装備中攻撃力上昇(大) 全ての武器によるダメージ増加(極大)
特殊スキル
貨幣変化 全てのMPを使って戦闘中敵を貨幣に出来る(経験値取得0)
努力家 パーティーメンバーの経験値取得上昇(小)
覇王への尊敬 覇王のパーティーメンバー中戦闘時クリティカル率上昇(小)
シュン クルスへの恋心 シュン クルスの傍に居る事で能力上昇(微小)
⇒
「なるほど~、ところで鈍器って?」
「………ハンマーとかメイス、杖も鈍器、私はハンマーが一番使い易いけど」
「そっか~、じゃあ明日はみんなの装備をもう一回買え揃えるか」
「いいの?」
「うん、開拓もそうだけど、洞窟探索もして貰う事になると思うから」
「そっかー、でも、武道家として手伝えるから私は嬉しい」
「………あたしはレベルが…」
「大丈夫、大丈夫、パーティー組んでれば経験値が入るから、すぐ上がるよ」
「私達も?」
「うん、300くらいまでならすぐ上がっちゃうから」
「楽していいのかしら?」
「気にしない、気にしない、どうせ魔法石集めで、無駄にモンスターを倒す事だし、代わりに探索とか開拓を頼む事になっちゃうだから」
「うふふ、それで、明日はどうしますか?午前中は街造りに手を出した方がいいですか?」
ザーナのステータスを見て探索や開拓の話になり、
サリィがシュンへ明日の指示を仰いだ。
「ん~、どうしようか?孤児院を建て直さないと不味いよね?」
「あら、お話していませんでしたっけ?移転魔法を使えば家ごと引っ越せますわ」
「そうなんだ、じゃあ、孤児院の子達は大丈夫そうだね」
「はい、町の人達は、空き家を移転させて、住んで貰えば問題ないかと」
「うんうん、じゃあ、洞窟に行く前に俺がやるかね、それは」
「いえいえ、飼い主様、わたくし達がやりますわ、ですから飼い主様は魔法石を集めて下さいな」
「ん?リーン達は午前中動けないんじゃ?」
「あぁ、城の目を欺く為に居ましたが、街造りさえ始めてしまえば関係ないですわ」
「いいの?」
「はい、この家を移転出来るようにしてしまえば問題ありません、ダードン王の協力も約束出来ましたし」
「そっか~、じゃあ、明日はそうしようか」
「はい、あっ、受付の仕事、辞めて来ないと…」
「私も辞めちゃおう」
「………親父の仕事、サボればいいか」
明日の予定が決まりカノンとファンは仕事を辞めて手伝う事にし、
ザーナはサボって手伝う事を決意した所で風呂から上がり、
本日は全員がシュンの家で休む事にした。
そしてシュンの部屋にはユウが一緒に入り込んで、
ちょっとした愛の奉仕を受けた後、交代するようにエレアが入って来た。
「エレアさん、ごめんね」
「いえいえ~、もう宜しいのですか~?」
「うん、口に一杯貰ったから今日は満足だよ~」
「うふふふ~、じゃあ~、シュンさんと~、寝ていいのは~、私でいいんですね~?」
「うん、もう邪魔しないから、ゆっくり、頑張ってね」
「は~い、ユウさん~、おやすみなさ~い」
「うん、おやすみなさい、シュン様、失礼しますね」
「う、うん、おやすみ」
薄いネグリジェ姿で現れたエレアに謝るユウだったが、
のほほんとした会話でこれと言った修羅場はなく、
ユウは笑顔でシュンの部屋を出て行った。
そしてエレアはベッドに座っているシュンへ、
前触れなく抱き付いて行った。
「おわっ」
「うふふふふ~、シュンさ~ん、もう~、我慢出来ません~」
「え、ちょっ、いつものエレアさんとなんか違う気がするんだけど」
「はい~、サランさんから~、お薬をお借りしまして~、身体が熱々なんです~」
「サランちゃんからって、まさか、媚、媚薬?」
「ピンポンピンポ~ン、正解で~す」
「わ、わわ、なんでそんな物?」
「私は~、勇気が足りないので~、こうするしかないんです~」
強引にシュンの服を脱がせて行くエレアは、
興奮状態で目がヤバくなって居りすぐにでも襲い掛からんとしていた。
そんなエレアに押され気味であったシュンであったが、
くるっと体を入れ替えてエレアの身体を押さえ込み、
耳傍で優しく呟いた。
「そんなに焦らなくて大丈夫だよ?まずはキスから、ね?」
「は、は~い、シュンさ~ん、ファーストキス~、して下さ~い」
「うん、じゃあ、行くよ」
「………んっ、ちゅっ」
エレアの紫色をした癖毛を優しく梳きながら、
シュンはキスをして行きエレアはシュンの首に回した手の力を強めた。
そして軽いキスの後、濃厚なキスを交わして2人の顔は離れて行ったが、
目を虚ろとさせたエレアは、すぐにシュンの身体を求めて行った……。
「シュンさ~ん、ごめんなさ~い」
「ん?」
「薬を貰って~、襲っちゃった事です~」
「あぁ、いいって、それに、3回目からは効果が切れてたんでしょ?」
「な、なんでそれを~」
「ははは、分かるよ、だって、愛してくれ方が変わったもの」
「あぅぅぅ~、恥ずかしいです~」
「ははは、でも、俺こそごめん、初めてなのに沢山しちゃって」
「いいんですよ~、凄く嬉しかったですから~、でも~、少し疲れちゃいましたね~」
「うん、今日はもう寝ようか?」
「は~い、シュンさんと一緒に寝ま~す」
「ははは、じゃあ、おやすみ、エレアさん」
「おやすみなさ~い、シュンさん」
5度に渡ってシュンから愛を注がれたエレアは、
やっと身体を離してベッドへ転がった。
そしてすぐにシュンへ謝るのだがシュンは気が付いた事を口にして、
エレアを恥ずかしい思いにさせた。
シュンはそれを笑った後エレアに謝るが、
エレアは幸せそうな顔でいいと制し、疲労を訴えて横たわり、
シュンと一緒に寝入って行ったのだった。
「じゃあ、シュンちゃん、行ってくるからねー」
「シュンくん、またあとでねー」
「うん、あんまり無理しなくていいからね」
「………シュンこそ、無理しないでよ」
「分かってるって、じゃあ、また後で」
エレアと初めて枕を並べた夜が開け、朝食を取ったシュンは、
皆を見送ってから洞窟へ向かうおうと思いドアの前で恋人達の挨拶を聞き、
ファンとジャン、ジーナと最後まで挨拶して、恋人達は島へ向かった。
そして自宅に残っていたシュンも魔法石を集めに魔法で洞窟へ行った。
「よし、ボスも倒したし、島へ行くか、いや、ちょっと待てよ、3人の指輪を買ってから行くか…」
魔法石集めも慣れたもんでボスまで一気に攻略して、
昨日より30分も早く終わらせてしまったシュンは、
新たに加わった3人分の指輪を買いにギムダイン国の、
アクセサリー店に足を向け、ついでに薬屋にも寄ってサランの弟の薬を、
3つほど購入してから恋人達の居る島へ飛んで行った。
「あら?御主人様、もう終わったのですか?」
「うん、慣れて来たから早く終わったよ」
「流石ですね、うん?その薬は…」
「うん、弟さんの薬だよ、お婆ちゃんの所で買って来たよ」
「あ、ありがとうございます」
「ははは、いいって、あれ?カノンさんは?」
「カノンさんですか~?カノンさ~~~ん、シュンさんが~~、お呼びですよ~~~」
島に着いたシュンを目聡くフローリアが発見し小走りで近付き話し掛けた。
それに合わせて駆け寄ったフランが手に持つ薬を見てお礼を言い、
カノンを探すシュンの為エレアが大声で呼んでくれた。
「ど、どうかしましたか…?」
「そんなダッシュで来なくても大丈夫だったのに、まあ、これ、後で作って貰っていい?」
「あ、婚約指輪ですね、はい、了解しました…」
「それで~、島の方はどんな感じ?」
「えっと~、さっき森を少し切り開きました~」
「御主人様のご自宅を移転する準備は出来ましたよ」
「おお、凄いね~」
「ですがお師匠様、問題がありまして」
「問題?」
「はい…、飲み水がこの島にはないのです…」
シュンは急いで駆け寄って来たカノンに指輪と魔法石を見せ、
婚約指輪の製作を頼み、カノンはそれを了解した。
それに嬉しそうに頷いたシュンは、開拓の方を尋ね、
飲み水がないと報告されて驚いてしまった。
「えっ?湖があるでしょ?」
「どうやらあれは海と繋がってまして、海水だったんです」
「なんと」
「ですから、飲み水の確保をどうするか思案中なんです」
「ん~、ん~、あっ、そうだ、作っちゃえばいいんじゃない?」
「作るって、湖を?」
「うん、魔法で地面に穴掘ってさ、水も魔法で貯めればいいんじゃないかな?」
「なるほど、その手があるとは、飼い主様もなかなかやりますわね」
シュンが最初に来た時に見た湖は海水で覆われていたらしく、
飲み水には出来ないと説明された。
するとシュンはうんうん唸った後手をポンと叩いて、
ないなら作ればいいと口に出した。
それをどこで聞いていたのか分からないが、
いきなりアイリーンが現れ手放しで褒め称えた。
「うわ、どこから現れたの?」
「お兄様ぁ、お水をお城から持って来てたんですよぉ」
「それはそれは、重そうだね、俺が持つよ」
「へへへ、嬉しいですけどぉ、大丈夫ですよぉ」
「本当に~?」
「はい、平、気、で、すよぉ」
「ははは、そんなよろよろしちゃって、ちょっと向こうの様子も知りたいから、俺が届けてる間に相談しといてくれない?」
「そんな、シュン様にその様な事」
「いいって、いいって、じゃあ、ちょっと行ってくるね」
「はい、申し訳在りません」
樽のような物を1つずつ担いでいたアイリーンにモニカ、ニキを見て、
湖作りの相談は任せたと言ってシュンが両手と首に担いで、
孤児院の子供達と町から手伝いに来ている人達の所へ向かって行った。
「おお、えっと、シュン様、仕事を下さいましてありがとうございました」
「あっ、町の人ですか?」
「はい、木を切って畑を耕すだけで給料が頂けるなんて、本当にありがたい話です」
「いえいえ、手伝って貰えてこちらこそお礼を言いたいよ、どうもありがとう」
「そんな、滅相もない、所でそれは?」
「ああ、飲み水、水がないと苦しいからね~、みんなで別けてくれる?」
「おおお、ありがたい、これはここに置いて下さい」
「いや、結構重いし、俺が運ぶよ」
「いえいえ、これはあっしらが運びますから、シュン様は神父さんの所へ行ってやって下さい、話がしたいと言ってましたから」
「ん~、じゃあ、悪いけど、お願いするね」
開拓作業をしている所へ向かう途中、町人の1人が現れお礼を述べた。
それをシュンはお礼で返して町民が言ったように神父の所へ会いに行った。
置かれた樽は町人達が集まり、嬉しそうに運んで行ったのだった。
「すいませ~ん、神父さん居ますか?」
「おお、貴方がナオトさん、いや、シュンさんですね」
「うん、依頼者なのに挨拶が遅れてすいません」
「いやいや、感謝してるのは私達の方ですよ、カノンから話を聞いた時は涙が出そうになりましたよ」
「そんな」
「はっはっは、謙遜は美徳ですが、大物の貴方には必要ないのでは?」
「あ、俺が覇王だって知ってるの?」
「まあ、ここだけの話ですからご安心下さい」
「そうして貰えるとありがたいです」
「ふふふ、顔も見る事が叶いましたし、私は子供達の所へ行きます」
「うん、また顔を出しますね」
「是非お願いします、では、失礼を」
本当に顔が見たかっただけなのか神父は、
ちょこっと話をしただけで子供達の様子を見に行ってしまい、
シュンも恋人達の下へ帰って行った。
「でもそれだと~、シュンちゃんにしか出来ないんじゃないかしら?」
「ですよね、それに水を貯める為の魔法石もシュン様にお任せするしかありませんね」
「ん~、全てをシュン君に任せてしまうとは、ひゃんっ、あぅ、シュ、シュン君」
「あははは、真面目に話してる所ごめん」
「いえ、構いませんが、どうせならもっと強く触って頂いた方が…」
「コホン、ルーミアちゃん、今は真面目な相談中ですわよ?」
「あ、その、すいません」
シュンが帰って来た事に気付かないほど真面目な会議をしていた為、
ルーミアの胸を後ろから軽く揉み悪戯をした。
それをルーミアが怒るどころかもっと強く揉んで欲しいと話を脱線させ、
珍しくアイリーンが怒ってみせた。
だがそれは自分もして欲しいと言う嫉妬からでもし自分がされていたら、
同じ事を言って他の恋人に怒られていただろう。
それはさて置き会議の内容をニキがシュンへ話し始めた。
「シュン様、街を造るのですからそれなりの水が必要となるのですが、かなり大きな湖を作るには…、シュン様が魔法で掘るしか方法がないと思われます」
「あぁ、そんな事なら全然構わないよ?」
「そ、そうですか、それともう1つ、水属性の魔法石を10数個と光属性の魔法石を3個ほど欲しいのですが」
「魔法石?何に使うの?」
「はい、水属性の魔法石に力を与えれば水が自然と出るようになり、光属性の魔法石は水が腐らないようにする為です」
「ほうほう、仕事分以上にあるから、それも大丈夫だよ」
「そんなあっさりと…、シュンくんってやっぱり凄い…」
「ほんとよねー、凄く頼りになるねー」
ニキが申し訳なさそうに話した内容を気楽に答えるシュンを見て、
ジャンとファンはうっとりとした顔で見つめていた。
それからシュンは開拓している所からやや離れた平地の上空に浮遊し、
ニキに聞いた土属性の詠唱を唱えて魔法を放ち、
シュン達が住む街の2倍ほどある広さに渡って窪地を作り、
魔法石をその窪地へ置いて水属性の魔法を使って水を湧き上がらせた。
それと同時に塩水の湖から逆流しないように川を掘り作り、
飲み水の解決と共に、水田の開発もし易くして午前の仕事は終了した。
「………」
「……もう、何も言えないですよね」
「ええ、言葉がないとはこの事ですね」
出来た出来たとへらへらしながら帰って来たシュンを、
ルーミアとユウ、サリィは改めて閉口してしまい呆けてしまっていた。
そんな事とは知らないシュンは、昼飯にしようと恋人達に伝え、
自宅へと帰って行ったのだった。
マジでヒロイン増え過ぎましたよね…。
ギルドのお姉さんことファンは街が出来上がってからの登場予定だったんですが…。
妹のジャンを調子に乗って出しちゃいまして…。
ザーナも本当はあんな性格じゃなくイエスマンヒロインだったんですが、上の2人の登場で変わってしまいました。
ご意見ご感想を御待ちしております。
改行ずれがかなり多いので、見かけましたらお知らせ下さい。
誤字脱字もです、宜しくお願いします。




