第11話 新たな恋人とサランとの初夜
「おかえりなさい、あら、シュンちゃん、そちらさんは?」
「あ、あの、カノンと言います、シュン様とはギルドのお仕事でお世話になってます」
「うふふ、ご丁寧にどうも、さぁ、お入り下さい」
「あ、はい」
家に入ってすぐサリィが出迎えた。
そのサリィがシュンの横に立つ女性を見て、
誰だか聞くと、お姉さん事カノンは、
サリィを本当のお母さんかと間違え、丁寧に挨拶した。
そんなカノンにサリィは微笑んで迎え入れ、椅子を引いて座らせた。
「すいません」
「うふふ、はい、お茶です」
「お母さん、ユウちゃんとかはどうしたの?」
「今お買い物に行ってますよ」
「そっか~、アイリーンさん達は?」
「リーンちゃん達?もう来るんじゃないかな~、あっ、来たみたい」
緊張気味にしているカノンにお茶を用意するサリィ。
そのサリィにシュンは、ユウ達の事を聞いた後、
アイリーン達の事も聞いた。
すると丁度来たようで、アイリーン達が家の中に入って来た。
「お兄様に早く会いたくてぇ、来ちゃいましたぁ」
「うふふ、モニカがどうしてもって言うもんだから、早く来てしまいましたわ」
「女王様…、ご自分の方が煩く言っていましたけど…、あら?そちらの方は?」
家に入って来るなり、軽快に口を開くアイリーンに、
ニキは呆れながら言い訳をと、ジト目で見ていた。
だがすぐに、椅子に座っているカノンを見付けて、
誰だか聞き出した。
いきなり自国のトップ、女王であるアイリーンが現れ、
急いで椅子から立ち上がり、ニキの質問に答えようとした。
「あ、あ、あの、女王様にお姫様ですよね?」
「まあ、そうですけども、貴女は?」
「はい、私は、女王様の国でギルドの受付をしている、カノン、カノン ブロンチスです」
「ああ、貴女が飼い主様に孤児院の寄付をお願いした」
「はい、……飼い主様?」
「ただいま~」
カチカチになりながら自己紹介をしたカノンに、
アイリーンはシュンへ孤児院の寄付を頼んだ女性と気付き、
それを指摘した。
それにもカチカチながらはいと答えたカノンであったが、
シュンの事を飼い主様と言う意味不明な呼び方に、
頭に上に?を浮かべていた。
そこにユウ達が買い物を終え、帰宅して来た。
「おかえり」
「シュン様、ただいまです、えっと~、この女性は誰ですか?」
「えっと~、カノンさん、ギルドの受付をしてくれたお姉さんで、錬金術師の人だよ」
「あ~、婚約指輪を作ってくれる」
「うん」
「婚約指輪?」
「あぁ、モニカちゃん達にはまだ言ってなかったけど、魔法石で稼いだお金で、指輪を買う事にしたんだけど~、白い魔法石が付いた指輪が婚約指輪だって聞いてね」
「買って来たのですか?」
「いや、指輪だけ買って、俺が自分で手に入れて来た石で作って渡そうかなと」
「うわぁぁ、いいんですかぁ?お兄様の手作りを貰ってもぉぉ」
「あ、いや、石を付けてくれるのはカノンさんだけど」
見慣れない女性を誰だか聞いたユウにシュンは、
ギルドの受付で錬金術を使える女性だと説明した。
それを聞いたユウは、婚約指輪の話を持ち出し、
その話を聞いていなかったアイリーン達にシュンが説明をした。
「も、もう、出来ているのですか?」
「いや、纏めて倒してた所為で、小さい石がまだ2個しかなくて、明日には人数分揃えるから、明日まで待って欲しい」
「そうでしたか、それと、孤児院のお話は?」
「あぁ、それは今からしようかなと」
「そうでしたか、では、わたくし達が話をして置きますから、飼い主様はお風呂に入って来てはいかがですか?」
「風呂か、いいの?」
「はい、いいですよぉ、ユウお姉様とのお約束もありますしねぇ?お姉様?」
「え、あ、うん、お風呂に、その、行きましょう、シュン様」
「う、うん、じゃあ、後は任せるね」
「うふふ、畏まりましたわ、なるべくお早くお戻り下さいね?」
「あ、あぁ、りょ~うかいしました」
婚約指輪の件はシュンに任せる事したニキは、
孤児院の話はもうしたのかとシュンに尋ねる。
シュンがまだだと答えると、アイリーンが何故だか風呂を勧めて来て、
モニカが悪戯っぽく、ユウとのお約束を持ち出し微笑んだ。
その微笑みを受けユウはモニカにニコッとお礼の笑みを返して、
シュンと風呂場に消えて行った。
風呂に入ってすぐ、お互いを洗いっこしながら、
愛の営みをしたシュンとユウは、
2回ほどユウの中でに愛を注いで終え、
湯船に浸かっていた。
「えへへ、シュン様、みんな優しいですよね~」
「うん、そうだね~、もしユウちゃんが逆の立場だったらどうしてた?」
「ん~、勿論モニカちゃんと同じ事をしてますよ、でもちょっと羨ましいかなって嫉妬しちゃいますけどね」
「そっか~、もっとみんなにも優しくして上げないとな…」
「大丈夫ですよシュン様、シュン様は十分優しいですし、婚約指輪だってくれるって言ってくれてるじゃないですか」
「まあ、でも、たかが指輪だしな~」
「たかがじゃないですよ~、好きな人に婚約指輪を貰えるって、凄く幸せな事なんですよ?」
「そうなんだ、まあでも、もっと頑張らないとね」
ゆったりと湯船に浸かりながら、
ユウはアイリーン達の気遣いに感謝していた。
その言葉を受けてシュンは、ユウへ質問を投げ掛け、
色々考えさせられていた。
そんなシュンにユウは微笑みながら発言に噛み付き、
指輪を貰える事に凄く幸せだと言って抱き付いた。
抱き締められたシュンは、ユウの頭を撫でながら、
目を細めた後にもっと頑張らないとと呟いた。
そんな2人だけの空間だったが、ガヤガヤと多人数の声が聞こえ出し、
風呂場に恋人達がぞろぞろと現れた。
「シュンちゃ~ん、遅いからお母さん達も来ちゃった」
「なっ、またみんな入って来たの?」
「はい、待たされるのならば皆で入ってから、食事にしようとなったもので」
「お兄様、モニカも一緒に入るのぉ、嫌ですかぁ?」
「嫌じゃないよ、全然嫌じゃないから」
「へへへ、良かったですぅ、じゃあ、お兄様の隣に行きますねぇぇ」
サリィがおどけつつ入場して来て、ルーミアが説明をする。
そんな中モニカがしょぼんとした表情でシュンへ嫌だったのか尋ね、
シュンが嫌じゃないと返すと、瞬時に笑顔になって湯船へ入り込み、
シュンの隣をキープした。
「あ、あの…、私も…、ご一緒に宜しいでしょうか?」
「カ、カノンさん?」
「あの…、女王様からお話を伺いました…、覇王様に色々とお願い事を頼んでしまって、す、すいませんでした…」
「あっ、いや、全然構わないから、それに大した事して上げれてないし」
「その様に言って頂けて、本当にお優しいです…、それであの、今日帰ったらすぐに神父様へお話をしますね」
「うん、お願いするね」
「はい…」
続々と浴槽内へ入って来た恋人達の最後に、
緊張と恥ずかしさでガチガチのカノンがシュンへ断りを入れた。
そしてシュンの真正面に浸かったカノンは、
アイリーンに話を聞いたと、湯船の中で頭を下げ謝って来る。
それに対して慌てるシュンに、ホッとした表情をしたカノンが、
孤児院の神父に話をして置くと言って、黙り込んでしまった。
「うふふ、飼い主様、カノンちゃんも欲しいそうですわ、婚約指輪を」
「えっ、それ本当?」
「あ、じょ、女王様」
「あら、ご自分から言いたかったのかしら?悪い事をしちゃったみたいですわね」
「い、いえ…、ですが、まさか覇王様だとは思っていなかったので、その…」
「身分なんて関係ないよ、さっきも言ったけど、俺はカノンさんの事が、凄く好きなんだ」
「あ、そ、その…、私なんかが本当に宜しいのですか…?」
「うん、だめかな?」
「い、いえ、凄く嬉しいです……、あの、私にも、婚約指輪、頂けますか?」
「うん、まあ、カノンさんに作って貰う事になるけど…」
「はい、頑張らさせて頂きます」
浴槽内で告白し合うシュンとカノンを、
他の恋人達はニコニコしながら見守っていた。
そして、それが無事に済むと皆は拍手をしてカノンを迎え入れ、
暫し会話を楽しんだ後、シュンだけ先に風呂から上がった。
そして皆も上がって、食事となった。
「御主人様、明日から島を探索したいと思ってるんですが」
「うん?探索?」
「そうです~、街を造り易い場所を探すのです~」
「なるほどね、でもあそこにはヒュドラが居たからな~、結構危ない場所なんじゃないかな?」
「はい、確かにそうなんですが、街を造るのにはあの島が1番最適かと思われます」
「シュン様、探索を許して欲しいです、私達もシュン様のお役に立ちたいです」
「ん、ん~、ユウちゃんがそう言ってくれるのは嬉しいけど」
食事が始まって早々、フローリアが翌日の予定をシュンに伝えた。
そしてエレアとサランが続き、ユウがお強請りする様に許可を求める。
だがシュンは危険だと思い、なかなか頷けなかった。
そこにアイリーンが口を挟む。
「飼い主様、午後からでしたらわたくし達もお手伝い出来ますわ」
「アイリーンさん、大丈夫なの?」
「ええ、平気ですわよね?ニキ」
「はい、午後からでしたら、それに、私も気になる事がございますし」
「気になる事?」
「はい、ヒュドラのような高レベルのモンスターは普通、洞窟内にしか居ないのですよ、ですからもしかしたら下との穴が開いている可能性がございまして」
午後からなら自分達も手伝えるとアイリーンが言い、
確認を求められたニキも頷く。
その頷いたニキは、自分も気になる事があると言って、
その説明をシュンにし始めた。
「下との穴??」
「えっと、説明が要りましたね、申し訳ありません」
「いや、謝らなくても全然いいって、それで、その穴って?」
「下の世界、魔界と呼ばれている世界が、私達の住む世界と表裏一体になっているのです」
「あっちの世界は大魔王とか魔人が跋扈していて、常に争っている世界なんですよ~」
「お母さんは行った事あるの?」
「はい、1度だけですけどね」
「争ってるって~、国みたいのが下にもあるの?」
「ええ、大魔王同士が領土拡大に毎日争ってますよ、その中で偶にこっちの世界の人を連れ去る事があるんです」
「連れ去る?」
ニキの説明中サリィも加わって、より詳しく語り始めた。
どうやら今暮らしている世界の真逆には魔界があるそうで、
魔王や魔人などの邪悪な者たちが日夜争いを起こしているらしい。
そして、稀にだがこちらの世界に干渉して来て、
人攫いなどもしているとサリィが教えてくれた。
「はい、他の大魔王に対抗する為、光属性を操れる、能力の高い人を攫って手駒にしようと」
「じゃあ、あの島にも魔界に繋がってる穴があって、人攫いをしようと?」
「そうです、それで偶々、ずば抜けて能力の高いシュン様が居て、ヒュドラが襲って来たのかも知れません」
「まあ、間違いなく竜王の手先でしょうね~、全く、1回説教したって言うのに、あの人は懲りないんだから」
「説教したって、どうやって?」
「うふふ、それは秘密です」
「ま、まあ、それはいいか、で、午後から探索にするとして、俺も一緒の方がいいよね?」
「そうですね、穴を見つけたら、封印しないといけませんし、明日だけお願い出来ますか?」
「うん、午前中は今日と同じで、午後から探索にしよう」
サリィがどうやって大魔王である竜王を説教したのか、
気になったシュンだが、サリィは秘密だと言って、
怪しげな笑みを向けた。
それを見たシュンはなんとも言えない悪寒に襲われ、
それ以上は聞く事を諦めた。
取り敢えずはそこで話に区切りを付け、
明日の午後は島の探索と決めた。
その後は婚約指輪の話題や、資金集めの話をしながら、
楽しい食事をし、それが終わって帰宅組を見送った。
その中でサランだけは居残り、ちょこんと椅子に座りながら、
お茶を啜っていた。
「お師匠様、先程のお約束…」
「うん、でも、いいの?」
「はい、あの、ユウさん、お師匠様との一夜、お借りしますね」
「うん、サランさん、頑張ってね」
薬屋に行く前に話していた、今夜一緒に寝ると言う約束の為、
サランは残っていて、ユウに一声掛けて、
シュンと一緒に部屋へ向かって行った。
その様子にユウは微笑んで見送りながら、頑張れと一声投げるのだった。
可愛い寝間着姿に着替えたサランが、
ちょこっとベッドに座り、その隣にはシュンも居て、
2人は手を繋ぎながら会話をしていた。
「そうだ、弟さん、どうなった?」
「はい、頂いた薬を飲ませたら少し反応してくれる様になりました」
「そっか~、良かったね」
「はい、これもお師匠様のおかげです、ありがとうございました」
「ははは、お礼はいいよ、早く治って欲しいね~」
「はい、あ、あの、何でそこまでお優しいのですか?お師匠様程のお方なら、普通はもっと傍若無人に振舞っても可笑しくないのに」
「え?俺だって結構好き勝手やってるよ?こんな事とか」
「あん、も、もぅ、確かにエッチですけど、そうじゃなくて、見ず知らずの弟に薬を下さったり、我儘な事とかも、聞いて下さるじゃないですか?」
「ん~、俺はさ、まあ前も言ったけど、誰からも相手にされずに生きて来たから、頼りにされるって凄く嬉しいんだよね、まあ見返りとしてエッチな事させて貰ってる訳だけど」
「うふふ、また胸触ったー、本当にエッチな人ですね、お師匠様は」
会話しつつサランの童顔にはマッチしない、
大きな膨らみを何度も悪戯するシュン。
そんなシュンにサランは嫌がる素振りを見せながらも、
顔は微笑んだままだった。
「うん、けど、サランちゃんが触って欲しそうにしてるからだよ?」
「そ、そんな事、もぅ、お師匠様」
「ははは、怒った顔も可愛いね」
「うぅぅ、からかうの禁止です、あん、だーめです、キス、してから、で…」
「うん、………ちゅっ」
「んっ……はぁぁ」
可愛い笑顔を見せるサランにシュンは、
からかいの言葉を投げ掛けると、
流石にサランは少しムッと来たのか、
可愛く怒り顔を見せるが、それがまた拍車を掛ける事となり、
サランを軽く押し倒して行った。
その行動にサランは少し頬を赤らませながらジッとシュンを見つめ、
ファーストキスをして貰ってから、と訴え唇を交わして行った。
「お、お師匠様…、凄くドキドキしてます…」
「うん、俺の手にも伝わって来るよ」
「あっ、強く握ったら……………」
初めてのキスを交わし、
心臓の鼓動が強く鳴り響いている事を伝えたサランに、
シュンは胸に置いてある手でそれを確認し、
そのまま力を入れて指を埋め込んで行った。
それを敏感に感じ取ったサランは、
背を反らせる様に反応し突き出した格好になった胸を、
更にシュンの手が食い込んで行った……。
シュンは優しくゆっくりと1回目を終わらせ、
その後も2度3度とサランを求め、求めに応じたサランは、
3度とも中に愛を注がれ、息荒く事を終えた。
「はぁ、はぁ、はぁ、お、お師匠様、もうだめです、身体が動かない…」
「う、うん、ごめん、やり過ぎちゃったかな?」
「い、いえ、まだ未熟なだけですから、あ、あの、もう……」
「うん、もう寝ようか?」
「はい、あの、お師匠様、もっとこっちに来て下さい」
「もっと?うっ、柔らかい…って、このまま寝ていいの?」
「はい、お師匠様は私の胸を気に入って下さってるので、このまま、お休み致しましょう」
「……ありがとう、サランちゃん」
「私も、ありがとうです……」
夜も深まった所で限界が訪れたサランは、
休んでいいかと目で訴えた。
それにシュンは頷き就寝となったが、
サランはシュンを近付け頭を両手で抱え、
自身の胸を枕代わりにさせた。
そんな行為にシュンは心から礼を言って寝入って行き、
そんなシュンにサランも礼を返しながら、
夢の世界に落ちて行ったのだった。
「ん~、んっ?」
「うふふ、おはようございます、シュンちゃん、ちゅっ」
「お、お母さん?」
「うふふ、寝顔が可愛くてなかなか起こせなかったですよ」
「そ、そう、もうみんな来てるの?」
「はい、サランちゃんもシャワーを浴び終わって、食卓に居ますよ」
「そっか、じゃあすぐ行くね」
「はい、待ってますね~」
目を覚ましたシュンの目にサリィの優しい笑顔が飛び込んで来て、
目が合った瞬間にキスをされた。
起こす合図をされたシュンはサリィに、
もう皆揃ってるのか聞きサリィは頷いた。
一緒に寝た筈のサランももう起きてシャワーを浴び終わったと聞き、
急いで服を着て食卓へ向かった。
「お、おはようございます、お師匠様」
「う、うん、おはよう」
「おはようございます御主人様、楽しめましたか?」
「楽しむって、な、何をさ?」
「うふふ~、何をって~、サランさんとの~、一夜ですよ~?」
「ちょっ」
「ふふっ、シュン様、お食事しながら、ゆ~っくり聞きますね~」
「はぁぁ……」
食卓に来たシュンへ顔を赤らめながら挨拶をするサラン。
それに合わせてシュンも顔を赤くして挨拶を返した。
そんなシュンへフローリアとエレアは、
軽く責め立て、ユウまでもがそれに乗っかった。
そしてこの日の朝食はその話題で盛り上がり、
食事が終わるまで続いたのだった。
その食事が終わると、シュンは祭壇の洞窟へ、
恋人達は隣国の山へ向かって行った。
「さてさて、白い霧は出たらその場で倒せばいいか」
昨日同様、大きな魔法石を狙う為、
洞窟内をうろつきながら敵を集めようとしたが、
光属性の魔法石を残すライトミストだけは各個撃破し、
婚約指輪用の小さい魔法石を集める事とした。
「ん~、そう言えばここのボスってどんな奴なのかな、後でニキさんに聞いてみるかな」
2層目に行く階段を発見したシュンは、
この洞窟に居るボスはどんな奴か気にしつつ、
もう1度出口に向けて歩き出し、
集まったミスト達を一掃し大きな魔法石を手に入れた。
それからステータス画面に映っている時間を確認して、
昼には少し時間があった為、大アリの居る洞窟へ移動し、
女王アリをから羽を入手して、恋人達の下へ向かった。
恋人達と合流したシュンはギルドに立ち寄り、
カノンへ魔法石を渡して10万ほど報酬を貰い、
午前中だけの仕事にして貰ったカノンと共に帰宅した。
「あの、神父様にお話をしたんですが」
帰宅してすぐ、アイリーン達も集結し、
街で買って来た物を並べて、即食事となった。
そしてその食事が始まると同時に、カノンが口を開いた。
「反応は?」
「はい、神父様はとても喜んで居られました」
「そっか~、それは良かったよ」
「移転の件も承諾して貰えましたか?」
「はい、子供達も1からの街造りを楽しみにしているようです」
「なら今日中に穴を発見して、凶悪なモンスターが出ないようにしないとね」
孤児院の子供達に開拓の手伝いをして貰う件を、
カノンは昨日帰ってすぐ伝え、許可を貰えたらしい。
しかも開拓に当たって引っ越す事も大丈夫だという事だった。
それによってシュンは、今日中には穴を発見し、
封印したいと皆の顔を見て訴えた。
恋人達は皆頷く中、ニキが申し訳なさそうに口を開いた。
「そうですね、あ、シュン様、闇属性の魔法石が1つ必要なのですが…、済みません、言い忘れていました」
「闇?あぁ、これね、はい」
「あぁ、良かったです、お売りになったのかと思っていました」
「いや~、昨日、ニキさんに研究用にって手渡すの忘れてて、ごめんね」
「い、いえ、お謝りにならなくても…」
「明日はもう1つ残しておくから、明日にニキさん用に上げるね」
「あ、はい、私なんかの為に、ありがとうございます」
穴の封印に闇属性の魔法石が必要だと言われ、
シュンは昨日ニキに渡し忘れた魔法石を手渡し、
頭を掻きながら謝った。
それに対してニキは両手を振って制し、
その後の言葉に感謝をした。
「うふふ、良かったわねニキ」
「はい」
「じゃあ、ご飯を食べたら、穴がありそうな所を重点的に調べようか」
「そうですね」
指針も決まった所で早目に食事を終わらせたシュン達は、
シュンがユウと出会った島へ赴いた。
「ここでユウちゃんと初めて会ったんだよね~」
「はい、シュン様がヒュドラに噛まれた時には死んだと思いましたけど」
「ははは、俺もだよ、スキルがなかったら即死だったね」
「いいなぁ、いいなぁ、モニカもお兄様の活躍見たかったなぁ」
「ははは、俺はモニカちゃんの活躍を1人だけ見れたけどね~」
「お嬢様の活躍?」
「うん、捕まえて来た盗賊居たでしょ?あいつ等凄い鞭の痕なかった?」
「そう言えばそうでしたわね、まさかあれって」
「うん、モニカちゃんがビシビシ叩いてたんだよ」
「うぅぅ、お兄様、あれは見間違いですよぉ、モニカはそんな野蛮な事してないですよぉぉ」
「ははは、うんうん、野蛮な事はしてなかったね~、勇ましかったけどね」
「うぅぅぅ、お兄様…」
ヒュドラと戦った場所の周辺を重点的に歩きながら、
出会った時の話を笑って話し合い、
ピクニック感覚で探索をしていたシュン達。
その状態で1時間歩き探し、山の近くに穴を発見した。
「この穴がそうですね」
「どうやって封印するの?」
「まずはこの闇属性の魔法石を穴の中に入れまして、こちらからも魔界に干渉し易くします」
「うんうん」
「そして、こちら側から拡げた穴に向かって光属性の魔法を打ち込んで中和します」
「それで終わり?」
「いえ、その後、封印の魔法を唱えて、洞窟へと形を変えたら終わりです」
「洞窟ってそうやって出来るんだ」
「はい、レベルの高いモンスターが居る所はほとんどがその名残ですね」
封印の仕方をニキに説明されたシュンは、
洞窟がこうやって造られたと聞き驚いた。
それと同時に、ボスの話も効いてみた。
「じゃあ、ボスってなんで居るの?」
「穴を開けた大魔王の魔力が残っている為です、ですから、洞窟内は基本モンスター数は一定で保たれているんです、まあこれは、封印で魔力が洩れない様にする為には仕方ない事なのですが」
「洩れない様にって、洞窟内からはモンスターは出れないって事でいいんだよね?」
「ええ、そうですわ、ですからヒュドラみたいな高レベルのモンスターは出ないようになりますわ」
「そっかそっか、あぁ、後1ついい?」
「なんでしょう?」
「祭壇の洞窟に居るボスってどんな奴?」
「祭壇のですか?ええと、無属性魔法しか効かない、ビックミストですね」
「無属性か、じゃあ俺なら倒せるね」
「はい、しかし、まだ倒せた者が居ないので、もし倒しに行くのであれば十分お気を付け下さい」
「うん、わかったよ、さて、モンスターが出て来ない内に洞窟にしちゃおうか」
「はい、では、女王様とサリィ様、お願い致します」
一通り話が済んで、ニキはアイリーンとサリィに頼んで、
光属性の魔法を詠唱して貰いその間に穴へ魔法石を投げ入れた。
すると穴が幾分か拡がり、それに合わせてアイリーンとサリィが、
光属性の魔法をその穴に放って行った。
中和が行われている間に、ニキが魔法を詠唱して、
封印が成され様としたその時、ヒュドラが2匹穴から飛び出て来た。
「このタイミングでか、えいっ」
飛び出して来たヒュドラにシュンは容赦なく魔法をぶち当て、
消滅させ事無きを得た。
それを確認したニキは、封印の魔法を唱え終わり、
穴が開いていた場所には洞窟が生成された。
「ふぅぅ、なんとかなったわね~」
「ええ、ヒュドラが出た時は吃驚したけど、やはり飼い主様ですわね」
「はぁ、洞窟も出来上がったね~、今日は少し早いけど帰ってお風呂に入ろうか」
「そうですね、あっ、ヒュドラの角と牙、それに鱗も落ちてますよ」
「おお、やったね、しかも2個ずつか、うん、儲けたね~」
「街造りの資金になりましたね」
MPをかなり消費したのかニキを始め、
サリィとアイリーンまでもが疲労を色濃くしていた為、
シュンは早めの帰宅を伝えて、皆も同意した。
そんな中ユウが出来たばかりの洞窟の前に、
ヒュドラの角と牙、鱗が落ちているのに気付いた。
それを報告されたシュンは大喜びで取りに行き、
それに笑顔でユウも付いて行きシュンと拾い合うのだった。




