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水陸両用の名将:戚継光⑧

速攻そっこう厳罰げんばつ戚継光せき・けいこういくさどう


嘉靖三十六年かせい・さんじゅうろくねん倭寇わこう沿岸えんがんでまたあばれだした。戚継光せき・けいこう軍は、黄岩こうがん温嶺おんれいはげしい戦闘せんとうき込まれていた。


いくさはやめる!そして訓練くんれんきびしくだ!」戚継光せき・けいこうはいつものように、軍規ぐんき徹底てっていすることを部下ぶかたちにいた。


「はい隊長たいちょう!でもぼく、細かい失敗しっぱいしちゃいました……」劉顯りゅう・けんあせをかきながらも、まじめにあやまった。


林悦りん・えつはおカマ口調ぐちょうで、「あらあら、そんなときこそ元気げんきしなさいよ!戦場せんじょうでもおしゃれは大事だいじだもの!」とハイテンションにはげます。


薛綱せつ・こうわらいながら、「劉顯りゅう・けん、おまえ失敗しっぱいしてもわらいの神様かみさまがついてるな」とあきがおだ。


そんなにぎやかな中、戚継光せき・けいこうは自ら最前線さいぜんせんち、兵卒へいそつたちに直接ちょくせつ指導しどうはじめた。


かたなかまえはこうだ!おそうごきはてきすきあたえる!一瞬いっしゅん勝敗しょうはいけるのだぞ!」


「はいっ!」兵卒へいそつたちはこえを合わせて返事へんじした。


だが、その中にぽつんと一人ひとり劉顕りゅう・けんが……


隊長たいちょう、あの……かたな逆手さかてってしまいました……」


林悦りん・えつがすかさずツッコむ。


「あんたったら!その持ち方じゃだめでしょ!そんなのたらてきわらっちゃうわよ!」


薛綱せつ・こう爆笑ばくしょう


「おまえ失敗しっぱいてきに『あの人、逆手さかてだぜ、いくさにならねえ!』っておもわれてるな!」


劉顕りゅう・けんかおを真っまっかにしつつ、「すみません……つぎをつけます……」とつぶやいた。


一方いっぽう倭寇わこうがわでは村上武吉むらかみ・たけよし海賊王かいぞくおう目指めざして、密談みつだんかさねていた。


みん戚継光せき・けいこうあなどれん。だが、あの男も人間にんげんゆえの弱点じゃくてんはあるはずだ!」村上むらかみわらいながらった。


「よし、やつたい混乱こんらんをもたらしてやろう!」


そのころ戚継光せき・けいこう劉顕りゅう・けんたちにった。


「よし、戦い(たたか)いはすみやかにわらせ、しかしきびしい訓練くんれんわすれるな」


「はいっ!」全員ぜんいん元気げんきこたえる。


林悦りん・えつ口調くちょうを上げて、


「そうよねー!速攻そっこうてきたたいて、訓練くんれん自分じぶんたたく!これぞわたしたちのいくさスタイル!」


薛綱せつ・こう大笑おおわらいしながら、「もうわらいすぎて腹筋ふっきんいたいぞ!」とった。


そんなこんなで、戚継光せき・けいこう軍は見事みごと黄岩こうがん温嶺おんれい戦功せんこうげた。


しかし、劉顕りゅう・けん相変あいかわらずこまかい失敗しっぱいかえし、林悦りん・えつ薛綱せつ・こうのツッコミはえなかった。


隊長たいちょうわたしたちのいくさわらいありなみだありですなあ!」


戚継光せき・けいこうはにっこりわらってこたえた。


「そうだな。だが、それもまたこのぐんつよさのあかしだろう」


こうして「はやうごき、きびしくきたえる」戚継光せき・けいこう軍は、倭寇わこう相手あいてにますますつよくなっていったのだった。



新書しんしょ編纂へんさんでドタバタ!?戚継光せき・けいこう大発明だいはつめい


嘉靖三十七年かせい・さんじゅうななねん戚継光せき・けいこう三十歳さんじゅっさいむかえたころ台州たいしゅうあたらしい大仕事だいしごとに取りんでいた。それは「紀效新書きこうしんしょ」というほんをつくること。未来みらい軍隊ぐんたい歩兵ほへい中心ちゅうしんになり、火器かき使つかい、長槍ながやり藤牌とうはいというたて戦術せんじゅつを取りれるための訓練法くんれんほうをまとめるのだ。


隊長たいちょうほんなんてむずかしそうですねえ……」劉顯りゅう・けんが、眼鏡めがねをくいっとなおしながらった。


「それがな、りゅう、これがないとあとでみんなこまるんだぞ。訓練くんれんのバイブルみたいなものだ」戚継光せき・けいこう真剣しんけんかおこたえる。


そこへ林悦りん・えつがハイテンションであらわれ、


「まあまあ、むずかしいはなしいといて、わたしんだらたのしいほんになるわよ~!」


大声おおごえげる。


しかし童元鎮どう・げんちん冷静れいせいにツッコむ。


せき隊長たいちょう冗談じょうだんきでちゃんとしたものをつくらないと、後々(のちのち)大変たいへんですぞ」


「そうだぞ、りん、おまえのテンション(てんしょん)はいておくにしても、これは我々(われわれ)の未来みらいえる重要じゅうよう仕事しごとなんだ」


「ふんふん、なるほどね~」林悦りん・えつまゆをひそめつつも、興味津々(きょうみしんしん)だ。


編纂へんさん作業さぎょうおもったよりも大変たいへんで、戚継光せき・けいこう何度なんどなおした。


隊長たいちょう、ここは『火器かきあつかかた』をもっとわかりやすくしたほうがいいですよ」劉顯りゅう・けん原稿げんこう指差ゆびさした。


「そうか、ありがとな」戚継光せき・けいこうはメモを取りながら返事へんじをする。


一方いっぽう林悦りん・えつは「うーん、文章ぶんしょう堅苦かたくるしいわよね~」といながらも、どこか楽しそうにくわえていく。


童元鎮どう・げんちんはそのたびに「りんさん、真面目まじめに!」とツッコム。


「わかったわよ、じゃあこれでどう?『火器かきはピューッとはやっててきをビビらせるのよ!』」


「……もっと歴史れきしらしくしてくれ」童元鎮どう・げんちんがためいきをつく。


そんなドタバタの中でも、戚継光せき・けいこうは「長槍ながやり藤牌とうはい」の戦術せんじゅつくわしく解説かいせつし、歩兵ほへいたちに実践じっせんできるように指導しどうした。


「これはな、てきをガードしながらめる最高さいこう方法ほうほうなんだ」戚継光せき・けいこう自慢じまんげに説明せつめいした。


劉顯りゅう・けんはその説明せつめいいて感心かんしんしたが、またもやこまかいミスをおかす。


隊長たいちょう、あの……わたし藤牌とうはいぎゃくってました……」


林悦りん・えつ大爆笑だいばくしょうしながら、「あらあら、やっぱりあんたは持ちいっつもヘン(変)ね!」とからかう。


童元鎮どう・げんちんは「またか……」と苦笑にがわらい。


それでも、この『紀効新書きこうしんしょ』は後年こうねん歩兵ほへい中心ちゅうしん軍制ぐんせい火器かき活用かつよう、そして新しい訓練法くんれんほうとして歴史れきしのこることになるのだった。


「よし、これで私たちも未来みらい最強さいきょう軍隊ぐんたいつくるぞ!」戚継光せき・けいこう笑顔えがおでみんなを鼓舞こぶした。


「うん、つぎ失敗しっぱいしないように頑張がんばります!」劉顕りゅう・けん元気げんきこたえた。


林悦りん・えつはハイテンションで、


「そうよー!みんなでたのしくつよくなりましょー!」


童元鎮どう・げんちんはきっちりとめ、


「でも、やっぱり真面目まじめにやるのが基本きほんですな」


こうして戚継光せき・けいこうたちはわらいあり、つっこみありのなかで、新時代しんじだい軍隊ぐんたいづくりにあせながしたのだった。



戚継光せき・けいこうふね講座こうざ造船技術ぞうせんぎじゅつってなあに?


嘉靖三十七年かせい・さんじゅうななねん戚継光せき・けいこう台州たいしゅうのある部下ぶかたちにみんの戦い(たたかい)で使つかふねについて説明せつめいすることになった。


「みんな、今日はいくさ使つかふねについておしえるぞ!」戚継光せき・けいこうは堂々(どうどう)とはなはじめた。


まずは童元鎮どう・げんちん真面目まじめかおで、「隊長たいちょうふねって何種類なんしゅるいくらいあるんですか?」といた。


「いい質問しつもんだな、童元鎮どう・げんちんみんにはおおきくけて三種類さんしゅるいふねがあるんだ。それぞれ名前なまえ特徴とくちょうもバッチリおぼえておくといいぞ」


戚継光せき・けいこうむねって説明せつめいした。


「まずは『戦艦せんかん』。こいつはデカくて頑丈がんじょうてきむのにいている。まさにうみの暴れんあばれんぼうよ!」


劉顕りゅう・けんはメモを取りながら、「隊長たいちょう、それって海賊かいぞくみたいですね」とつぶやいた。


すると林悦りん・えつ突然とつぜん派手はでなポーズをめながら、「あらあら、戦艦せんかんって男らしいのね~!わたしってみたいわ!」とハイテンションでい出した。


「おいおい、そんな派手はでにしたらてき目立めだちまうだろう!」童元鎮どう・げんちんがすかさずツッコム。


つぎは『巡洋艦じゅんようかん』。こいつはちょっとちいさめではやい。てきつけていかけるのにピッタリだ」


「ほうほう、俊敏しゅんびんな感じですね」薛綱せつ・こうわらいながらうなずいた。


最後さいごは『輸送船ゆそうせん』。兵士へいし物資ぶっしはこぶためのふねで、地味じみだけどいくさにはかせない存在そんざいなんだ」


林悦りん・えつまゆをひそめ、「あら、地味じみってわないでよ~。わたしだって地味じみだけど重要じゅうようなのよ!」とさけぶ。


りん、おまえふねじゃなくて人間にんげんだ!」童元鎮どう・げんちん冷静れいせいにツッコむ。


戚継光せき・けいこうわらいをこらえつつ、つぎ話題わだいすすんだ。


「さて、つぎ造船技術ぞうせんぎじゅつだ。みんふねはただおおきいだけじゃない。しっかりつくられてて、なみつよいんだぞ」


隊長たいちょう、どんな工夫くふうがあるんです?」童元鎮どう・げんちんが興味津々(きょうみしんしん)だ。


「まず船底せんてい二重にじゅう構造こうぞうで、もしあないてもすぐ沈没ちんぼつしないようになっているんだ」


「わあ、それはすごい!」薛綱せつ・こう大笑おおわらいしながらった。


りん、あんたもおぼえなさいよ。二重にじゅう構造こうぞうなんてまるでわたし二重にじゅうあごみたいなものよね!」林悦りん・えつわらいながらう。


「……うん、まあ、そうだな」戚継光せき・けいこう苦笑くしょう


さらに戚継光せき・けいこうは「ふね丈夫じょうぶぬのでできていて、かぜをうまくけてはやはしれる」と説明せつめいした。


「まるでりんこえみたいにかぜるわね!」林悦りん・えつがまた一言ひとこと


「おまえこえだけは勘弁かんべんしてくれ!」童元鎮どう・げんちん必死ひっしさけぶ。


最後さいご戚継光せき・けいこうは「これらのふね技術ぎじゅつで、みん倭寇わこうをしっかり撃退げきたいしているんだ」とむねった。


隊長たいちょうぼくもそんな立派りっぱふねってみたいなあ」劉顕りゅう・けん夢見心地ゆめみごこち


「おう、そのためにもおまえ全員ぜんいん、もっと訓練くんれんをがんばろうな!」


こうして戚継光せき・けいこう部下ぶかたちは、わらいながらも真剣しんけんふねいくさ知識ちしきふかめていったのだった。

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