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水陸両用の名将:戚継光⑦

〇倭寇(わこう)討伐作戦! 戚継光と部下たちの作戦会議


嘉靖三十四年(かせい・さんじゅうよねん)、戚継光(せき・けいこう)は沿岸(えんがん)での倭寇(わこう)討伐に頭を悩ませていた。

倭寇(わこう)といえば、外国から来た海賊(かいぞく)たち。彼らの戦術(せんじゅつ)はなかなか手強い。


ある日、戚継光(せき・けいこう)は部下(ぶか)たちを集めて作戦会議(さくせんかいぎ)を開いた。


「皆(みな)、倭寇(わこう)の戦い方(たたかいかた)について、改めて考(かんが)えよう」


まず口を開いたのは、実直(じっちょく)で清廉(せいれん)、しかしツッコミ役(やく)の童元鎮(どう・げんちん)だ。


「隊長(たいちょう)、倭寇(わこう)は小回(こまわ)りが利(き)いて、夜襲(やしゅう)や奇襲(きしゅう)が得意(とくい)です。防(ふせ)ぐには油断(ゆだん)できません!」


「そうだな、あの小さな船で海を自在(じざい)に動き回る。しかも港(みなと)や浜辺(はまべ)を急襲(きゅうしゅう)するから厄介(やっかい)だ」


そこへ、ハイテンションなおカマ口調(くちょう)で話す林悦(りん・えつ)が割り込んできた。


「おーっほっほっほ!隊長、倭寇(わこう)なんて怖(こわ)くないわよ!だってあの子たち、ワチャワチャしてるだけでしょ?隙(すき)だらけのヘッポコ海賊(かいぞく)なんだから!」


「林悦(りん)、アンタそれ侮辱(ぶじょく)しすぎよ!」童元鎮(どう・げんちん)が慌ててツッコむ。しかし、オカマ口調がうつってしまっている。


「ええ、でも本当よ!ほら、あの船が向こうにいるじゃない?」


「だが、そう簡単にはいかないのだ。彼らは何度も奇襲(きしゅう)を仕掛(しか)けてくる。注意(ちゅうい)を怠(おこた)れば一気にやられる」


「うーん、ならばどうやって対抗(たいこう)するんだ?うぷぷ…」薛綱(せつ・こう)が笑いながら訊(き)く。


「笑い事(わらいごと)じゃないぞ、薛綱(せつ・こう)!倭寇(わこう)に勝つには、我々(われわれ)も機動力(きどうりょく)を上げなければならん」


「ふむふむ、たとえば?うぷぷ…」


「まずは兵(へい)たちの訓練(くんれん)を強化(きょうか)すること。倭寇(わこう)は機敏(きびん)だから、こちらも素早く動く必要(ひつよう)がある」


「なるほどね~。あたしも体動かすのは得意(とくい)よ~。ダンスなら負けないわ!」林悦(りん・えつ)が腕(うで)を振(ふ)るう。


「おいおい、ダンスは戦(たたか)いに関係ないだろう!」童元鎮(どう・げんちん)が呆(あき)れ顔(がお)で突っ込む。


「でも、隊長の動きも時々(ときどき)怪しいわよ?まるで、コウモリみたいにヒラヒラしてるの!」林悦(りん・えつ)が笑い出す。


「おい、林悦(りん)、余計(よけい)なこと言うな!」戚継光(せき・けいこう)は赤面(せきめん)しながらツッコミ返した。


「そうそう、機敏(きびん)な動きは重要(じゅうよう)だが、無茶(むちゃ)は禁物(きんもつ)だぞ」童元鎮(どう・げんちん)が真面目(まじめ)に説教(せっきょう)する。


「そうだな……」戚継光(せき・けいこう)はうなずいた。


「あと、倭寇(わこう)は夜間(やかん)や霧(きり)を利用(りよう)して奇襲(きしゅう)してくる。だからこちらも夜の見張り(みはり)を強化(きょうか)しなければならん」


「そうね、夜はなにかと物騒(ぶっそう)だから注意(ちゅうい)が必要(ひつよう)よね!」林悦(りん・えつ)が真面目(まじめ)な顔(かお)になる。


「でも、隊長、そんな夜遅くまで見張り番(みはりばん)なんて眠(ねむ)くなりますよ……」


「まったくだ!寝不足(ねぶそく)でぼーっとしてると、敵(てき)にやられるぞ」薛綱(せつ・こう)が笑いながら言う。


「眠くても気を抜くな!海は甘くない!」


「わかってますってば~」


こうして戚継光(せき・けいこう)と部下(ぶか)たちは、倭寇(わこう)の厄介(やっかい)な戦術(せんじゅつ)に対応(たいおう)すべく、日々(ひび)工夫(くふう)と訓練(くんれん)を重ねていったのだった。



〇戚継光、農民(のうみん)たちを軍人(ぐんじん)に変える!?


嘉靖三十五年(かせい・さんじゅうごねん)、戚継光(せき・けいこう)は台州(たいしゅう)で、訓練不足(くんれんぶそく)の軍(ぐん)を前に頭(あたま)を抱えていた。


「こ、これではまるで素人(しろうと)集団(しゅうだん)だ……!」戚継光(せき・けいこう)はため息(いき)をつく。


そんな中、彼は地元(じもと)の農民(のうみん)たちを中心(ちゅうしん)に義勇軍(ぎゆうぐん)を作ることを決心(けっしん)した。


「よし、これからはこの農民(のうみん)たちにしっかり訓練(くんれん)を施(ほどこ)して、強(つよ)い軍隊(ぐんたい)を作るぞ!」


部下(ぶか)の童元鎮(どう・げんちん)が口を開いた。


「隊長(たいちょう)、でも農民(のうみん)を集めて戦(たたか)わせるなんて、大丈夫(だいじょうぶ)なんでしょうか?」


「それがな、農民(のうみん)たちは普段(ふだん)から重(おも)い荷物(にもつ)を運(はこ)んだり、畑(はたけ)を耕(たがや)したりしているから、体力(たいりょく)はバッチリだ」


「それはそうだけど、戦い方(たたかいかた)はどう教(おそ)えるんです?」


「そこだ。武器訓練(ぶきくんれん)や集団行動(しゅうだんこうどう)を徹底(てってい)して身(み)に着けさせる。そして、指揮(しき)には軍歌(ぐんか)と鼓号(ここう)を使うことにした」


劉顯(りゅう・けん)が首(くび)をかしげる。


「軍歌(ぐんか)と鼓号(ここう)?それって効果(こうか)あるんですか?」


「もちろんだ。歌(うた)や太鼓(たいこ)の音(おと)があると士気(しき)が上(あ)がるし、指示(しじ)も分(わ)かりやすい。戦場(せんじょう)で声(こえ)が通(とお)らない時(とき)に便利(べんり)だ」


薛綱(せつ・こう)が笑(わら)いながら言(い)う。


「隊長(たいちょう)、そんなの聞(き)いたら農民(のうみん)たちも『歌(うた)って戦(たたか)うの!?』ってビックリするんじゃない?」


「だがな、最初(さいしょ)はみんな戸惑(とまど)っていたが、やってみるとノリノリになった。特に鼓号(ここう)のリズムがいいんだ。思(おも)わず踊(おど)りたくなるほどだ」


「おっと、それは戦場(せんじょう)じゃまずいんじゃ……」童元鎮(どう・げんちん)が突っ込む。


「でも笑(わら)っちゃいけない。軍歌(ぐんか)と鼓号(ここう)は連帯感(れんたいかん)を生(う)むんだ。みんなが同じリズムで動(うご)くと強(つよ)く感じるものだ」


「なるほどね!隊長(たいちょう)、やっぱりあなたはただの軍人(ぐんじん)じゃないわ!」林悦(りん・えつ)は大声(おおごえ)で賛辞(さんじ)を送(おく)った。


「でも、そんなに簡単(かんたん)に義勇軍(ぎゆうぐん)ができるのか?」


「いや、簡単(かんたん)ではない。最初(さいしょ)は兵士(へいし)もミス連発(れんぱつ)だったし、武器(ぶき)の使(つか)い方(かた)を間違(まちが)えたり、隊列(たいれつ)がぐちゃぐちゃになったりした」


「うわあ、それは大変(たいへん)だったでしょうね」童元鎮(どう・げんちん)が同情(どうじょう)する。


「だが、毎日(まいにち)訓練(くんれん)を続(つづ)けるうちに、みんな上達(じょうたつ)してきた。今(いま)では立派(りっぱ)な義勇軍(ぎゆうぐん)になったぞ」


「すごいじゃないですか!隊長(たいちょう)!」


「よし、これからはこの義勇軍(ぎゆうぐん)で倭寇(わこう)を蹴散(けちら)そう!」


「はいっ!」


こうして戚継光(せき・けいこう)は、地元(じもと)農民(のうみん)を基盤(きばん)に、歌(うた)と太鼓(たいこ)で鼓舞(こぶ)しながら強力(きょうりょく)な義勇軍(ぎゆうぐん)を作り上げていったのだった。



〇劉顕(りゅう・けん)、地元パワーで倭寇(わこう)退治(たいじ)大活躍!


嘉靖三十五年(かせい・さんじゅうごねん)、戚継光(せき・けいこう)率いる軍(ぐん)は、義烏(ぎう)や台州(たいしゅう)といった倭寇(わこう)に苦(くる)しめられている地域(ちいき)へ派遣(はけん)された。


「さて、皆(みな)どうやってこの問題(もんだい)を解決(かいけつ)するか、よく考(かんが)えようじゃないか」戚継光(せき・けいこう)は額(ひたい)に手(て)をやりつつ言(い)った。


「隊長(たいちょう)、僕(ぼく)はここ義烏(ぎう)の生まれです。地元(じもと)情報(じょうほう)なら任(まか)せてください!」劉顯(りゅう・けん)が胸(むね)を張(は)る。


童元鎮(どう・げんちん)が目(め)を丸(まる)くして、「ああ、また失敗(しっぱい)しなければいいけど……」と心配(しんぱい)する。


「今回は細かい失敗(しっぱい)はなしよ!それにしても劉顯(りゅう・けん)、お前の地元(じもと)で戦えるのはラッキーよね♡」


林悦(りん・えつ)はハイテンションで言(い)った。


「そうよねー、劉顕(りゅう・けん)、地元パワーで倭寇(わこう)たちをぶっ飛ばしちゃいなさい!」


劉顯(りゅう・けん)はニヤリと笑(わら)い、「まかせてください!この土地(とち)の隅々(すみずみ)まで知(し)ってますから、敵(てき)をかく乱(らん)して一網打尽(いちもうだじん)にしてみせますよ!」


そんな意気込み(いきごみ)を受(う)けて、戚継光(せき・けいこう)は軍(ぐん)を動(うご)かし始(はじ)めた。


義烏(ぎう)の港(みなと)に到着(とうちゃく)すると、劉顯(りゅう・けん)は昔(むかし)馴染(なじ)みの場所(ばしょ)を指(ゆび)差(さ)して説明(せつめい)した。


「この辺(へん)は倭寇(わこう)がよく通(とお)る海路(かいろ)で、ここが待(ま)ち伏(ぶ)せポイントです。狭(せま)い湾(わん)だから、船(ふね)を閉(と)め込(こ)めます」


童元鎮(どう・げんちん)が納得(なっとく)しながらも、「でも罠(わな)に自分たちがはまらないようにしないとね」と真面目(まじめ)に突っ込む。


林悦(りん・えつ)はおどけて言(い)った。


「罠(わな)にかかって『あらまぁ、これで台無し(だいなし)ね』なんて言ってたら笑(わら)うわよねー!」


「おい林悦(りん・えつ)、お前はいつもおふざけが過(す)ぎるぞ!」童元鎮(どう・げんちん)が慌(あわ)てて突っ込んだ。


戚継光(せき・けいこう)は苦笑(くしょう)しつつ、「ともかく、劉顕(りゅう・けん)の地元知識(じもとちしき)で敵(てき)を翻弄(ほんろう)するのだ」と命令(めいれい)した。


劉顕(りゅう・けん)は現地(げんち)農民(のうみん)や漁師(りょうし)と秘密(ひみつ)に連絡(れんらく)を取り合(あ)い、倭寇(わこう)の動向(どうこう)を探(さぐ)った。


ある日(ひ)、夜(よる)明(あ)け前(まえ)、劉顕(りゅう・けん)は狭(せま)い湾(わん)で敵船(てきせん)を待ち伏せしようと指揮(しき)を取(と)った。


林悦(りん・えつ)は興奮(こうふん)気味(ぎみ)に、「さあさあ、敵(てき)さん、私(わたし)たちの美声(びせい)でお迎(むか)えしちゃうわよ!」とおどける。


薛綱(せつ・こう)は笑(わら)いながらも「歌(うた)ってる場合(ばあい)じゃないぞ!」と突っ込んだ。


だが劉顕(りゅう・けん)の作戦(さくせん)は見事(みごと)に成功(せいこう)し、倭寇(わこう)は罠(わな)にはまって一網打尽(いちもうだじん)にされた。


「さすが地元(じもと)の力(ちから)だな!」戚継光(せき・けいこう)は満面(まんめん)の笑(え)みを浮(う)かべた。


「隊長(たいちょう)、これからは僕(ぼく)にもっと任(まか)せてくださいね!」劉顕(りゅう・けん)は得意顔(とくいがお)で言(い)った。


童元鎮(どう・げんちん)は「また細かいミスだけはしないでくれよ」と釘(くぎ)を刺(さ)した。


林悦(りん・えつ)は「でもおかげで楽(たの)しかったわよね!さあ次(つぎ)もがんばろう!」と陽気(ようき)に笑(わら)った。


こうして戚継光(せき・けいこう)軍は、劉顕(りゅう・けん)の地元知識(ちしき)を活(い)かして倭寇(わこう)を撃退(げきたい)し、義烏(ぎう)や台州(たいしゅう)の平和(へいわ)を守(まも)ったのだった。

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