現時点では未収録
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収録epに応じて収録予定(*途中まで記載)
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その日の依頼は、採取だった。
フェルムから半日もかからない森で、薬草を集める。
危険な魔物が出る場所ではない。
道もある。
天気もいい。
「平和だね」
シェルエリナが言った。
「そうだな」
ガイアスが答えた。
「平和すぎない?」
「何が不満なんだ」
「不満じゃないよ」
シェルエリナはしゃがみ込んだ。
足元の草を見る。
葉を一枚。
裏返す。
「これ?」
リゼリアが横から覗く。
「違うわ」
「違う?」
「ええ」
「似てない?」
「似ているけれど違う」
シェルエリナはもう一度見る。
依頼書に添えられた簡単な絵を見る。
草を見る。
「……同じに見える」
「葉の縁を見なさい」
「ふち?」
「こっちは滑らかでしょう」
「ほんとだ」
「依頼の薬草は、もう少し細かく切れ込みがあるわ」
シェルエリナは感心した。
「リゼリア、詳しいね」
「神殿でも使うもの」
「じゃあ全部リゼリアが探した方が早くない?」
「あなたも覚えなさい」
「はい」
少し離れたところからノクトが言った。
「それは毒草だ」
シェルエリナの手が止まった。
「……これ?」
「ああ」
そっと置いた。
「早く言ってよ!」
「触っただけなら問題ない」
「そういう問題じゃない!」
「舐めるなよ」
「舐めないよ!」
ガイアスが振り返る。
「腹が減ったのか?」
「なんでそうなるの!?」
森の中に、声が響いた。
◇
採取は、淡々と進んだ。
リゼリアが見つける。
シェルエリナが覚える。
ノクトは少し離れた場所まで見て回る。
ガイアスは籠を持つ。
途中。
シェルエリナが薬草を見つけた。
「これ!」
三人が見る。
「今度こそ!」
リゼリアがしゃがむ。
葉を見る。
茎を見る。
「ええ」
シェルエリナの顔が明るくなる。
「合ってる?」
「合ってるわ」
「やった!」
「一株よ」
「一株でも!」
丁寧に採る。
籠へ入れる。
シェルエリナは満足そうに頷いた。
少しして。
また見つけた。
「これも!」
「合ってるわ」
「ほら!」
「何が?」
「もう覚えた」
ノクトが言う。
「さっき毒草を採ろうとした」
「それはさっき!」
「今日だ」
「細かい!」
「細かくないわ」
リゼリアが言った。
「薬草は間違えると危ないもの」
「はい」
返事だけは早かった。
その後も。
一株。
二株。
少しずつ。
四人の籠が埋まっていく。
大きな出来事はなかった。
魔物も出なかった。
誰も怪我をしなかった。
シェルエリナが一度、木の根につまずいた。
転ばなかった。
「今のはなし」
「何が?」
ガイアスが聞く。
「何でもない」
ノクトが言う。
「転びかけた」
「言わなくていい!」
それくらいだった。
◇
フェルムへ戻った頃には、日が少し傾いていた。
冒険者ギルド。




