夜の墓場とFランク冒険者の大敗北
依頼書を見た時。
シェルエリナは、最初に一つだけ確認した。
「……夜?」
受付の職員が頷いた。
「夜です」
「絶対?」
「絶対です」
「昼じゃだめ?」
「昼は出ませんから」
「何が?」
「アンデッドが」
シェルエリナは黙った。
依頼書を見る。
もう一度、受付職員を見る。
「……やっぱり?」
「やっぱりです」
隣でノクトが依頼書を読んでいる。
「家庭墓地に発生した低級アンデッドの浄化」
「家庭墓地って何?」
「家族単位で管理している小規模な墓地だ」
「小規模?」
「ああ」
「どのくらい?」
「墓が十数基」
「十数基もあるじゃん!」
「大規模墓地より少ない」
「比較の問題じゃない!」
ガイアスが依頼書を覗く。
「報酬は悪くないな」
「ガイアス」
「なんだ?」
「墓場だよ?」
「ああ」
「夜だよ?」
「ああ」
「アンデッドだよ?」
「ああ」
シェルエリナはガイアスを見た。
ガイアスもシェルエリナを見る。
「……怖くないの?」
「何がだ?」
「全部!」
「死んでるんだろ?」
「だから怖いの!」
「死んでるなら、もう死なないぞ」
「そういうことじゃない!」
リゼリアが依頼書を受け取った。
静かに目を通す。
「低級アンデッドなら、問題ないわ」
シェルエリナが振り返る。
「ほんと?」
「ええ」
「絶対?」
「私がいるもの」
その一言で。
シェルエリナは少しだけ安心した。
リゼリアは神官だ。
アンデッドの浄化は得意分野。
本来ならEランク相当の依頼でも、四人にとっては難しいものではない。
むしろ。
リゼリアがいるなら、簡単な部類だった。
シェルエリナは胸を張った。
「じゃあ受けよう」
ノクトが見る。
「いいのか?」
「リゼリアがいるから」
「自分で倒す気は?」
「あるよ!」
「今の言葉からは感じなかった」
「ある!」
受付職員が聞く。
「受注されますか?」
シェルエリナは言った。
「します!」
少し間を置いて。
「……たぶん」
受付職員は無言で受注印を押した。
◇
夜。
フェルム郊外。
月は出ていた。
風も弱い。
空は晴れている。
墓地へ向かうには、かなり良い夜だった。
ただし。
シェルエリナにとっては違った。
「ねえ」
誰も答えない。
「ねえ」
ノクトが前を歩いたまま答える。
「何だ」
「もう帰らない?」
「まだ着いてない」
「だから」
「依頼を受けただろ」
「受付の人に、やっぱりやめますって言えば」
「言うのか?」
「……言わない」
「なら歩け」
「言い方が冷たい」
「事実だ」
シェルエリナはリゼリアのすぐ横を歩いていた。
かなり近い。
近すぎる。
腕が触れそうだった。
リゼリアが見る。
「歩きにくいわ」
「気のせい」
「近い」
「暗いから」
「月が出ているわ」
「夜は夜でしょう」
「そう」
「もうちょっとだけ」
「何が?」
「近くにいて」
リゼリアは少しだけ黙った。
「……好きにしなさい」
「ありがとう」
シェルエリナはさらに少し近づいた。
「近すぎるわ」
「好きにしていいって言った」
「限度があるでしょう」
◇
墓地へ着いた。
小さい。
確かに小さい。
石の囲い。
十数基の墓。
古い木。
小さな礼拝堂。
それだけだった。
シェルエリナは入口で止まった。
「……」
ノクトが振り返る。
「どうした」
「思ったより」
「小さい?」
「墓場だった」
「墓場だからな」
「分かってる!」
ガイアスが門を開ける。
ぎい。
古い音がした。
シェルエリナが跳ねた。
「今の何!?」
「門だ」
「分かってる!」
「なら聞くな」
「心の準備が!」
「門に?」
「音に!」
リゼリアが墓地へ入る。
「行くわよ」
「待って」
「何?」
「先に行かないで」
「私が先に行かないと、あなたは入らないでしょう」
「……そうかもしれない」
「でしょうね」
リゼリアが歩く。
シェルエリナもついていく。
その後ろから、ガイアス。
最後にノクト。
「なんでノクトが最後なの?」
「後ろを見るためだ」
シェルエリナが止まった。
「後ろに何かいるの?」
「いない」
「本当に?」
「今は」
「今は!?」
「シェルエリナ」
リゼリアが呼ぶ。
「前を見なさい」
「はい!」
振り向く。
墓がある。
「やっぱり後ろ見る」
「好きにしろ」
ノクトはもう面倒になっていた。
◇
最初のアンデッドは、すぐに見つかった。
墓石の陰から。
白い手が出た。
シェルエリナは固まった。
「……」
土が動く。
指。
手。
腕。
ゆっくりと。
何かが起き上がろうとしている。
「……」
ノクトが短剣に手をかける。
ガイアスが盾を構える。
リゼリアが杖を上げる。
シェルエリナは。
「いやああああああああああああっ!!」
墓地中に叫び声を響かせた。
アンデッドが止まった。
三人も止まった。
遠くで鳥が飛び立った。
「シェルエリナ」
リゼリアが言う。
「むり!」
「まだ何もしていないわ」
「出てきてる!」
「アンデッドだから」
「手が!」
「あるでしょうね」
「白い!」
「死んでいるから」
「説明しないで!」
低級アンデッドが、ようやく立ち上がった。
動きは遅い。
弱い。
リゼリアが杖を向ける。
淡い光。
アンデッドは、その場で崩れた。
終わった。
「……」
シェルエリナが見る。
「終わり?」
「ええ」
「もう?」
「ええ」
「……弱い?」
「弱いわ」
シェルエリナは少しだけ姿勢を正した。
「なんだ」
ノクトが言う。
「何が?」
「急に強そうな顔になった」
「だって、弱いなら」
「怖くない?」
「……怖くない」
「本当か?」
「ほんと」
ガイアスが言う。
「震えてるぞ」
「寒いから」
「暖かいぞ」
「夜だから!」
「便利だな、夜」
「うるさい!」
◇
二体目。
三体目。
リゼリアが浄化した。
シェルエリナは少しずつ慣れてきた。
本当に。
少しずつ。
四体目。
「来た!」
今度は叫ばなかった。
声は裏返った。
でも叫ばなかった。
「リゼリア!」
「見えているわ」
光。
浄化。
「……よし」
シェルエリナが頷いた。
「慣れてきた」
ノクトが言う。
「何もしてないが」
「応援してる」
「必要か?」
「心の支え」
「誰の?」
「私の」
「そうか」
「納得しないで」
五体目。
今度はシェルエリナも剣を抜いた。
「私もやる」
リゼリアが見る。
「無理しなくていいわ」
「できる」
「そう」
アンデッドが近づく。
遅い。
本当に遅い。
シェルエリナが剣を構える。
「……」
一歩。
アンデッドが近づく。
もう一歩。
「……」
さらに一歩。
「ちょっと待って」
アンデッドは待たない。
「待って!」
「アンデッドに言っても無駄だ」
ノクトが言う。
「分かってる!」
アンデッドが腕を伸ばす。
シェルエリナが剣を振った。
当たった。
腕が落ちた。
シェルエリナが止まる。
落ちた腕を見る。
動いた。
「――っ」
腕が。
地面を。
指だけで。
少し動いた。
「いやあああああああああっ!!」
シェルエリナは剣を持ったまま、ガイアスの後ろへ逃げた。
「動いた! 腕が動いた!」
「アンデッドだからな」
「それ禁止! その説明禁止!」
リゼリアが浄化する。
光。
腕も止まった。
「終わったわ」
「ほんと?」
「ええ」
「絶対?」
「ええ」
シェルエリナはガイアスの後ろから顔だけ出した。
「……もう動かない?」
「動かない」
「ほんと?」
「シェルエリナ」
「はい」
「私を信じなさい」
シェルエリナは黙った。
それから。
「うん」
少しだけガイアスの後ろから出た。
「……ごめん」
「何が?」
「ちょっとだけ」
リゼリアは言った。
「別にいいわ」
「……ありがとう」
「ただし」
「なに?」
「剣は離さないで」
シェルエリナが見る。
右手。
剣を持っている。
「持ってるよ?」
「ガイアスの背中に当たってる」
シェルエリナが固まった。
ガイアスが振り返る。
「気をつけろ」
「ごめんなさい!」
「怖いのは分かったから、俺を刺すな」
「刺してない!」
「刺しかけた」
「ごめんなさい!」
ノクトが言った。
「アンデッドより危険だな」
「ノクト!」
「事実だ」
「もう!」
◇
その頃には。
三人は。
シェルエリナをあやしながら依頼を進めることに、少し慣れていた。
「リゼリア、次は?」
「奥に二体」
「二体?」
「ええ」
「同時?」
「たぶん」
「……一体ずつじゃだめ?」
「お願いしてみるか?」
ノクトが言う。
「誰に?」
「アンデッドに」
「できるの?」
「できない」
「ノクト!」
ガイアスが言う。
「俺が前に立つ」
「うん」
「リゼリアが浄化する」
「うん」
「ノクトが周りを見る」
「うん」
三人がシェルエリナを見る。
「……私は?」
ノクトが言う。
「叫ぶ」
「役割にしないで!」
リゼリアがほんの少しだけ口元を緩めた。
「後ろにいなさい」
「……はい」
「怖ければ、目を閉じてもいいわ」
「閉じない」
「そう」
「冒険者だから」
「ええ」
「ちゃんと見る」
「そう」
シェルエリナは剣を握り直した。
怖い。
でも。
三人がいる。
リゼリアがいる。
さっきだって、全部浄化してくれた。
「……大丈夫」
小さく言った。
誰に言ったのか。
たぶん、自分に。
◇
そして。
木の下を通った。
古い木だった。
枝が大きく伸びている。
風が吹いた。
かさ。
シェルエリナが止まる。
「今の何?」
「葉だ」
ガイアスが言う。
「ほんと?」
「ああ」
かさ。
「また!」
「葉だ」
「絶対?」
「たぶん」
「なんで今たぶんって言ったの!?」
ノクトが上を見る。
「何かあるな」
シェルエリナが固まった。
「何」
「分からない」
「見ないで」
「見る」
「見ないで!」
「確認が必要だ」
「私は必要ない!」
ノクトが目を細める。
枝の上。
何かが。
動いた。
「……虫だな」
「虫?」
シェルエリナが少しだけ安心した。
「なんだ、虫」
その瞬間。
ぼと。
何かが落ちた。
シェルエリナの肩へ。
「……」
長い脚。
乾いた身体。
欠けた殻。
半分腐った。
大きな虫。
しかも。
動いた。
「……」
シェルエリナが見る。
虫も。
たぶん見る。
一秒。
二秒。
「いやああああああああああああああああああああっ!!!!!」
シェルエリナは跳んだ。
虫が落ちる。
剣も落としかける。
「むし! むし! むし! 死んでる! 動いてる! 死んでるのに動いてる!!」
「アンデッドだ」
「それ禁止って言ったでしょう!!」
「落ち着け」
「無理!!」
「シェルエリナ」
リゼリアが呼ぶ。
「大丈夫よ」
「大丈夫じゃない!!」
「浄化するから」
「もう無理!」
「待ちなさい」
「帰る!!」
「シェルエリナ」
「帰るううううううう!!」
走った。
本当に。
全力で。
墓地の出口へ。
「シェルエリナ!」
リゼリアの声。
止まらない。
「待て!」
ガイアスの声。
止まらない。
「剣!」
ノクトの声。
少し止まりかけた。
でも。
肩にまだ虫がいる気がした。
「あとでええええええ!!」
走った。
門を抜けた。
道へ出た。
そのまま。
夜のフェルムへ向かって。
泣きながら走った。
◇
墓地。
三人が残った。
沈黙。
地面には、シェルエリナの剣が落ちている。
低級の虫アンデッドが、ゆっくり動いている。
リゼリアが杖を向けた。
光。
浄化。
終わった。
ガイアスがシェルエリナの剣を拾う。
「……行ったな」
ノクトが頷く。
「行った」
リゼリアは墓地の出口を見る。
「追うわよ」
ノクトが言う。
「依頼は?」
リゼリアが見る。
ノクトも見る。
ガイアスも見る。
少し考える。
ガイアスが言った。
「無理だな」
ノクトも頷く。
「一人欠けた」
リゼリアが小さく息を吐いた。
「……そうね」
依頼失敗。
三人は、シェルエリナを追った。
◇
宿。
湯殿。
シェルエリナは湯船の中で膝を抱えていた。
「……」
静かだった。
隣にリゼリアがいる。
「……」
「……」
シェルエリナが言った。
「ごめんなさい」
「ええ」
「依頼」
「ええ」
「失敗した」
「そうね」
「私のせい」
「そうね」
「……」
シェルエリナの目に、また少し涙が溜まった。
「そこは否定してよ」
「事実だもの」
「リゼリア」
「何?」
「慰める気ある?」
「あるわ」
「ほんと?」
「ええ」
「今のところ感じない」
リゼリアは少し考えた。
「でも」
「……」
「誰も怪我をしなかったわ」
シェルエリナが見る。
「依頼は、また受けられる」
「……」
「墓地も逃げない」
「逃げたら怖い」
「そうね」
「……笑った?」
「笑ってないわ」
「今ちょっと」
「笑ってない」
シェルエリナは膝に顔を埋めた。
「恥ずかしい」
「何が?」
「全部」
「そう」
「泣いたし」
「ええ」
「叫んだし」
「ええ」
「逃げたし」
「ええ」
「リゼリア」
「何?」
「もっと優しくして」
リゼリアが少し黙った。
それから。
「怖かったのね」
シェルエリナは答えなかった。
「……」
「シェルエリナ」
「……うん」
「そう」
「すごく怖かった」
「ええ」
「虫が」
「虫なの?」
「全部!」
「そう」
「でも最後のが一番!」
「そうね」
「肩に落ちたんだよ?」
「見ていたわ」
「死んでるのに動いた!」
「アンデッドだから」
シェルエリナが顔を上げた。
「リゼリアまで!」
リゼリアは。
ほんの少し。
笑った。
シェルエリナが止まる。
「……今」
「何?」
「笑った」
「笑ってないわ」
「絶対笑った!」
「気のせいよ」
「ひどい!」
「でも」
リゼリアは湯を見る。
「次は、私の後ろにいなさい」
シェルエリナも黙る。
「……いいの?」
「ええ」
「また叫ぶかも」
「知ってるわ」
「逃げるかも」
「逃がさない」
「……どうやって?」
「服を掴む」
シェルエリナは想像した。
「それ、ちょっと格好悪い」
「今日よりはいいでしょう」
「……はい」
「それに」
リゼリアが言う。
「怖いものがあるのは、別に悪いことではないわ」
シェルエリナは見る。
「逃げたのは?」
「よくないわね」
「そこはやっぱり厳しい」
「事実だもの」
「……次は頑張る」
「そう」
「たぶん」
「シェルエリナ」
「頑張ります」
「よろしい」
◇
その後。
酒場。
シェルエリナは。
入った瞬間に。
嫌な予感がした。
静かだった。
全員が。
こちらを見ている。
「……」
バルドがカウンターの向こうにいる。
ノクトが卓にいる。
ガイアスもいる。
そして。
昼間の荷車の男。
パン屋の主人。
いつもの常連。
なぜか。
みんな。
いる。
「……なんで?」
誰かが言った。
「おかえり」
別の誰かが言った。
「Fランク冒険者」
少し間。
「墓場から逃げ帰ったんだって?」
爆笑。
酒場が揺れた。
「なんで知ってるの!!!!」
シェルエリナの声が響く。
ガイアスが笑っている。
ノクトも口元を押さえている。
「ノクト!」
「俺じゃない」
「絶対あなたでしょう!」
「俺たちが戻る前に、お前が泣きながら街を走った」
「……」
シェルエリナが止まる。
「何人くらい見てた?」
ノクトが答える。
「かなり」
「かなりって何人?」
「かなりだ」
「数字で!」
「知らん」
荷車の男が叫ぶ。
「嬢ちゃん!」
「なに!」
「今度は転ばなかったのか!」
酒場がまた笑う。
「転んでない!」
パン屋の主人が言う。
「じゃあ成長したな!」
「そういう問題じゃない!」
別の常連。
「Fランク初依頼!」
「転ぶ!」
「二回目!」
「泣いて逃げる!」
「まとめないで!!」
バルドが大声で笑った。
シェルエリナが振り返る。
「バルドさんまで!」
「悪い悪い!」
「絶対悪いと思ってない!」
「で?」
「何が?」
「虫は?」
「言わないで!」
「でかかったのか?」
「言わないで!」
「こうか?」
バルドが両手で大きさを示す。
「そんなに大きくない!」
「じゃあこれくらい?」
「再現しないで!!」
笑い声。
シェルエリナは真っ赤になった。
「もう嫌!」
「嬢ちゃん!」
「なに!」
「飯食うか!」
「食べる!!」
即答。
また笑われた。
「なんで笑うの!?」
バルドが厨房を指す。
「今日は虫じゃねえぞ」
「当たり前でしょう!!」
「肉だ!」
シェルエリナが止まる。
「……何肉?」
酒場が一瞬、静かになった。
誰かが笑いを堪える。
シェルエリナの顔が引きつる。
「何肉?」
バルドが答えた。
「牛だ」
シェルエリナは胸を撫で下ろした。
「よかった……」
酒場が。
今日一番の笑いに包まれた。
「なんでええええええええ!!」
◇
その夜。
自由都市フェルムでは。
新しい話題が二つになった。
一つ。
Fランクへ上がったばかりの少女冒険者が、初依頼で転んだこと。
もう一つ。
その少女冒険者が。
次の依頼で。
アンデッドの虫を見て。
泣き叫びながら。
墓場から逃げ帰ったこと。
そして。
その少女本人は。
酒場のいつもの卓で。
「もう絶対、誰にも言わないでね!」
と言っていた。
ノクトが答える。
「もう遅い」
「なんで!?」
ガイアスが肉を食べる。
「フェルムは狭いからな」
「それ昨日も聞いた!」
リゼリアが静かにスープを飲む。
シェルエリナが見る。
「リゼリア」
「何?」
「笑ってる?」
「笑ってないわ」
「絶対笑ってる!」
「気のせいよ」
「味方だと思ってたのに!」
リゼリアは少しだけ。
本当に少しだけ。
口元を緩めた。
「次は逃げなければいいでしょう」
シェルエリナは止まった。
「……うん」
「そう」
「次は」
少し考える。
「昼の依頼にする」
ノクトが言った。
「根本的な解決ではないな」
「うるさい!」
酒場に。
また笑い声が広がった。
Fランク冒険者、シェルエリナ。
初依頼では転び。
次の依頼では泣いて逃げた。
けれど。
次の日になれば。
たぶんまた。
「今度こそ!」
と言って。
ギルドの扉を開ける。
そんな少女だった。




