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お前がスパダリになれなかったせいで世界が滅びました。あーあ  作者: カブキマン


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ループを利用した悪質犯罪

【お前がスパダリになれなかったせいで――――】

「とりあえずあのガラクタが僕に接触しようとしてることが判明したわけだが」

【……それで誤魔化せるとでも思ってるんですか?】

「誤魔化す? 何を言っているのか理解出来ないな」


 ルイの中ではそういうことになった。

 だからこの話はここで終わりなんだ。

 悔しいだろうが仕方ないんだ。


「……一ノ瀬に接触しないのは奴の力を警戒してか?」


 特対における異常戦力全員と面通しをしたからこそ断言出来る。

 あの中で一番強いのはモモであると。


「多分これだな」


 機人佰號は情報源としては最高だろう。

 だがこれまでの暗躍を考えれば悠長なことを言っていられないのもまた事実。

 モモならば出会った瞬間、即殺害に切り替えるだろうことは容易に想像出来る。

 話にならないと判断したからモモを避け自分に接触した可能性が高い。


「何故、そこまでして僕に接触したいのか」


 モモと自分を誘導して解放戦線と潰し合わせたい。

 これが一番、妥当な線だろう。

 そうなると鍵になるのはやはりあのパスポートだ。


「わざわざ僕に発見させるなんて面倒な真似をしてるからな」


 拠点を変えても同じものが発見された。

 繰り返しというチートのお陰で得られた情報は大きい。

 機人佰號が知る由もない、ルイだけが持つアドバンテージと言えよう。


「あくまで僕が偶然発見したという体で自分の関与を悟らせたくない」

【あの】

「なのにわざわざ姿を見せたということは」


 パスポートだけでは足りない?

 もう少し、直接示唆する必要があった?

 そう考察するルイだが、


【――――その考察あなたが短気起こさなければ必要ありませんでしたよね?】


 ブラウンが遂に斬り込んだ。

 いやもう、まったく以ってその通りである。

 機人佰號とあの後も会話を交わせばルイなら何か見つけられるだろう。

 そこで何も得られずともパスポートの調査結果を待てる。

 どこかで行き詰まるとしても。最長でも十か月ぐらいは時間的猶予があるのだ。

 やれることは幾らでもある。

 少なくとも今ここでしている考察の幾らかは省略出来たはずだ。


「はあ。現場のことを何も知らない輩はこれだから困るんだ」

【いや現場云々は関係な】

「居るんだよなこういう奴。机上の論理だけで物事を語る無責任な第三者」

【あ、あの?】

「醜い。ただただ醜い。お前のせいで僕は大層やる気が削がれた」


 ぞわりとブラウンにかつてない悪寒が奔る。


「このまま送り出されたら初日に禁術で死んじゃうだろうなあ」

【ま、まさか……そんな……】

「“反省”の態度が見られないならずーっとそうなるだろうなあ」


 というわけで、


【は、反省文……ですか……?】

「書きたいなら書いて良いよ」

【こ、コイツ……! 自分の非を認めたくないがためにこんな……!?】


 悪夢再来。

 あまり詳細に描写すると可哀そうなので簡潔に述べよう。

 反省文地獄は体感で百年は続いた。これだけ覚えていれば良い。


「あ、終わった? ならさっさとやってくれない? ガラクタのとこ行く前に試したいことがあるんだよね僕」

【――――】

「君に構ってる暇はないっていうか。時間が惜しいんだよね」

【それでは……いって……らっ……しゃー……い……】


 言い返す気力もないブラウンに送り出されて九十周目。

 試したいことがあるという言葉通り、今回ルイは微妙な変化を織り交ぜて来た。

 それがハジメと過ごすクリスマスの日だ。


「そう言えばさ、ルイくんはもう式神を作らないの?」

「ん?」

「十二天将とその……指輪もなくなってお父さんとお母さんの式神もなくなっちゃったじゃない?」


 一度目はここで思案し、ハジメが式神作りを手伝うという提案をした。

 二度目は一度目をそっくりそのままなぞって。

 だが今回は違う。


「作るつもりだよ」


 実は、とグラスを傾けながらルイは言う。


「! ならさ、私手伝うよ。ある程度、感覚は掴めたし」

「良いのかい?」

「勿論! 私とルイくんならきっと清明の式神を超えるものだって作れると思うんだ!」


 その後、良い感じの空気になったがモモの電話でお流れに。

 そこから事情聴取をやってと大まかな流れをなぞっていく。

 次に変化が現れたのは事情聴取が終わってから。


「解散と言ったが君には別の者とバディを組んでもらう」

「……モモさんと、かな?」

「ああ」

「つまり」

「――――こちらから仕掛ける。私と君の二人でね」


 というやり取りをした後のことだ。

 解散の流れになったがルイはそこでモモを引き止めた。


「これから忙しくなるところ悪いんだけどちょっと時間をくれないかな」

「うん?」


 足を止めたモモと小首を傾げるハジメ。

 構わずルイは続ける。


「バディを組んで仕掛けるというのなら戦力向上は必須だろう?」


 パーティの最中にハジメと話た式神作りについて説明する。


「式神作りに必要なものは私が揃えようじゃないか」

「うん、それもお願いしたいけどその前に見て欲しいものがあるんだ」


 そう言ってルイは空間収納から一冊のノートを取り出す。


「十二天将復元後から僕専用の式神の構想を練っていてね。意見を聞かせて欲しいんだ」

「そういうことか。採点は甘め普通辛口とあるがどうするね?」

「辛口に決まってるだろ」


 解放戦線との抗争が始まるのだ。

 生半な出来のものでは戦力として心許ない。

 だから遠慮なく駄目だしをしてくれと言い、モモはそういうことならと強く頷いた。


「あの、ルイくん。これ私も見せてもらって良いかな?」

「勿論。手伝ってもらうわけだしね」


 ノートをめくりながら口頭でも説明を行う。


「まず数を減らそうと思う。十二は多過ぎるからね」

「それは私もそう思うよ」

「私も私も。でも何体にするの?」

「数は七つ。役割はそれぞれ解析、近距離、中距離、遠距離、強化、弱体化、回復を考えてる」


 ふむふむと二人は相槌を打ちながら真剣な顔で説明に耳を傾けている。


「名は北斗七星になぞらえようかなって」

「「……北斗七星?」」

「ああ。貪狼(とんろう)巨門(こもん)禄存(ろくそん)文曲(もんごく)廉貞(れんちょう)武曲(むごく)破軍(はぐん)の七つさ」


 説明している内にページは具体的な設計図の部分に。

 モモとハジメは穴が開くようにノートを見つめ中身を検めていく。

 そうして十分ほどで読み終えた二人はその出来に言葉を失っていた。


「「――――」」


 この男が一体、何をしようとしているのか。

 何となく察しがついただろう。

 ハジメとルイの共作である九十九一揃え。

 その成果を繰り返しを利用して自分だけのものにしようとしているのだ。


「どうかな? 中々の自信作なんだけど」


 盗作野郎がどの口で言ってるんです?

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― 新着の感想 ―
シンプルに盗作したのか、後の布石として意図的に加えた変化なのか、前者の方が可能性が高そうだけど、絶妙に後者の可能性もありそうなのがルイらしいな……
合作とかルイ君的には認められる訳ないよな… なんならここからモモちゃんの意見入れてアップグレードした奴も次の周回でオリジナル扱いしそう(笑)
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