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講義

「とりあえず、混乱していると思うが説明していくぞ? ちゃんと聞かないと困るのはお前だからな。」


リーダー格の男はタバコの煙をゆっくりと吐き出しながら、淡々と話し始めた。


「まず、ここは タールの新兵育成訓練場 だ。」


(タール……?)

レイはその名に聞き覚えがあった。あの世界の三大企業のうち、完全自由主義派に属する企業。監視社会に対抗し、データ統制の枠を超えた自由な生き方を提唱していた企業――


「ここでは筆記試験と基礎体力訓練を終えた候補生が、この"才能付与装置"に入る。お前も見りゃ分かるだろ?」


リーダーはレイの座っている リクライニング式フルダイブVRチェア を指差した。


「仮想空間が広がっていて、そこで実演演習が行われる。その中で、相性のいい"才能"を持ったAIを探し出し、こっちに戻ってくる。簡単な話だ。」


(……"才能"を持ったAI?)

レイは仮想世界での出来事を思い返した。エリスの"才能"、彼女が言っていた"この世界は全部作り物"という言葉。そして、"レイがキー"という意味深な言葉の数々。


(そうか……)

点と点が繋がる。


「お前が見ていた世界は、"才能付与試験"の一環だったってわけだ。」


そう言って、リーダーは無造作に机の上の端末を操作した。ホログラムが浮かび上がり、レイの過ごした"学園"の映像が映し出される。入学式、授業、エリス、シオリ、そして――あの襲撃。


「タールはな、公共データバンクの適性診断みたいに、人をただ振り分けるわけじゃない。お前自身に"何を持って生きるか"を選ばせるために、この試験をやってんだよ。」


(……選ばせる?)

「そうだよ。お前が見た世界の出来事、全部お前の"選択"が生んだ結果だ。ま、それが才能の適性を測るってことなんだけどな。」

レイは頭の中を整理しながら、さらに突っ込んだ疑問を口にした。


「じゃあ……俺が経験したあの"襲撃"は?」

「それも含めて試験の一部だ。」

「……俺を試すために、"あの事件"を仕組んだのか?」


リーダーは肩をすくめた。


「仕組んだわけじゃねぇ。あの仮想空間のルールは単純だ。与えられたデータと設定、そこに放り込まれたお前が"どう動くか"。それだけで世界は変わる。」


レイの眉が動く。


「まさか……俺の行動が、"あの事件"を引き起こした……?」

「そういうことだ。」


静かに告げられたその言葉に、レイの背筋が凍る。


「お前が"世界に疑問を持った"から、世界はお前に"真実"を見せたんだ。」


「……」


レイは拳を握り締めた。

(俺が……引き起こした?)


「ま、焦るなよ。あの世界はデータだ。"現実"じゃねぇ。だが――"お前が何を選ぶ人間か"は、ハッキリとデータに残った。」

「……だから、お前は俺に声をかけたのか?」


リーダーは煙をもう一度くゆらせ、ニヤリと笑った。


「その通り。お前は、俺たちが探してた"面白いヤツ"だったってことだ。」


「"俺たち"……?」


「お前が知りたがってた、R9だよ。」


(……R9。)

仮想世界でレイに接触してきた、あの組織。


「あとお前、俺が心読めるからって道楽してんな?その態度改めろよ。」


(......)


「まあいい、それでどうする、レイ? ここで終わりにするか? それとも――この先を知りに行くか?」




「聞かせてくれ。」



ちゃんと現状把握するために暴れなくてえらい!

頭いいねーダーリン♡


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