ダーリン
俺は――
「俺は……エリスとは行けない。」
エリスが目を見開く。
「自分でそっちに行く方法を探すから、先に行って待っててくれ。」
シオリの手を、強く握った。
俺は……この瞬間は留まることを選んだ。
合理的じゃない。
短絡的で、楽観的だ。
だけど――
感情を優先した。
シオリを救いたい。
"それだけ"のために、すべてを犠牲にすることにした。
それ以外のことはどうでもよかった。
エリスは、静かに俺を見つめた。
そして――
「ほんっと、かっこいいよ、レイは。」
泣いていた。
それなのに、今まで見た中で一番の笑顔を浮かべていた。
(エリス……?)
次の瞬間――
俺の視界が激しく揺れた。
顔面に、全力のストレートを食らった。
衝撃が頭の奥まで響く。
意識が白く染まりかける。
それでも、俺は"これだけ"は忘れなかった。
(シオリの手を……絶対に離すな――!)
最後に見えたのは――
泣きながらも、どこか満足そうに微笑むエリスだった。
その目は滲んでいるのに、まるで"正解"を見届けたような安堵があった。
誇らしげで、慈しむようで、それでいてほんの少しの未練を滲ませた笑顔。
「やっぱりレイは、そうじゃなきゃね……。」
そう言っているようだった。
だけど――
瞳の奥に宿る光は、どこか寂しげに揺らいでいた。
そして、世界は終焉を迎えた。
好きな人って何してても好きだよね。(全肯定BOT)




