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忘れないで

レイの言葉は届いた。

それは確かに感じた。


尋問者の銃口が、わずかに下がる。

だが、それは完全な信頼を得た証ではない。


隊長の沈黙は短かった。

冷静な思考を巡らせた末の決断が、次の言葉に表れる。


「……まっすぐ進み、出口で止まれ。後方部隊に保護させる。」


レイの全身から、ほんの少しだけ力が抜ける。

(切り抜けた……)


安堵が心の奥から湧き上がる。

だが、それは一瞬で打ち消された。


「先ほどの言葉を違えるなよ。」


隊長の声は低く、しかし鋭かった。

レイは思わず背筋を伸ばす。


「私は"忘れない"からな。」


一度緩んだ心が、鋭く引き締められる。

(こいつは……まだ俺を完全には信じていない。)


当然だ。

序盤の稚拙な受け答えと、今の淀みない弁論の落差。

疑うなと言うほうが無理な話だ。


(……だが、それでも俺を泳がせるつもりか。)


こういう時、どうするべきかは分かっていた。

相手が"忘れない"と言うなら、こちらも同じように返せばいい。


レイは振り向かずに、ほんの少しだけ口角を上げた。


「次に会うときは……顔を拝ませてもらうからな。」


一瞬の沈黙。


背後で、隊長がどう反応したのかは分からない。

しかし、レイは振り向かなかった。


そのまままっすぐ進み、後方部隊の元へ向かった。

一旦導入はこれで終わり。次の展開をお楽しみに!

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