《その後》の晃和《あきかず》君。
「…………カオス?」
「何が?」
部屋に入った美津原 敦之は、そう言った。× × ×
「ん? 敦? 隼? どしたの?」
橋本 和希が気付いて、部屋に入って来たふたりへと声を掛けた。
「…………和希、おまえこそ…………」
敦之と一緒だった男は、そう言ったので在った。× × ×
先ず、“敦之”が“観”た“カオス”とは。………………。
部屋には数人の男達が、居たのであるが、
“伊島 紀兎”は、必死で『らびっと』を直して在た。それは良いとして。
“和希”の他の面々だった。時を遡る事、数刻。×××××××××××××××××ーーーーーーーーー
「“ビレウッド”君、話って?」と、と或る“日曜日”の、と或る時間に、と“或る”ジムにて、橋本 和希は、木村氏に、聞いてみた。
彼は言った。“空手やってるって、聞いたんですけど?”と。“ああ、うん”と答えてからの、翌週。“こう”成った。
先ず可怪しな点の第一は、“陽藍”がいた事で在ろう。“しれっ”と。× × ×
“孫”達と、戯れて在た。× × × “大人気”で。 × × ×
✽ ✽ ✽
「カーズィ君は? 付き添い?」
敦之はそう言った。カーズィは答える。
「陸に用事有って来たら、友理奈達にユリシア“攫われ”ちまって。“買い物して来る”って。はあ。」
「…………。連れて来てたの?」
カーズィ・キルシュは此の星の人間では無い。そして、彼は今、陽藍達と暮らして在た。
「Blend ・Masterさんが、イケメン過ぎて…………びびってたところ…………です。」
“木村 朋哉”が、そう言ったのであった。“アバター弄ってなかったんすね”…………と。キルシュは“ん?”と応えたが。××××××××中性的な美の極みみたいな、其の顔で。他人事みたいに。“変だったか?”と。××××××××
「こんにちはっ! っ、?! あれ?」
「ん?」
「何だ?」
と、そんな遣り取りで入口でもた付いて在た敦之と隼人は、後から来た“少年”に、そう言われたのであった。
「あつ君?! えっ…………………まさか“そっち”は………………っ、!」と。
「は? 何?」と、
理解って無い“佐木” 『隼人』は、言ったので在った。佐木 ーーーー 隼人。つまり、
“友理奈”の旦那、『佐木 直夏』の、実兄で在る。敦之とは同い年の謂わば幼馴染で、親友だった。
「隼人、晃和びびらせてんの? 何で?」
部屋の中に在た『佐木 直夏』は、そう言ったので在った。息子“秋人”は祖父“陽藍”に遊んで貰っていたのだ。絵的には、『陽藍が』とも、云えなくはーーーー無いが。
秋史以外にも、“和夢”、“紅希”、陸の息子の“理桜”と其の弟“聖生”、それから娘の“真琴”が、貼り付いていたからであった。
膝の取り合いが加熱して在た。中々の白熱だった。久し振りの“お祖父ちゃん”に。
さておき、
隼人こと、隼と実弟に呼ばれた彼は、晃和を誰だが理解っていなかった。×××××
びびる当人を、置き去りに。××××××
「晃和、」
青褪めた異母弟へ、其の部屋の中から、異母兄が声を掛けたので在った。“彼”を見た彼は驚いた。家出中の兄が、在た事にだ。××××××
「にいちゃん! っ、遥継兄ちゃんっ!」と、叫んで在た。実に久し振りの再会で在った。
❐ ❐ ❐
「兄ちゃんっ! なんで家出なんてしたんだよ! おれはーーーー」
“悪かった”と、遥継は言ったので在った。《木村》氏が、遥継へ聞いた。“弟なの?”と。
「ああーーーー」と、遥継は答えた。“母親が違うんだ”と。
“端くれさん、弟さんいたんですね”と、言ったのは。“ヤマダ”こと『山 大地』と名乗った青年だった。××××××
「和希? 海達いねえの? 陸君は?」
敦之がそう言った。つまり部屋の中には、
陽藍(孫まみれ)、
和希、
木村、
香月 遥継こと、プレイヤー・ネーム“端くれ”、それから、
“タケル”こと『武紫麻 琉大』※56エリア勤務・警備員、
同じく56エリア警備員仲間の、“神鳥 花史”こと、『マーム』が在たのであった。
それから何故か、“ヤマダ”もいたのだ。
木村氏は神鳥や琉大達に、和希の経営のジムを紹介して貰い、通い始めた訳だが、其処で更に聞かされた事実は、“和希は空手道場の方に、在る”「事が多いよ?」ーーーーとの、衝撃(?)の事実で在った。
すっかり和希ファンな朋哉青年は、早速和希へ空手道場の話を聴き込んだので在った。“興味あるんですけど”と。半分は本当だった。半分は“憧れ”だった。先に述べたが彼はすっかり教師・橋本の、ファンである。
そして今朝、道場(稽古)を、見学させて貰ったのだ。“初心者向け”の、道場だと。
和希は其処で、ボランティアで教えて在た。そしてその道場は、56エリアに、在るのだ。エリア住人の神鳥達は、其処で良く、稽古していた。日曜日は子供達の稽古の日なので、神鳥達56エリア警備員達も、良く其処へ顔を出して在た。何故なら、和希は他の道場の門下生なので、此処でのボランティアは出張で、他でもボランティアを熟していたので、いない日もあるのだ。そんな日は警備員達が講師代わりだった。晃和が子供時代に通っていた道場が、此処である。
偶に敦之も教えに行っていた。それから、“隼人”もだ。だが隼人は教えるのが好きでは無く、逃げ回って在た。だから和希達は、放って置いた。
けれど。
昔、気紛れで偶々顔を出した際に、隼人とは晃和の中で、敦之と同じくトラウマ的存在となった“あれ”だった。そうーーーー“恐怖”だ。其の感情が“強過ぎ”ると、先の“災害”の様に、“つけ込まれる”のだ。
晃和の“それ”は、最終的には、“兄”の“あれ”が、原因だった。そうーーーーあれ。“家出事件”だ。
父と兄が、“喧嘩”したのだ。その後、兄は何時の間にか、居なくなったのだ。弟にはとてもショックだった。
❏ ❏ ❏
「違うんだ、晃和ーーーー」 「え?」
兄の言葉に晃和は不思議そうに、そう言った。“何が違うの?”と。× × ×
「家出じゃ無いんだよ…………」
「え?」
「実はなーーーーーー」
ん?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーー
ーーーー
ー
…
‥
「は…………、い?」
晃和の機能は、フリーズした。“兄”の言葉で。兄はこう言ったのだ。「子供が出来た。“結婚”するんだ」と。
なら何故、“喧嘩”だったのか? 兄の言葉は…………続いた。“晃和”……………と、兄は言った。
「おまえ…………。“お兄ちゃん”に、成るんだ」と。勿論晃和は、“は?”と返した。××××××
「? なに、言ってん…………の? 叔父さん、でしょ? その場合。………………はい?」
「……………違うんだ。だからな………………、“叔父さん”で、“お兄ちゃん”だ。」
「は?…………………………………………………………………?」
周囲の面子は、微妙な表情で、何も言えなかった。××××××××××
“香月 晃嗣”は、“遥継”と“晃和”の、父親だ。“遥継”の『母親』は、“晃嗣”の『妻』な訳だが、とっくに『家』を出たのだ。だが、『離婚』はしなかった。
遥継は知らなかった。だから、高校生に成った遥継は、と或る“女性”を、好きに成った。年上だった。そして彼女は“シングル・マザー”だった。此の女性が、“晃和”の『母』で在る。
その“子供”が、晃和だった。そして“遥継”の『弟』だった訳だ。
彼女は父の『恋人』では無かった。けれど彼女は、香月 晃嗣を好きだった。晃嗣が深く酒に呑まれた日に、彼女は晃嗣の子供を授かる行為をした。“自分勝手”に。晃嗣は知らなかった。深い酒に深い眠りの中に、手を引かれた後だったからだ。晃嗣に飲ませたのは、“彼女”だった。つまり、計ったのだ。
『籍が抜けていない』と知ったのは、後からだった。そして、彼女は“勝手”に、産んだのだ。“晃和”を。××××××
「思い返せば自分勝手だったって、言ってるよ。…………」
兄は苦い顔で、そう言った。“弟”に。彼女を好きに成った遥継は、彼女の息子の事や、段々に“父との関係”に、気付いたのだ。まさかと思って、調べた。ーーーーそして、“知った”のだ。“弟”の“存在”を。ーーーーーー悩みはしたが、父へと伝えたのだ。そして、
「それで一緒に暮らすように“なった”んだ。ただーーーー」
“遥継”の母が、離婚に同意しなかった。××××××
「家を出たのは、俺が“辛い”せいだ。悪かったーーーーーー話せなくて。ごめん晃和。」
「? でもなんで? なんで“母さん”と? ? ?」
遥継は顔を伏せた。表情は暗かった。つまり、こういう事だった。
「あの人、自分が家出るから、俺に“戻れ”って。親父に“愛されてない”からって。…………“辛い”って、さ。」
「………………、それで?」
「何回も職場に来て。“止めてくれ”って、言ったんだけどな。“戻らない”って。“戻れない”だろ?」
「それで〜“遥継たん♡”が、“義理母”喰っちゃった、とw」
「!」
「黙れ・琉大、此の名前負け。」
「おい“子供”の、前。“言い方”だからな? 此の“名前負け”。」
「琉大、“減給”。向こう“半年”。“50%”カット。」
「! 多いっ! 多いよ! 和希たん!」
「誰が和希たんやねん。」
「更に“15%”カットだ・な。その“案件”。」
「! なくなっちゃう! 無くなっちゃうよ! 美津原さ〜んッ」
「んじゃ“20%”。」
「! 増えた! 何故?!」
「あほの、琉大君。 ごめんな? 遥継。」
「あ、大丈夫です、神鳥さん。…………言われても“仕方無い”ので。」
つまり、“香月 遥継”は、昔惚れた女の、弱った処に、熱い“もの”が、込み上げたのだ。放って置けなくて、放って置いて、“欲しかった”のに。“同情”だと“傷の舐め合い”だと、理解って“在”ても。××××××××
遥継の“住処”を突き止めた“彼女”は、身体の心配をしだす。“ご飯作れないでしょ”と。そして、
始めは“差し入れ”だったのが、部屋に“上がる”様に為った“その頃”には、鈍い義理母も遥継が“家を出た理由”に、気が付いたのだ。彼女も又“絆された”のだ。“好きな男”の、息子に。××××××××
“晃嗣”の元を、“離れる”『決心』が、「ついた」と。××××××××そして“今”に、至る。
兄の話を聴いた“晃和”は、気付くと泣いて在た。“知らぬ”間に。




