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第44話 封印の森

次の日。


部活を終え、寮へ戻る途中、夕暮れが学院を茜色に染めていた。


並んで歩いていたオリヴィアが、不意に足を止める。


「……お姉様。」


「どうしたの?」


オリヴィアは学院の裏手――古い森の方を見つめたまま、小さく息を呑んだ。


「またです。昨日と同じ感覚が……。」


その表情は昨日よりも真剣だった。


「昨日より、ずっと強く感じます。」


私は思わず森へ視線を向ける。


相変わらず静かな森。


けれど、オリヴィアの様子を見る限り、気のせいではなさそうだった。


「ちょっと行ってみます。」


オリヴィアはそう言って、一歩踏み出そうとする。


「待って。」


私はその腕を軽くつかんだ。


「私も一緒に行く。」


「でも……。」


「危ないかもしれないでしょう?オリヴィアに何かあったら、私が後悔するから。」


オリヴィアは少しだけ迷ったあと、小さく微笑んだ。


「……ありがとうございます、お姉様。」


私たちは顔を見合わせ、小さく頷く。


そして、夕暮れの古い森へ足を踏み入れた。


森は静かだった。


鳥の鳴き声だけが響き、木々の隙間から差し込む夕日が足元を赤く染めている。


「……。」


オリヴィアは目を閉じた。


そして、ゆっくり歩き始めた。


「こっちです。」


迷いがない。


まるで何かに導かれているようだった。


私はその後を追いながら、胸の奥に小さな違和感を覚える。


(ゲームでは……こんな展開あったっけ?)


思い出そうとしても、曖昧だった。


確かオリヴィアが森へ向かうイベントはあった気がする。


でも、一緒にいたのは私ではない。


(あ!アレクが助けに来るイベントだったかも)


その考えが頭をよぎる。


けれど、最近はゲーム通りに進まないことも多い。


(今回も違うのかもしれない。)


そんなことを考えていると、不意にオリヴィアが立入禁止区域の前で立ち止まった。


「……ここです。」


その視線の先には、蔦に覆われた古い石碑が立っていた。


そして、その奥から――


まるで誰かを呼ぶように、かすかな光が漏れていた

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