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第45話 聖獣

私はオリヴィアと顔を見合わせ、小さく頷いた。


蔦をかき分け、その奥へ足を踏み入れる。


光は少しずつ強くなっていった。


やがて木々が途切れ、小さな広場へ出る。


「……!」


思わず息を呑んだ。


広場の中央には、大きな白い獣が横たわっていた。


雪のように白い毛並み。


額には淡く輝く宝石のような角。


その神々しい姿は、普通の魔物とはまったく違う。


「聖獣……。」


オリヴィアが小さく呟く。


ゆっくりと近づくと、聖獣は苦しそうに息をしていた。


身体には黒い靄のようなものがまとわりついている。


「怪我をしてる……。」


オリヴィアは迷うことなく膝をついた。


「大丈夫です。今、治しますね。」


両手を重ねると、柔らかな光が溢れ出す。


温かな聖力が聖獣を包み込み、黒い靄が少しずつ薄れていった。


私は周囲を見渡す。


ゲームでも……確か、聖獣を助けるイベントだった。


でも、その後は――


「……!」


嫌な予感が胸をよぎる。


「オリヴィア。急いで。」


「え?」


その瞬間だった。


ゴォッ――


森の奥から禍々しい魔力が吹き抜ける。


次々と木々の影から魔物が姿を現した。


狼のようなもの。


蛇のようなもの。


黒い靄をまとい、低く唸り声を上げている。


「やっぱり……!」


この後、アレクが助けに来るイベント。


そう思った瞬間、首を振る。


わからない。


最近はゲーム通りになんて進んでない。


来てくれる保証なんてない!


私は杖を構えた。


「《プロテクト・ドーム》」


淡い光が広がり、オリヴィアと聖獣を包み込む結界が完成する。


「これで少しは時間が稼げるはず」


「オリヴィア。結界から出ないで。聖獣をお願い。」


「……はい!」


私はゆっくり前へ出る。


「ここは私に任せて!」


次の瞬間。


魔物たちが一斉に襲いかかってきた。

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