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第13話 新たな道

本日から2話投稿してます

カイル様が弟子になってから、四年が過ぎた。


その日も、いつものように修行を終え、四人で昼食を囲んでいた。


すると。


コンコン、と門が叩かれる。


「王宮より届け物です!」


外から聞こえた声に、ヴィクトール様が立ち上がった。


「おっ、来たか。」


しばらくして戻ってくると、手には王家の紋章が押された封筒があった。


ヴィクトール様は封を切り、中の書類に目を通す。


そして、小さく頷いた。


「うむ。合格じゃ。」


「……え?」


思わず声が漏れる。


ヴィクトール様は書類をアレクへ差し出した。


「今日付で、おぬしの王宮魔法騎士団への入団が正式に決まった。」


「そうか。」


アレクはそれだけ言って、何事もないように通知へ目を通した。


私は状況が飲み込めず、二人を見比べる。


「えっと……。何の合格ですか?」


ヴィクトール様が笑う。


「王宮魔法騎士団じゃ。」


「……えぇっ!?」


思わず立ち上がってしまう。


「アレク、試験なんて受けてたの?」


「受けた。」


「いつ?」


「先週」


「先週!?」


私は目を丸くした。


「そんな大事なこと、一言も聞いてないよ!」


「聞かれなかった。」


「そういう問題じゃないから!」


私が思わず頬を膨らませると、ヴィクトール様が愉快そうに笑う。


「ほっほっほ。推薦はしたが、試験は実力で合格じゃ。いつまでも森で遊ばせておくわけにもいかんからの。」


その言葉に、私は改めてアレクを見つめた。


もう、そんなところまで来ていたんだ。


「来週からは王宮魔法騎士団じゃ。休みの日は、今まで通り修行に来い。」


「分かった。」


アレクはいつも通り短く答える。


その様子は少しも変わらない。


けれど、今日から肩書きは王宮魔法騎士団員になる。


「すごいね、アレク!」


カイル様が嬉しそうに笑う。


「おめでとう!」


「ありがとう。」


相変わらず短い返事だったけれど、どこか照れくさそうだった。


「でも、これで僕も負けていられないな。」


カイル様は拳を握る。


「僕も早く追いつけるように頑張る!」


「無理。」


即答するアレク。


「ひどい!」


「ほっほっほ。」


ヴィクトール様が楽しそうに笑う。


「競い合える仲間がおるのは良いことじゃ。」


そして今度は私を見る。


「ラウラ。」


「はい。」


「おぬしも来年から王立魔法学園じゃろ。」


「はい。」


「それまでに、やれることを全部やっておけ。学園へ入れば、忙しくなるからの。」


「はい!」


私は力強く頷いた。


そういえば、ゲームが始まった時には、アレクはもう王宮魔法騎士団に所属していた。


ゲームでは細かく描かれていなかっただけで、これは本来の流れだったんだ。


少しずつ変わってきた未来に安心しかけていたけれど、まだ大きな流れは変わっていないのかもしれない。


でも、一つだけゲームとは違うことがある。


私は、アレクと友達になれた。


最初は誰も寄せつけなかったアレクが、今では笑うこともある。


私の言葉に耳を傾けてくれて、一緒に笑ってくれる。


それだけでも、少しは未来が変わっているのかもしれない。


……そう信じたい。


来年、私は王立魔法学園へ入学する。


王立魔法学園は、王国中から優秀な魔法使いが集まる最高峰の学び舎だ。

貴族だけでなく、優れた才能を持つ平民にも門戸が開かれており、卒業生の多くは王宮魔法騎士団や宮廷魔導士として王国を支えている。


ゲームの舞台。


主人公のオリヴィアが入学し、攻略対象たちと出会う場所。


ここから先は、私が知っている未来。


だからこそ、気を抜くことはできない。


本当の物語は、もうすぐ始まるのだから。

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