表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

002

 婚約破棄をしたくない理由。それはたった一つ。

 でもそれは、別にこの王太子が嫌いだからって訳では無い。


「立ちたくないからです!」


 目立たない。それはもう今の私が必ずと言っていいほど心がけていること。


 小さい頃そうだったように、パーティでもなんでも、人が多いところはとにかく苦手だ。

 元から騒がしいのが苦手だったけれど、最近はそれだけじゃない。たくさんの人から向けられる視線に対しても、苦手意識を持つようになっていた。

 だからこそ、王太子と大きな関わりを持つようなことをしたくない。


 だから、私は婚約破棄がしたい。

 ただそれだけなのだから、周りには理解されないような話なのかもしれないけど。


「婚約破棄したほうが目立つと思うよ?」


 そんなことを考えていたら、そんな返答が飛んでくる。そして同時に、少し息を詰まらせた。


 この人はいつも痛いところを突いてくる。

 正しいのだから反論はしないけれど、なんだかここまで綺麗に言い返されると悔しくなってくる。


「でも、貴方は王太子です!嫌でも表舞台に立たなくちゃいけなくなるでしょう?」

 

 若干ヤケになりながらもそう言い放つ。

 そして、それを聞いたカインは、笑顔(だけどなんか怖い)で聞いてくる。


「じゃあ、レイラは俺と婚約破棄したら平民になるの?」


 平民になる、か。

 私は公爵令嬢。罪を犯しでもしないと、それは叶わない。

 だけどもそれは、私が望んでいたことであることには変わりがなかったから、正直に答えておく。


「……なれるなら、なりたい、です」


 カインはそれを聞いて、半分呆れが混ざったような表情を見せた気がした。

 そこまで無謀な話なのだから、文句はない。


「……レイラ、書類貸して?」


 すると突然、そんなことを言われる。

 それに対して私は、動揺しか感じられなかった。

 

「え?あ、はい」


 動揺が残ったまま、私はカインに書類を手渡す。

 まさか承諾でもしてくれるのだろうかとそんな事をもった次の瞬間、私の淡い期待は泡みたいに弾けて消える。


「うん、承諾するわけないよね」


 ボッと小さく音が聞こえて、カインの魔法により書類すべてが灰になる。


「あああっ……!?」


 思わず叫んでしまうが、それも知らない顔をしているカイン。

 

 せっかく頑張って用意したのにそれを一瞬で燃やすなんて、いくらなんでも酷くないですかっ!?

 

 そう叫びたかったけど、続けて言葉が飛んできたため、その叫びは心の中だけの叫びへと変わる。


「ねぇ、レイラ。理由は()()()()なんだよね?」


 理由は目立ちたくないだけか、と問われればまあそうなのだから、これも素直に答えておくことにする。

 書類を燃やしたことは許さないけど。


「……そうですけど」


 そっけなくそう返すと、すぐにカインは立ち上がる。


「そろそろ執務に戻らないとだから……レイラ、明日のパーティでね」


 そう私に言葉を残してから、部屋を出ていってしまう。

 行ってしまった……と思いながらも、頭は別のことを考え出す。


 さっき、カインが言っていた通り、明日はパーティがある。

 ちなみにものすごく行きたくない。

 行きたくないけど、明日のパーティは学園卒業パーティ。もちろん出席したほうがいいタイプのもの。


 ほんっっっっっとうに嫌だけど……こればかりは仕方がない。

 私は明日のための準備に、取り掛かることにした。

ー魔法ー

 この世界の魔法は、四大属性(風・水・炎・土)があり、光と闇は王族しか使えない。

 四大属性は基本誰でも使える。

 魔力量は血筋も関係するが、一番はどれだけ鍛えたかによる。


 雪華97さんのほうで別視点が公開されています。

「アルグランド王国物語 〜俺は婚約破棄がしたくない〜」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ