001
「私は婚約破棄がしたいです!」
「どうしたの?レイラ」
ぜっっっったい信じていない。多分なんかの冗談だと思ってる。
目の前にいる、整った容姿をした男を私は睨みつける。
「私は本当にっ、婚約破棄がしたいんです!」
どうしてこうなったのか。
それは、まだ幼かった頃の、私の小さな過ちから始まった。
◇◆◇
八歳のとき、私は第一王子のお披露目パーティーに参加していた。
ガヤガヤ……。
小さい頃の私は、パーティがとにかくつまらなかった。
騒がしいだけで、なんも面白いことなんてない。
ただただ、一刻も早く屋敷に帰りたくてしょうがなかった。
けれど、そう簡単に帰れる訳もなく、このままここで時間を潰さなくてはならなかった。
そこで、こっそり庭へと抜け出した。もちろん、家族にもメイドにも内緒で。
庭なら人も居ないだろうし、少し落ち着けるんじゃないかと思ったからだ。
庭へ出て、私は目を輝かせた。
「綺麗なお庭!」
自分の屋敷にも庭はあったけれど、もっと広くて華やかな庭に、私は見惚れた。
どんな花があるのか、好奇心がでてきて、庭の奥へ奥へと入っていく。
その中で、自分の足元に黄色の花が咲いているのに気がつく。
「何のお花だろう?」
しゃがんで、よく見ようとしたとき。
「どうしたの?こんな所で」
驚いて、隣を見た。
さらさらとした銀色の髪と、宝石のように輝く紫色の瞳を持った男の子が、こちらを見ていた。
「お花を見てたの」
さっきの黄色い花へと視線を外しながら答える。
正直、ここまで綺麗な容姿をした人を見たことがなくて、少しだけ緊張していた。
「パーティの最中なのに?」
そう、痛いところをつつかれる。
「だって、騒がしいし、つまらないんだもん」
本当のことをいえば、『大事なパーティをそんな風に言うなんて……』と思われるんじゃないかとビクビクしていた。
だけど、言い訳なんてできなくて、恐る恐るそう口にする。
じっと地面を見つめて、返答を待ってみるけど、特に何も言われない。
責められる様子は無さそうだと言うことに安心して、ほっと息をつく。
そして、一つに気になることがあったため、聞いてみる。
「そういえば、名前、なんていうの?」
少し間を開けて、男の子が答える。
「カイン。カインって呼んでね。君の名前は?」
「私はね、レイラっていうの。よろしくね!」
笑顔でそう答える。
そして、次に返ってきたのはこんな言葉だった。
「ねぇ、レイラ。僕と結婚しない?」
何を思ったのか。なんでそんな結論に至ったのか。
今では思い出せないけれど、次の瞬間私はこう答えていた。
「え?いいよ!」
カインは、驚いたようにした後、急に自分の頬を抓ると、聞き返してくる。
「い、今なんて?」
呆れ半分で、私はもう一度言い放つ。
「だから、いいよって言ってるの!」
◇◆◇
後に私は、気付かされることになる。
カインという男の子は、当時パーティでお披露目されていた第一王子だということに。
そして、あの時のカインは冗談でも気の迷いでもなく、本気だったということに。
そう、私は小さい頃の本当に小さな過ちによって、目の前にいるこの男――この国の王太子と婚約することになってしまったのだ。
そんなとき、婚約破棄をしたいという気持ちは分かってくれたのか、カインから質問が飛んでくる。
「婚約破棄をしたい理由は?」
こんにちは、心瀬みみです。
今回の作品は、な、ななななんと!
雪華97さんとの合作でございます!
拍手!
……ん?合作、とだけ言われても分かりにくい?
ですよね、分かってました。
説明すると、一つの物語を別視点でそれぞれ書いております。
今回の場合は、『婚約破棄をしたいレイラ』を私が、『婚約破棄をしたくないカイン』を97さんが書いております!
個人的にカイン視点めちゃめちゃ面白かったです。
なんかこういう作品で、カインみたいな人物の視点が書かれること少ないので、新鮮な感じがありましたね。
投稿に関しては、ものすごく間ができると思います。
一話ができるのにとんでもなく時間がかかるので。
読者の皆様は、首をながーーーーーくして待つことになると思いますが、気長に待って頂けると幸いです。
97さんの作品は、活動報告の方で紹介しています。
対になるように結構頑張って作った作品なので、是非97さん方の作品も確認してください!
ちなみにこんな感じの合作は、この作品以外にも作っていく予定です。
かなり面白い案が沢山出てきているので、こちらからの作品もお楽しみに。
それでは、また次回のお話で!




