8話目
全63話予定です
今回に限り「あゆみと瞳美」は曜日に関係なく毎日2話ずつ、18:00と18:10に投稿します(例外あり)
※特に告知していなければ毎日投稿です
あたしが通ってるのは中学校、って前も言ったよね。そこの三年生なの。そう、今年が受験なんだ。だから必然的に教室はちょっとピリピリしてる。
そりゃあそうか、今はもう九月。受験までもう数か月しかない。人によっては難しいところを受験したり、人によっては卒業と同時に働くってのだってある。
そんな中、あたしは受験生に混じって勉強をしている。もちろん授業もあるよ。でも、午後は自習だったりするんだ。そんな時、こうやって勉強をするのですが……眠いよね。
でも、ちゃんとしたところには進みたいから頑張る。
そんな教室の隣の席には瞳美ちゃん。
瞳美ちゃんは転校して来てから次第に仲良くなって、中学校ではいつも一緒な存在、かな。頭もいいし、容姿もいい。性格は……ちょっと無口だから何考えてるか分からないところもあるけど、いい子だよ。
時々勉強を教えて貰ったりもしてる。帰りはまちまち。一緒に途中まで帰る時もあれば別々で返る日もある。そりゃあそうか、勉強のはかどり具合が違うからね。
どうも話を聞くとウチの近くに住んでいる、というところまでは分かってる。でも一緒に帰ってる時だって、
「家まで送るよ」
って言っても、
「ううん、いい。私はここまで」
ってラインを決めてそこから先にはついて来させてくれない。
「ウチにおいでよ」
って返しても、
「いいえ、遠慮しとくわ」
とくる始末。避けられてる……訳じゃあないと思いたいけど、何て言うのかな、公私は別にするタイプみたい。あたしとしては、出来れば一緒に帰ったり、家に上がってもらったりとかね、スキンシップがしたいのですよ。
でも瞳美ちゃんは薄いベールがかかっているみたいに一線を超えさせてくれない。そしてそのベールはとても頑丈なんだ。
今日だって、
「ねぇ、あたしはそろそろ終わりだけど一緒に帰らない?」
って、瞳美ちゃん明らかに集中してるから、多分断られるんだろうなぁ。
「いいわよ、今日はこれくらいで終わりにしましょうか」
ほら……あれ? いつもみたいな感じじゃあない。
「それにちょうどお話したい気分だったの」
ひ、瞳美ちゃん、お話って、その。
「昔からあゆみちゃんは分かりやすいよね、大丈夫よ、告白でも何でもないから、多分」
最後の言葉が不穏だったけど、
「じゃあ一緒に帰ろっか」
という流れにひとまずは落ち着いたの。でも、瞳美ちゃんの話って何だろう。彼女から話、なんて珍しい。どれくらいかって明日は雪かな、くらい珍しい。
まぁ、そんな事を考えつつも机の上に並べてた教科書やノート類を手早くしまう。
瞳美ちゃんも自分の参考書なんかをしまうんだけど、何だろう、すごく手慣れてる感があるんだよね。多分、今まで動揺とかした事ないんじゃあないかなってくらい堂々としてる。あたしもそれくらい堂々としていたいんだけどね。こればっかりは性格とかもあるんだろうし。
「あぁ、ゆっくりでいいわよ。誰も取って食べたりしないから」
そんな慌てっぷりを見たのか、瞳美ちゃんがそう声をかけてくる。
慌ててるつもりは……ないんだけどなぁ。
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