《 Period A 1.5 - 1 》 絶体絶命です
頭を空っぽにして、何も考えずに執筆したエピソードです。
幕間のオマケとして、気軽に見てみて下さい。
レクサトルスにおいて、最も面妖な領域ということで知られている『妖域』。
一度、その領域に迷い込んだら、一生外には出られない……そんな噂もされている、『妖族』が根城とする領域です。
今そこでこの私、アメーリア・カルバハルは……。
────侵入者として拘束されていました。
「──一体何が目的だッ、人族めッ!」
「悪いことは言わないから、さっさと吐けっ! さもないとっ、あれだ、なんだっ……こう、痛い目に遭わせちゃうぞっ!」
鬼の面被った者、一つ目の人物、猫耳と尻尾が生えた者……およそ、普通の人とはかけ離れた容姿の妖族たちが、私を取り囲んでいる。
彼らは、『餓鬼衆』という、妖域の『往古盆地』を守護する戦闘集団だ。
妖域の入口を守る優秀な警備なのでしょうが……。
えぇ、誤解です。
私はただ、妖域周辺を『冒険』していただけです。皆さんに危害を加えようなんて微塵にも思っていません。至って健全な一般市民です。
「くっそぉッ、こいつ……ウンともスンとも言いやがらねぇ……メンタル化け物か……ッ?」
「きっとあれッスよっ! 人族でも選りすぐりの凄腕スパイってやつじゃないッスか!? ほらっ、例え手足もがれても、絶対に口を割らないってヤツ!」
「ふんっ。可愛い顔しといて、根性は一流ってか。上等じゃねぇか、姉ちゃん。俺らをナメてくれたこと、思う存分後悔させてやっからよ」
いいえ、違います。
ただ滅茶苦茶怖くて声が出ないだけです。
誰か助けて下さい。
ヘルプミーです。
心の中で恐怖におののいていると……別の人物が、少し遠慮がちに中へと入ってきました。
「──どーも……っと、すまん。取り込み中だったか」
「──兄貴ぃっ!! どうもッスぅっ! どうしたんスか!? 一人で来られるなんて珍しいッスね!」
あれは……!
『妖族の代闘者』様────確か名前は、湊本エルマ様だった筈だ。
「誰が兄貴だ。イブキと一緒に下りてきたんだけど、途中ではぐれちゃって。ここに来ているかと思って探しに来た」
「お嬢は来ていないッスよ? お酒でも探しに行ったんじゃねぇッスか?」
「こんなことなら、家で引き込もっていれば良かった……ってか、何しているんだ?」
「侵入者みたいッスね」
「ふぅん……あれ? お前……あの時、ザカラと一緒に来ていた……?」
救世主、キタコレーーーーッッ!!
そうです、その同行者です私ーーーーッッ!!
まさか英雄様ともあろうお方が、こんな一般市民に過ぎない私のことを覚えていてくれているとは……あの時、案内役を買った甲斐があったというものです。
「だよな? あの、『ナビード』のザカラと……」
「『ナビード』だと? お前そりゃぁ、つまり……『敵』じゃねぇかよ」
…………え?
何やら、嫌な空気が流れ始めました。
もしかして、私……あの『ナビード』の一員だと思われちゃっているパターンです?
「えっ? じゃあ……『ヤっちゃいます』?」
「そうだなぁ。人族の奴を手に掛けたってことがバレると色々と面倒臭ぇから────苦しませず、痕跡一つ残さないようにな」
「──へーい」
────いやぁぁぁぁぁぁぁぁああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!?
その日、私は……妖族の本当の恐ろしさを思い知りました。
得体の知れない人種……。
迷い込んだら一生外には出れない領域……。
これまで一切が闇に包まれていた妖族の、真の恐ろしい姿に関しての記述が、私の『冒険手帳』に刻まれようとしていたのです。
……。
…………。
………………。
しかし。
「いや、それは何か語弊があるんじゃね?」と、妖族の代闘者様にキッパリと止められるのでした。
この作品に目を通して頂き、ありがとうございます!
もしも、少しでもこの作品が「面白かった」「続きが気になる」と思われましたら、
ブックマークや、広告下の『☆☆☆☆☆』をタップもしくはクリックして頂けると嬉しいです!今後の執筆の励みになります!




