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くまさん、くまさん

 時々立ち上がり威嚇するブラッディベアは落とし穴の深さより高く、頭だけが時たま上にのぞいている。


「この落とし穴って浅すぎない? 出てこないよね」

「熊の垂直方向へのジャンプ力は大したことはありませんので、問題ないかと存じます。穴の深さや罠つきの落とし穴については、レベルが上がると追加されるはずです」

「くまさん怪我してるよ」

「ほんとですわね」


 エルルの言葉に恐る恐る穴を覗いてみると、足をトラバサミに挟まれたブラッディベアが床に血溜まりを作って暴れていた。


「さぁ、見るもの見たし帰ろうか」

「くまさん可哀想だよ、助けてあげようよ」

「エルル、そんな無茶言わないの。さっき私たちを襲ってきた熊ですわよ」

「そうとも言い切れません。現在我がダンジョンの最大戦力はゴブリンでレベルは3にございます。ここでレベル11のブラッディベアを配下にすることができれば戦力は倍増、いやそれ以上でしょう」


「今って、結構DPが不足気味なんだよね。動物やたぶんモンスターの死体はこのダンジョンには吸収されないから、ブラッディベアにもっと傷を与えて血を流してもらってからやっつけたいんだけど駄目かな?」

「くまさん~」


「わかった、わかった。それじゃぁ、本人に聞いてみるとするか。おい、お前、俺の配下になってこのダンジョンを守るというのなら助けてやるがどうだ?」


 ガォォー!


「全然言ってることがわからないんだが」

「主様が以前覚えたスキルでは仲間のモンスター以外とは意思の疎通はできません。野にいるモンスターと話す場合はまた別のスキルが必要になります」


 いや、あのスキルだって結構高かったんですけど。


「ハムマルは話せるか?」

「もちろんにございます。それではちょっと失礼して」


 ハムマルが興奮してこちらを威嚇しているブラッディベアとなにやら話らしきものをしている。

 長いな、交渉が難航しているのか? 無理なら無理で別にいいんだけどなぁ。


「主様、お待たせいたしました。時々ダンジョンから外に出て自由にしていいのであればという条件で話がつきましたが、いかがでしょうか」

「あぁー、いいんじゃないかな、それで。熊なんてものはずっと洞窟で過ごす動物でもないだろうし」

「やった~! タルミさま、だ~い好き!」


 どうやれば配下にできるのかよく分からなかったが、俺の言葉の後にハムマルが翻訳しブラッディベアに伝え、それに対して了承の意を示すことによりブラッディベアの体が薄く白く光った。


「で、この後どうするんだ?」


 目の前の深さ2メートルの穴の中には体長約2.5メートル、体重は500キログラムはあるのではないかという巨体が収まっていた。


「マスタールームに戻って、ブラッディベアを呼び寄せればよいかと存じます」

「そんなことができるのか? だったらマスタールームまで攻め込まれてもダンジョン内のモンスター呼びまくれば大丈夫ってことだよね」


「一度呼び出した後は3時間は呼び出すことはできません。現在一度に呼び出せるのは1体までですが、ダンジョンレベルがあがることにより複数呼べるようになります」

「やっぱ、そんなにうまくいかないか。制限なしで呼べたらダンジョン内のモンスターを全て倒してからじゃないとマスターを倒せなくなっちゃうしね」



 マスタールームへ戻ってブラッディベアを呼び寄せた。


 ガウガウ


「済んだことはいいよ、これからよろしく頼む」

「くまさんはなんて言ってるの?」


 そっか、エルルとサシャはスキルを覚えてないから言葉がわからないのか。


「あぁ、さっきは襲ってすまなかった。これからよろしく頼むって言ってる」

「くまさん、仲良くしようね」

「エルルったら、熊が出てくるおとぎ話を昔してあげてから、熊が大好きになったのよね」


 はぁ、ブラッディベアにじゃれつくエルルはいいんだけど、この娘たちにスキルを覚えさせるのに必要なDPを考えるとため息しかでねぇわ。


「主様、出入り口から一番近い部屋をもう少し大きくして、そこをこの子の部屋にしてはいかがでしょうか。まだまだ育ち盛りですので、もっともっと大きくなるはずですから」

「育ち盛りって?」


「まだ子供ということです。大人になれば体長4メートル、体重は1トンくらいにはなるのではないでしょうか」

「そんなにか?」


 もし、そんなやつに襲われてたら、たぶんひとたまりもなかっただろうな。

 ハムマルの言うとおり、出入り口に一番近い部屋でダンジョンを守ってもらうことにしよう。見た目を普通の洞窟っぽくすれば、熊のいるただの洞窟かと思ってそのまま帰っていくやつもいるんじゃないかな。

 そういえば、こいつの口の周りはなんで血がついてるんだ?


「ハムマル! 外に行って馬車を見て来い!」

「承知しました」


 さすが神速のふたつ名をを持ってるだけあって、出て行ったかと思ったらすぐに戻ってきた。


「やられておりました。馬車は破壊され、馬も殺されて食い散らかされておりました」


 このクマ公が、やってくわれたわ。


 行ってみると、馬車は修復不可能なまでにばらばらにされていた。荷物は既に全部運び入れていたのは不幸中の幸いだった。

 とりあえず、腹を食い破られている馬はダンジョンに入れておくとするか。



 よしっ、今までのとさっきの馬の実験で大体分かってきた。



・動物の死体はダンジョンに吸収されない。

・ダンジョンの外で息絶えた動物の死体から流れる血はダンジョンに吸収されない。

・ダンジョン内で出血すれば、命を落とさなくても地面に落ちた血はダンジョンに吸収され、DP(ダンジョンポイント)に変換される。

・人間――たぶん亜人などの人間タイプのものであればいいと思う――はダンジョン内で死亡後半日程度でダンジョンに吸収され、流した血を引いた残りの分がDPに変換される。またこの場合ダンジョンマスターの俺とダンジョンに経験値が入る。


・配下にしたモンスターの血はDPにならない。

 これについては確認したわけではないが、ハムマルがそう言っていた。


 こんなところか。

 モンスターについてはブラッディベアを配下にしてしまったため定かではないが、たぶん動物と扱いは同じだろう。

熊の鳴き声はこんなじゃないけど、わかりやすくというか、一般に考えられてる?っぽく書きました。ご容赦ください。

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