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少女たちとのダンジョンでの生活のはじまり

「タルミ様、部屋の外に肉の塊が置いてありましたけど、あれはモンスターの餌なのですか?」


 サシャが自分の部屋に荷物をあらかた運び入れ、一段落したとこで俺の部屋へ顔を出す。

 町からダンジョンへ戻ってきた俺がまずしたことは、新しく部屋を作ることからだった。

 今まで生活していた部屋、というかマスタールームの隣に新しく俺の部屋、そしてマスタールームを挟んで逆側にエルルとサシャが一緒に使う部屋を作った。

 どちらの部屋にも扉は二つ付けられ、一つはダンジョンの通路へ、もう一つはマスタールームへ行けるようになっている。

 そしてマスタールームはリビング兼作戦室として利用する予定だ。


「あの肉はそのままにしておいてくれ、ちょっとした実験中なんだ。配下のモンスターたちにも食べないように言ってある」

「わかりましたわ。それと私たちに部屋まで与えてくださりありがとうござます。地下にいるとは思えないくらい快適ですわ」


「あぁ、住居用として作った部屋は300DPと少し高かったが、マスタールームと同じように空調でもついているのか快適な環境になってるみたいだ」

「空調というのはよく分かりませんが、素晴らしいですわ。エルルも町から馬車で帰ってきて、少し疲れたみたいでベッドで眠っておりますわ。あのベッドも今までみたこともないくらいふかふかで凄いですわね」


 どうして住居用の部屋を作ったら、俺の日本の部屋にあるベッドと布団が備え付けられてるんだろう。それも同じものが各部屋にひとつずつ。

 それはそうと、問題は飯だよな。DPでは一日三食までしか買えないから、料理しなくちゃならん。

 ダンジョンの中では料理をするための火をたいていいんだろうか。この前のエルルのおかゆを作った時はわざわざ外に出てやったしなぁ。困ったときは聞くのが一番。


「って、おいハムマル、なにやってんだ!?」


 きつい口調で問い詰める。


「主様、この寝具は素晴らしいですね。わたくしも少し分けていただこうと思いまして」

「そうじゃねーだろ、何勝手に布団に穴をあけて中のわたを持っていってるんだよ」


 部屋の隅には雪で作ったかまくらのような――白いこんもりとした両手に収まるくらいの量の布団綿にまぁるい穴が開いたものがあった。

 あー、もういいよ。所詮ハムスターだ、しょうがないか。


「それより、仲間が増えたことにより料理をする必要ができたんだが、さすがにダンジョン内で火を使うのはまずいよな。かといってわざわざ外に行って料理をするのは大変だし、どうすればいいと思う?」

「それならば簡単でございます。厨房を作ればよろしいかと存じます。先ほど住居用の部屋を作られたのと同じく、ダンジョンレベルが2にあがったことにより生活系の施設や品物がいくつか追加されております。その中に厨房がございました」


 あ~、あんまし見てなかったわ、結構ばたばたしてたからなぁ。厨房を作るついでに見ておくか。

 なになに、追加された召喚モンスターは、キラーラビットが50DP、キラーバット50DPか。どっちもゴブリンより安いじゃないか、ということはたぶん弱いんだろうな。

 あ、そうだ!


「キラーラビットってウサギだろ? 食べられないかな?」

「人間たちはキラーラビットの肉は好んで食べるそうです。しかし主様、さすがに召喚したモンスターに対してその扱いはどうかと……」


「いや~、ちょっと聞いてみただけだよ。さすがにそんなことはしないさ」


 やばっ、馬鹿なこと聞いてしまった。

 え~と、モンスターの追加は2種類で、追加された施設は住居用部屋が300DP、厨房が500DP、外部カモフラージュ用小屋は1000DP。おっ、これいいかも。

 もっとたくさん増えてるかと思ったけど、レベル1がレベル2になったくらいだとこの程度か。

 とりあえず厨房をポチっとな。

 なになに、注意書きがある。井戸とかまどは付いておりますが、別途スライムをご用意いただくことで排水、残飯処理が格段に容易くなります。

 スライムは既に召喚したのがいるから、そいつでいいよな。



 早速、サシャを厨房へ案内した。


「サシャは料理ってできる? 俺も一応家族の料理を作ってたからできなくはないんだけど、調味料とかがないとたぶんうまく作れないだろうし、できるならお願いしたいんだけど」

「それほど得意というわけではないですが、母が亡くなってからは私も家族の食事を作っておりました」


 俺のは別に母親が亡くなったわけではなく、仕事を辞めた後半分引きこもっていた際に家のことくらいはやれと掃除洗濯、それに料理が俺の分担となっていたのだ。

 そのおかげで一応料理はできるが、日本では○○の素みたいなに料理をお手軽に作れるものも結構使ったりしてたので、調味料も塩しかない中でいちから全部というのはちょっと自信がない。


「料理はこれからサシャに担当してもらうことにしたからね。それと鶏ってさばける?」

「えぇ、私の父は狩りで生計をたてていましたので、さばくのはお手の物ですわ」


 よっしゃぁ、アイデアを実行に移すときだ!

 町で買ってきていた生きたままの鶏をサシャにさばくようお願いした。


「外で絞めて血抜きをしてきますわ」

「いや、ここでやってくれ。この厨房の端っこあたりで血抜きをして、血はそのまま床に流して欲しい。ついでにちょっと確かめたいことがあるんだ」

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