魔の海域攻略編後編 傾蓋知己⑤
アナはシルフィアとともに360度の視野と高低を把握できる司令塔に入った。
アナ「なあ、門番ってなんだ?
バァクシン商会から情報もらってるみたいだけど、アルグ海域の中央にいる危険な魔獣とは違うのか?」
シルフィア三番艦艦長「バァクシン商会が門番と呼んでいるのは十分危険な魔獣とされている。
バァルジモア艦隊がまだ接触してないからその推定迎撃数値を算出出来ていないけどね。
でもアルゴラ大陸上陸には利用すべき魔獣とされている。
ゆえに門番と呼ばれてるのよ。」
アナ「アルゴラ大陸上陸の際利用する魔獣!?
アルゴラ大陸上陸に何があるんだ?」
シルフィア三番艦艦長「簡潔に言えば、大量の小型魔獣の阻害がアルゴラ大陸の上陸を阻んでいるんだ。
海上では全く気にも留めない存在だけど陸地と接する海岸では大型魔獣よりタチが悪いんだ。
上陸しようとする船員が小型魔獣が際限なく襲ってくるためだ。
アルゴラ大陸側から海洋航海技術が発展出来なかった理由として海岸での小型魔獣の有効な対処を見出せなかった点がある。」
アナ「なるほどな!せっかくアルゴラ大陸を海から確認できるようになっても上陸のための手順の情報が無ければ犠牲を出していたのか。
で、門番ってどんな魔獣だ?」
シルフィア三番艦艦長「大型の魔獣だ。
それも戦艦が単艦で討伐出来る程度ではなく、超巨大な魔獣だよ。
その超巨大魔獣が小型魔獣の群れを引きつける事で上陸が出来る環境が整えられる。」
最初の異常波が艦隊を襲ってきた。
アナ「...何だこの波!?
波、、、にさらに別の波、、、いや海流が押し上げられているのか!?
こんな変な波に飲まれなきゃならないのか!?」
シルフィア三番艦艦長「この波に価値を見出す理由としては、
この波がアルゴラ大陸に運んでくれる事、それと門番を見つけやすくするためだ。
バァクシン商会のように少数の商業船なら並の大型魔獣に傷をつけて小型魔獣を引きつけて上陸する機会が伺えるかもしれない。
でもバァルジモア艦隊は大御所だからね。
門番のような存在が求められるだ。」
アナ「シルフィアって艦長の装いをすると喋り方が変わるよな。」
シルフィア三番艦艦長「!?...。」
アナ「...解せないな。」
シルフィア三番艦艦長「...何が、解せない?アナ?」
アナ「バァクシン商会からの情報を独占するのはまあいいとして、その戦艦単艦だけじゃ倒せない超巨大魔獣を艦隊総がかりで倒す準備をしないで三番艦に丸投げしてるように感じるのは私の思い込みか?」
シルフィア三番艦艦長「...私の艦が単独で超巨大魔獣を対処する方が艦隊の犠牲を最小限にできる、、、カルドス先生はそう判断した、、、カーター先生も反対はしなかった。
...そもそもこの艦隊は艦隊全体の連携は出来ないわ、、、」
アナ「!!?なんだそりゃあ!?」
第一波が到来した。




