魔の海域攻略編後編 傾蓋知己②
アナは状況改善が半分、自分の好奇心半分にシルフィアに問いかけた。
アナ「な、なあ、シルフィア艦長!?あの絵本って何?」
シルフィア三番艦艦長「...私が子供の頃から読んでいる絵本だ。」
アナ「へえー?どんな内容なの?」
シルフィア三番艦艦長「...お前が確かめてみろ。」
シルフィアは帯剣を鞘に戻していなかったが、アナの喉元から剣を下げた。
アナは絵本を手に取り、
アナ「へぇー、こんな絵本があったのか、カーター提督が根拠が薄いみたいな事言ってたけど、まさか情報が絵本だからか?」
シルフィア三番艦艦長「...何故そんな物に興味を示す?」
アナ「そりゃあ、私はシュトラバルツだからな。
昔のご先祖さまの話しってんなら興味が湧くさ。」
シルフィア三番艦艦長「!!!!?」
-シュトラバルツの魔女
昔々、両親と離れて暮らしている少年がいました。
少年は日々の寂しさを紛らわせるために、知り合いの魔女のところへ訪ねてみました。
魔女「やあ、少年、今日はどんな悩みだい?」
少年「魔女さん、友だちってどうやってつくるの?」
魔女「ははは、友だちがいない私に友だちの作り方を質問するのかい?難しい質問だね。」-
アナ「...何だ?この話し?」
シルフィア三番艦艦長「...まだ、物語を読み終えてないだろ。」
アナ「ん?お前は物語を読み終えないと感想が出てこないのか?
その都度の感情は生まれないのかよ?」
シルフィア三番艦艦長「...はやく続きを読め。」
ー少年は魔女に質問する。
少年「じゃあ、魔女さん、いつもケンカしているドラゴンや神々とはどうすれば仲良くなれると思う?」
魔女「それは私に対する質問というより提案かい?
アイツらとは好き嫌い以前にケンカする運命なのさ。」
少年「嫌いなら遠く離ればなれで生活すればいいじゃない。」
魔女「互いに距離をとる、それがとても難しいのだよ。
顔を見たくないと思ってもある日突然出会してしまう、そしてケンカになる、それの繰り返しさ。」
少年「じゃあさ、ケンカにならないようにみんなでルールを作ったらどうかな?」-
アナ「...いきなりドラゴンとか出てきたぞ、、、
あと神々ってなんで複数形なんだ?」
シルフィア三番艦艦長「...知らないわよ、、、」
アナ「お前はこんなの読んで面白いのか?
もっとお姫様に王子様が迎えにくる話とか読むもんじゃないのか?」
シルフィア三番艦艦長「...一国の皇女としていわせもらえば、軟弱な男どもには期待していないわ、、、」
アナ「え!?お前お姫様なの!?」
シルフィア三番艦艦長「...理解した上でカーター提督の命令を受けたのではないのか?」
アナ「うーん、命令って言うか、カーター提督に頼まれてお前を起こしにきたんだよ。
なかなか運転を始めないらしいからな。」
シルフィア三番艦艦長「...貴方、カーター先生とどういう関係なの?」
アナ「一緒に酒を飲む関係かな。」
シルフィア三番艦艦長「...カーター先生がそんな不潔な事をするわけないでしょう。」
アナ「どうかな?お前の知ってるカーター先生ってカーター提督の一つの側面に過ぎないんじゃないか?」
シルフィア三番艦艦長「...。」
シルフィア三番艦艦長「...それと
私のことをお前等と呼ぶのは無礼だろう。
私は皇女であると同時にこの艦隊序列で三位の立場にある人間だぞ。
立場をわきまえたらどうだ?」
アナ「これは失礼、皇女様。
でもさ、私は辺境伯の船に乗っている人間だよ。
協力する事はあっても命令される筋合いはないな。
あと、私はバァルジモアの人間じゃないから皇族とかどうでもいいし。
あと、こんな子供の女の子みたいな部屋を見せられて威厳もへったくれもないんじゃないか。」
シルフィア三番艦艦長「...。」
シルフィアはアナに対して今まで感じた事の無い苛立ちを覚えていた。




