魔の海域攻略編後編 参波到来⑧
八番艦をはじめ、六、七、九番艦は各々自立的に十番艦の周囲に集結していた。
超巨大魔獣の出現、それに続く三番艦の超巨大魔獣への着地、
各々が正解を求めた結果、辺境伯私掠船の依頼から十番艦を訪ねることで互いに信頼を認識することとした。
ガルムカスは十番艦の甲板に姿を見せている辺境伯やシーラ航海士とアルマンディア艦長を確認して安堵していた。
ガルムカスは八番艦の甲板に出て、船間同士で生身の会話を行った。
ガルムカス八番艦「おお!辺境伯とシーラ航海士!ご無事だったか!アルマンディア艦長も!問題はないか?」
シーラ「十番艦の無事は確認出来ました!皆さんと合流して次の作戦を立てましょう!」
アルマンディア十番艦「心配をかけてしまったようですまない。皆で協力してあの超巨大魔獣の討伐を果たそう!」
ミラド(...通信よりも姿を現した方が信頼を勝ち取れる、か、
シーラもアルマンディアもなかなかの役者だな、、、)
後衛五艦集結の幾ばくか前
シーラは望遠鏡で三番艦を凝視していたら、アナとシルフィア艦長が共に行動しているのを確認した。
シーラ「アナ!?シルフィア艦長と一緒に三番艦にいる!?
旗艦にいる筈では?
、、、あの子は何故用務員の格好をしているのかしら、、、」
ミラド「...格好は潜入しやすいからだと好意的解釈するとして、シルフィア艦長と行動しているのはこちらとしては収穫だな。」
アルマンディア十番艦艦長「!?アナ航海士、すなわち、スカーレット博士の娘の1人が純血の皇族と接触しているのか!?」
シーラ「...何か嬉しいことでもあるのですか?
例えば、私がシルフィア艦長と仲良くなっても?」
アルマンディア十番艦艦長「...嬉しいなどと言う個人的感情では無くて、初代皇帝の血脈を継ぐ者と初代皇帝の教師だったとされるシュトラバルツの末裔が接触しているのだ。
原点回帰、と言うべきか。」
シーラ「...何らかの知識保存に携わる家系ではあると知っていましたが、バァルジモアとの因縁までは把握してませんでした。」
ミラド「...シュトラバルツはなんらかの理由でバァルジモアを追放された歴史があるとは聞かされた事がある。
...その追放されたシュトラバルツが皇位継承者が保有するものされる神器を保有しているのか?いや、保管と言うべきか。」
アルマンディア十番艦艦長「...スカーレット博士が現在所持されているとされる魔王の魔導書は、歴史的経緯によりバァルジモア国内にある事が好ましい存在ではない。
故にバァルジモア国外の王古主義者に保管が託されているとされている。」
シーラ「...母の主義主張までは分かりませんが、祖父の代まで存在した図書館の存在意義が魔導書の保管であった事は想像に難しくありません。」
ミラド「...他の神器、虹色艶を管理する事は大変困難であるらしい。
...虹色艶を管理出来る人物を知っているのか。」
アルマンディア十番艦艦長「さっきも伝えたように私が把握している事実はごく一部だ。
魔導書以外の神器の情報は皆無と言える。
、、、いや、皆無とは言えないかも知れない。
虹色艶の所有権を主張している三大勢力の1つ、軍事評議会上位の連中ならばな。」
ミラド「...カーター提督、カルドス二番艦艦長、あるいはカーター提督を任命した連中か、、、」
シーラ「...ちなみに魔王の魔導書の所有権を主張している勢力はどこですか?」
アルマンディア十番艦艦長「...国粋教会だ。」
シーラ「そこが貴方の所属なのですね。」
超巨大魔獣から咆哮ともその存在が海にあたえる共振とも捉えられる超巨大魔獣の存在認識の情報が十番艦に伝来して来た。
シーラ「...悠長に話し合う時間の区切りのようですね。
先程も説明しましたが、生き延びなければ魔導書どころではありません。
現在の艦隊の状況を把握すると、各々の利害関係が対立構造になっているのではなく、求心力がある存在が各々が向いている方向を同調させる環境が整っていると推察できます。」
ミラド「...後衛の強調と三番艦の活躍が他の艦長の意思表明に影響を与え得るのか。」
アルマンディア十番艦艦長「...超巨大魔獣の討伐を機に艦隊をまとめると言う事か。」
シーラ「アルマンディア艦長、後衛4艦と協調して三番艦の活躍に協力して頂けませんか?
貴方のおっしゃる超巨大魔獣討伐はあくまで艦隊の方向性の手段であって、結果としては戦略的撤退の上でアルゴラ大陸上陸になるかもしれません。」
アルマンディア十番艦艦長「...スカーレット博士への働きかけについての協力関係については?」
シーラ「協力致しましょう。もちろん、妹達を説得した上です。」
アルマンディア十番艦艦長「...辺境伯は虹色艶に興味がお有りのようだが、、、相違ありませんか?」
ミラド「...ああ、虹色艶を扱える者を、この世界の構造を知りたい。」
アルマンディア十番艦艦長「...魔導書にも言える事だが、バァルジモアの皇位継承権のための神器の扱いに介入することは、バァルジモアの次期皇帝選出の争いに介入することと同意義。
敵がミルドランだけでなくバァルジモアの権力者も争う相手となる。
それを理解した上で神器のありかを追求すると?」
ミラド「...ああ、望むところだ。」
アルマンディア十番艦艦長「...それほどの覚悟がお有りなら同盟関係として申し分ないな。」
シーラ「同盟成立ですね。」




