魔の海域攻略編後編 参波到来②
ミルシュクアは超巨大魔獣を認識した瞬間から利害関係を計算し始めた。
ミルシュクア九番艦艦長(...バァルジモア海軍史上最大級とみて差し支えないだろう、、、
...仮にあの超巨大魔獣を討伐するとなると求められる戦力は、、、
かつてバァルジモア艦隊の戦艦5隻を沈めた魔獣の推定追撃戦力は530と試算されている、、、
今回はそれを上回る公算が大きい、、、
530の推定追撃戦力をかき集めるには後衛5隻と辺境伯私掠船がボーダーラインといえる。
前衛の戦力がいま計算できないからな、、、)
ミルシュクア九番艦艦長(...個人的に戦艦5隻壊滅の研究レポートに目を通したときの感想は壊滅させられた艦長達の戦略的撤退の判断を下せなかったのが被害を拡大させた主因だと感じていた。
史上最大級の魔獣をわざわざ相手する意味合いはアルゴラ大陸眼前にしてあるのだろうか?
しかし、今回の艦隊派遣では別の側面も検討せねばならない。
恩賞の評価基準だ。
例えば、アルゴラ大陸初上陸を果たした艦船が恩賞の対象となる、などといった基準が明文化されていない。
では、超巨大魔獣の敵前逃亡と大陸初上陸を天秤にかけたらどの様な評価が返ってき得るのだろうか?
ミルシュクア九番艦艦長(...そして恩賞内容の性質だ、、、
皇位継承権を有する者に神器の管理権を譲渡する、とはあくまで艦隊内の皇位継承権者のことなのだろうか?
...例えば、俺の活躍が反映されて神器管理権に言及出来る場合に、、、皇位継承権者であるジェルミに管理権を委任出来るのだろうか?
...いや、バカバカしい、この艦隊が派遣された国際的名目はジェルミの捕縛だぞ、
それを艦隊の成果としてジェルミが神器管理権を取得するなど支離滅裂だ。
...たとえジェルミに皇位継承権が剥奪されていなくともあり得る筈が無い。)
超巨大魔獣が着水し、体勢が整った他艦のフリーゲートが推定追撃戦力を測ろうとしていた。
ミルシュクア九番艦艦長(...
辺境伯私掠船の活躍で後衛の連携は潤滑に見える、九番艦にもすぐ推定追撃戦力の数値の情報が届くだろう。
...迷いが消えないな、ジェルミ、、、イカれているお前ならどんな決断ができる?)
ミルシュクアは認識出来る情報から自分の立ち位置を模索していた。
その時、ミルシュクアの予想を裏切る事態が起こった。
超巨大魔獣が着水し、僅かな瞬間から次の瞬間、
上空から超巨大魔獣めがけてピンポイントに戦艦が着地した。
ミルシュクア九番艦艦長「!!!?な、何ぃーい!?」
ガルムカス八番艦艦長「な、何だ!?どこの所属だ!?
!!?三番艦!?前衛の三番艦か!?」
アリウス七番艦艦長「!!?...超巨大魔獣も巻き上げる波に巻き込まれてたのか!?
、、、偶然か!?」
マルス六番艦艦長「!!?しかし、いくらなんでもピンポイント過ぎねーか!?」
カルドスは超巨大魔獣に三番艦が上空から着地する異常事態を静かに眺めていた。
予想していたわけではない、情報があったわけでもない、
ただただ静観していた。
カルドス二番艦艦長「...。」




