魔の海域攻略編後編 弍波到来➉
ゾーマ「で、どーすんだよ、小娘?」
エレン「え!?私の判断を聴くの?」
ケヴィン「当然だ、既に適材適所は確立している。
そして君は私達の信頼を獲得している。」
エレン「えーと、じゃあーね、
まず現状整理するね。
重要なのは第一波の前後と第三波の前後じゃ、私達が出来る事は全然違うよね。」
ケヴィン「ああ、異常波に対する対応も、艦隊の挙動の把握も、他の魔獣に影響を与える大型魔獣の確保も出来ているからな。」
エレン「まず、私達がしなくちゃいけないのがアルゴラ大陸の上陸だね。
船長が緊急駆動系を使用したのは七番艦の救出に急行する必要もあったと思うけど、船長不在のこの船の行動を制限する意味合いもあったと思う。」
ケヴィン「...なるほどな、キャプテンは何も語らなかったが我々に既に指示を出していたのか。」
ゾーマ「ま、見えねーところであれこれするヤツは信用ならんわな。」
エレン「あと、七番艦救出の帰結である前衛の艦隊との合流、もだね。」
ケヴィン「!?シーラや俺たちのやりとりを聞いていたのか!?」
エレン「いや、ぜんぜん聞いてなかったよ。
でもさ、船長とシーラお姉ちゃんが護衛も付けず単身で十番艦に乗り込む必要性は何だと思う?
過程はともかくとして皆んなで仲良く前衛と合流、の重要性を重視しての行動じゃないかな?
あ!そういえばアナが前衛側の旗艦にいる事は知ってる?」
ケヴィン「ああ、アナはあちら側にいるらしいな、
アナの活躍に期待したいが、
エレン、君はアナの行動をどう予想する?」
エレン「前衛の艦隊が降ってきた大型魔獣に潰されたって可能性は個人には低いと思う。
そりゃあ、私達と比べれば大型魔獣は大きいけどさ、この広い海に点在する艦隊にピンポイントに直撃する可能性はかなり低いんじゃないかな。
現に後衛の私達の船は戦艦、フリーゲートともほとんど無傷だったしね。
問題は前衛の挙動はどのように振る舞うのが自然で、アナはその動きにどう介入するか、だと思う。」
ケヴィン「...後衛の我々の動きを参考にしたいが、前衛はおそらくバァクシン派の比率が高いのだったな。」
エレン「!!バァクシン派の事はお姉ちゃんから聞いてるんだね!?
バァクシン派って私が呼んでいるのはあくまでバァクシン商会がこの魔の海域の攻略情報を知っている確信があるからこの海の情報を知っているだろうと予想しているグループをバァクシン派っって呼んでいるだけで、それぞれの情報源はバラバラかもしれないよ。」
ケヴィン「...それらを全て精査する時間も意味もないな...」
エレン「うん!だからあくまで私達の利害に沿って評価すべきだと思うよ!」
ケヴィン「キャプテン達が向かっている十番艦を除けば、推定バァクシン派は旗艦と二番艦、三番艦だったか?」
エレン「うん!バァクシン商会自体は除くとして、バァルジモア艦隊の上位三艦が優位な情報を握っている、
自然といえば自然なんだけど、私が不自然と感じたのは三番艦を訪れた際のシルフィア艦長が妙に怯えていた事かな。」
ケヴィン「...たとえ優位な立場にあっても当の本人からしたら不安がつきまとう、と言う事か?
こちらにとって予想外の行動もありうるな。」
エレン「うん!だからアナにはその予想外に対処してもらう事を期待しようね!」
ケヴィン「前衛の状況をあれこれと考えても情報と時間が少な過ぎるな。
やはり我々が善処すべきは第三波前後の行動か。」
エレン「そうだね、航海士として言わせてもらうと第二波後の天体観測からしてアルゴラ大陸は目視できても不自然じゃないよ!
第三波の波質も第一波の再現というより、魔獣の群れはまた現れるけど波の感じは海洋より沿岸に近づいているって推測ができるよ。」
ケヴィン「アルゴラ大陸上陸前の最後の試練、と言うわけか!」




