魔の海域攻略編後編 弍波到来⑧
ミラド船は七番艦から引き剥がした大型軟体魔獣を生かさず殺さず、後衛の運行の妨げにならないように管理していた。
ケヴィン「...俺もフィリップス団長から手解きを受けてこの戦術兵器の扱いを理解しているつもりだが、ゾーマ、お前ほど器用に大型魔獣の動きを制限出来る自信はないな。」
大型軟体魔獣はゾーマの勘で突き刺された加熱した鋭利な銛が魔獣から抜けないように突き刺ささり、先程までの激しい抵抗反応も無くなった。
ゾーマ「他の動物と一緒さ。
痛みを加減されるのが分かると楽な方に逃げて動かなくなりやがる。
お頭とシーラは魔獣の群れをぬけて十番艦に辿りつきそうか?」
ケヴィンは移動している小型艇を望遠鏡で確認し、
ケヴィン「ああ…あの2人は恐怖の感覚が無いのか?
迷わず十番艦まで小型艇を走らせるとは、、、」
ミラドとシーラを乗せた小型艇は六、七、八、九番艦による大型魔獣の挟撃を尻目に十番艦に向かっていた。
シーラ「この辺りの小型魔獣だと我が船が拘束している大型軟体魔獣の影響が小さくなって挟撃を受けて再生反応をしている大型魔獣に関心がいくようですね。」
ミラド「...十番艦の出方か...
あらかじめ十番艦に出向する旨を伝えても何ら返答はなかった...乗船許可を出させられるかは周りの艦隊の行動を含めた駆け引きになるな。」
シーラ「エレンが第三波を予測しています。
アルマンディア十番艦艦長には第三波襲来をどう過ごすのかをお尋ねしてみては?」
ミラドとシーラの小型艇は十番艦の乗船許可を貰い、船員に案内されて船長室へ向かった。
ミラド「...十番艦は壊滅状態、と言う言い訳はしない様だな。
...最悪人質に取られる覚悟をしておけよ。」
シーラ「六から九番艦艦長には大型魔獣を討伐次第、十番艦の様子を伺うように手筈は済んでいます。
ミラド船長はアルマンディア艦長との世間話でも考えてください。」
2人は船長室に入る。
アルマンディア十番艦艦長「ようこそお越し頂きました。
ミラルドルフ辺境伯、そしてシーラ・シュトラバルツ航海士。」
シーラ「!?」
ミラド「...」
シーラ「...私の家名をご存知なのですか?」
ミラド「...以前の会議でアナが名乗った事がある。知っている事自体は不思議では無い。」
アルマンディア十番艦艦長「いえいえ、それ以前から存じておりますよ。
スカーレット博士の娘さんですよね?」
シーラ「!!?母を知っているのですか!?」
ミラド「...シュトラバルツの系譜の人物か?」
シーラ「...ええ、スカーレット・シュトラバルツ、私の母です。」
シーラ「...私か妹達との接触が目的ですか?」
アルマンディア十番艦艦長「何が最善か、は後々評価せざるを得ないと思います。
協力者である辺境伯の部下を旗艦以外に呼び出しす理由、
今回の異常波や魔獣襲来は偶然の環境要因ですが私は結果としてプラスに働いたと考えています。」
シーラ「辺境伯も私たち姉妹も社交的な人間ですよ?
お誘い頂けるならばすぐにパーティ会場に足を運びましたのに。」
アルマンディア十番艦艦長「そう言って頂けるならもっと積極的に、、、と言いたいところですが実際はそう単純ではありません。
特に艦長の席に縛られているものとしては自由に他の船との接触を知られるべきではないのです。
今回の緊急事態は天啓とも受け取れます。」
シーラ「...バァルジモア艦隊内における政治的要因が交流を消極的にさせているのですか?」




