魔の海域攻略編後編 弍波到来⑦
七番艦船員「アリウス艦長!!辺境伯の増援です!!
奇妙なワイヤーを使用した兵器が功を奏しているのか我が艦からとりついていた大型魔獣が激しい挙動を見せています!!」
アリウス七番艦艦長「!!!?」
七番艦通信官「艦長!!辺境伯の私掠船から通信です!シーラ航海士から七番艦にとりついていた大型魔獣の対応は辺境伯の私掠船に任せ、九番、十番艦を救出するために六番、八番艦と合同で急行するようアリウス艦長自身が六番、八番艦艦長に伝えるよう要請が来ております!!」
アリウス七番艦艦長「!!?、、、かたじけない、、、」
六番艦通信官「マルス艦長!!七番艦のアリウス艦長から通信です!七番艦にとりついた大型魔獣の対応を辺境伯の私掠船に任せつつ、六、七、八番艦合同で九、十番艦の救出に向かうよう要請があります!」
マルス六番艦艦長は艦長席に座り込みながら安堵し、思考を切り替えた。
マルス六番艦艦長「、、、さっきまでアリウスを殺しかけたんだ、何らか成果を上げねーと艦長はやってらんねーよな!?」
ガルムカス八番艦艦長「、、、何の負い目も無く次の救出に向かえるとは!
辺境伯、、、私は貴方を過小評価していたようだ!」
アリウス七番艦艦長「辺境伯の私掠船が我々の艦体から魔獣を引き剥がしたら迷わず九、十番艦の方角へ進むぞ!」
エレンはミラド船のマストの最上部の監視エリアにて自分の役割である異常波の第三波の監視と予測を行っていた。
エレンは既に第一波や第二波の前兆を非言語的感覚で感じとっており、異常波の起こりを予期していた。
その上で第三波がこれまでの第一、第二波と同じでありながら何か違う事を直感で感じとっていた。
同じ波なのに違うと感じるのは何故?
!!波を観察している位置が本質的に違うんだ!!
例えば、海の上の波と浜辺での波のあり方の違いのように!
ここは既に魔の海域やの沿岸部、アルゴラ大陸の近海なんだ!
中型魔獣の死骸は拡散する事も無く、一定の間隔を維持しながら漂っている。
生きている魔獣なら他の魔獣に惹かれて行動するだろが、既に死体となった魔獣は環境の変化を雄弁に物語っている。
第二波の波を受けながら死骸は一定の方向に向けて流れていってるんだ。
エレンは六分儀でひたすら夜空を計測し、第三波の扱いを思案した。
ミラドに第三波を利用する事を提案したのは、アナが現在いる前衛の行動予測ゆえだ。
ミラド船は先程、緊急駆動系を使用してこの規格の軍艦ではあり得ない速度を出して七番艦に急接近した。
、、、その判断は間違っていないだろう。実際に七番艦の救出にも成功し、後衛における意思疎通においてミラド船は大きな影響力があると言えるだろう。
問題は緊急駆動系を使用したためにどんなに長く見積もっても2日以内にアルゴラ大陸に上陸しなければならない事だ。
エレン「...最悪、アナとの合流を後回しにしてでもこの船をアルゴラ大陸に上陸させなければならない期限ができちゃったなあー、
間違ってないし、アナも納得するだろうけども、少なくとも私が出来る事は第三波の観測を見誤らずに前衛と合流すること、
この機会を逃すとアルゴラ大陸のカルス・クロスでの再会に先延ばしになってしまう。
第三波の波に乗るには後衛の船は出来るだけ近距離を保てるようにした方がいいだろうな。
九番艦と十番艦の救出と説得を同時にしなきゃね。」




