魔の海域攻略編後編 弍波到来④
ゾーマ「おーし、じゃあ早速バァルジモアの艦隊にとりついている魔獣をブッ殺そうぜ!!」
シーラ「私は七番艦の救出は賛成ですが、七番艦の大型魔獣を即時に抹殺するのには反対です。」
ゾーマ「ああ!?何言ってんだ!?小娘!?
この戦術兵器はあのデカさの魔獣でも倒せるだろうが!!」
シーラ「大型の魔獣を倒せることはもはや問題ではありません。
我々には魔獣を抹殺するも延命させるのも両方とも可能である事が重要なのです。」
ケヴィン「...何か艦隊全体を通じての戦略的意味があるのか?」
シーラ「下手な理屈を並べるよりも今この海で起こっている出来事を目の当たりにした方が良いでしょう。
彼方の方角に九番艦と十番艦が確認出来るはずです。今何が起きているでしょうか?」
ケヴィンは保管庫に設置してある望遠鏡を覗き込む。
ケヴィン「!?九番艦が奮戦しているのに十番艦は何もしていない!?」
ゾーマ「!?んっだと!?」
シーラ「ケヴィンさんは十番艦の挙動をどう評価しますか?」
ケヴィン「... 到底看過できるものではない、、組織に対する背信行為だ、、」
ゾーマ「おうよ、七番艦の魔獣を片付けて十番艦の艦長をぶちのめしに行こうぜ!」
シーラ「その正義は我々ミラド船が掲げるものなのでしょうか?」
ケヴィン「!?」
ゾーマ「おいおい、小娘、間違った事に道理掲げるのがおかしいかよ!?俺たち海賊が言うのも何だけどよ。」
シーラ「例えばゾーマさんは対立する相手と喧嘩なさるときは、状況を鑑みず、自分の信念で相手に挑まれるのですか?」
ゾーマ「!!?...俺だってそこまで馬鹿じゃねぇーよ、相手が俺より強かったり多勢に無勢だったらそれはもう喧嘩と言えねーよ。」
シーラ「まだ状況を検証中の仮説ではありますが、十番艦の行動を批難する場合、カーター提督を含む上位三隻の艦長と敵対する恐れがあります。」
ケヴィン「なんだと!?」
ミラド「...カーラの父親が運営するバァクシン商会がアルグ海域を攻略済みにも関わらず、バァルジモア艦隊全体には情報を共有せず、十番艦及び旗艦、二番艦、三番艦の連中が情報を独占している可能性があると三姉妹は予想している、、、
...その仮説を前提に戦略を練るとする。」
ゾーマ「...仮にその予想が正しかったとしてもよ、何で七番艦の魔獣をさっさと始末しねーんだ?
単純に考えて六、七、八番艦の連中を味方にするチャンスじゃねーか!」
シーラ「ではケヴィンさん、九番艦や十番艦付近の小型魔獣の挙動を観察してみてください。
どの様な動きが見られますか?」
ケヴィン「!?...あくまで部分的な観察だが、九番艦付近の小型魔獣がわざわざ遠距離の七番艦の方向を目指している様にみえるな!」




