魔の海域攻略編後編 急転直下
場面はミラド船甲板にて
ミラドとシーラが帰還し、カルムが出迎える。
カルム「船長、お帰りなさい。
シーラも魔獣討伐に巻き込まれて大変だったろう。」
シーラ「...私は考えを変える気はありません。
フィリップス団長の元で国際研究機関の研究に参加します。」
ミラド「...。」
カルム「??」
シーラ「祖父の閉館された図書館の書籍を追跡するにはそれが合理的だからです。
それに私は貴方のように人生でもう一度会いたい人がいるのです。」
ミラド「...君の実力が発揮出来るならばそうすればいい。
この船に縛りつけて衰えていく君を見ても嬉しく無い。
...そんな君は可愛くない。」
シーラは激情にかられ、ミラドの頬を叩く。
カルム「な!?何をしてるんだ!?話しはわからないが船内は暴力禁止だぞ!」
シーラ「これは暴力ではありません。唯の挨拶です。」
シーラは船内に行ってしまう。
ミラド「...その通りだ、単なる挨拶だ。」
カルム「!!?どうなってるんだ?」
ミラドとシーラのやり取りをエレンはマストの最上部の監視エリアで眺めていた。
エレン「...。」
エレンはマストの観測エリアでアナから押し付けられた定時観測をこなしていた。
エレン(...私の当番もあるからシーラお姉ちゃんにちょっと交代してもらいたいたかったけど、
...話しかけにくいな。
連絡小型艇にお姉ちゃん達と一緒に乗ってたのは大型魔獣を討伐した六番艦と七番艦の艦長達だったなあ。
...艦長達とは仲が良さそうだったけどその後2人が喧嘩するなんてどんな文脈の会話してたんだろ...まあ、お姉ちゃんがこの船を降りる話しだろうな。
...アナのヤツはカーター提督と接触出来たのかなあ?
情報を引き出すのに色仕掛けをするとして丸一日ぐらい掛かるかな?...アナの色仕掛けってどんなのだろう?
...2人はアルゴラ大陸到達後の進路をもう決めてるのかな...
私はこうやって憧れだった航海士の仕事をこなしている。
...でも、何故か、満たされないな...)
エレン(...アナが提督から情報を引き出すまで確信は持てないけど、バァクシン商会から情報を貰った勢力がアルゴラ大陸到達の功績を有利に進めるのかな?
...多分そんな単純でもないと思う...
船間の情報や物流の交流のために三番艦を訪れた時、船員や高官の様子から多分、三番艦はバァクシン派だろうと予想出来る。
でも、艦長であるシルフィア艦長は妙に怯えていたな。
...どんな背景があるか、もっと積極的に話しかければ良かったなあ。)
エレン(...このまま何の問題も無く、アルゴラ大陸に到達したら、私は何を目指すべきだろう...
バァルジモアの恩賞を受けて、、、ん?)
月明かりの乏しい夜の海。
他の者には黒い波間にしか見えないその場所で、エレンは波の輪郭を追っていた。
彼女の目には、通常の潮流とは異なる水の動きが映っていた。
エレンは遠くの海の変化に気がついた。
エレン「!?波...の上に波...いや海流が乗っている!?」
そしてエレンの目はその異質な海流のようなものの中に無数の魔獣を確認した。




