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三姉妹と未知の海洋  作者: SQUID MILL


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魔の海域攻略編後編 旧知新交流③

シーラ「...ありません。...答えはこれで良いですか?」

マルスはミラドの顔を眺めてみる。ミラドは海を見つめていてどこか上の空だ。

マルス六番艦艦長「...OK、十分だ。」

アリウス七番艦艦長「...シーラさん、2つ目の答えがまだですよ。」

シーラ「!?し、しつれしました!!ま、魔獣の耐久性予測、でしたっけ?」


アリウス七番艦艦長「魔獣はその体躯で耐久性を見積もれない、だったと思います。」

シーラは咳払いをして、

シーラ「で、では魔獣の再生能力が体躯に比例し得るという常識からです。」

シーラは珍しく次の思考が浮かんで来ない。


シーラ「私は辺境伯と同盟関係にあるカスケード大陸に拠点を置いているカーネル騎士団の魔獣研究の文献に触れる機会がありました。」

マルス六番艦艦長「カーネル騎士団?うーん、俺はカスケード大陸の軍事勢力の内情に疎くてな。」

アリウス七番艦艦長「軍事組織が魔獣の討伐の訓練だけで無く、魔獣そのもの研究をしているのですか?」

シーラ「はい、魔獣だけで無く、自然界の現象について各分野の専門家がおり、その知見を生かして職人達が技術を磨いております。」


シーラ「魔獣の本質を研究する、といってもカーネル騎士団の研究対象は圧倒的に陸の魔獣が多かったので、カーネル騎士団団長から海の魔獣に関する観察記録を期待されています。」

マルス六番艦艦長「へぇー、航海士だけで無く、魔獣研究も取り扱っているのか!?

2つの分野の仕事と研究は大変だろう!!」

ミラド「...。」


シーラ「艦長おふたりにお聞きしたいのですが、海の魔獣の特徴は何だと感じますか?」

マルス六番艦艦長「それは何と言ってもその巨体だろう。

検証官が推定20メートルと認定した魔獣を戦艦五隻がかりで駆逐した事もある。」

アリウス七番艦艦長「魔の海域ならばドラゴンが出現してもおかしくないと戦艦十隻での陣形も訓練してきましたよ。」


シーラ「なるほど、カーネル騎士団団長からも海の魔獣の巨体化傾向は指摘されておりました。

では、魔獣の耐久性とはどの様なものだと考えられますか?」

マルス六番艦艦長「?戦艦の火力で葬れるかどうかか?」


シーラ「魔獣の耐久性なるものを組織が一元的に評価する場合、戦艦の砲撃何発で殲滅出来る、では無く、魔獣殲滅までに費やすコスト、で評価すべきであると私は考えます。」

アリウス七番艦艦長「...魔獣を研究する者、としての意見でしょうか?」

マルス六番艦艦長「...何故その様な考えが必要になる?」

シーラ「戦略的撤退を評価出来ず、その結果、全滅の恐れがあるからです。」


アリウス七番艦艦長「...例えば、ドラゴンと遭遇した場合に目標の実力を見誤り全滅する可能性を示唆しているのでしょうか?」

シーラ「仮にドラゴンとバァルジモア艦隊が遭遇したら、私の感想としては素直に戦略的撤退をするでしょう。

私としては別の状況下での判断ミスを憂慮します。」

マルス六番艦艦長「!?どんな状況だ!?」

シーラ「そうですね。私の経験から具体例を挙げるならばゴブリンのスタンピードでしょうか?」


シーラ「私が住んでいた地域にはゴブリンが生息しておりました。ゴブリン単体ならば、女の私でも武装していれば追い払う事は出来ます。

しかし、ゴブリンの群れが一斉に変則的な行動をするスタンピードは軍隊でさえ死活問題に直面します。

先ほどのカーネル騎士団も体験した事の無いゴブリンスタンピードに軍馬の多くに損害を出したそうです。

この話しの示唆はお分かりですか?」

アリウス七番艦艦長「...小型でも魔獣の群れのスタンピードには艦隊が壊滅し得る危険があると言う事ですか?」

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