事急計生
三姉妹とカルムは漁村を脱出するため、長女シーラは大量のオリーブ油の瓶と柑橘類を精油したものを用意した。
カルム「ふむ、ゴブリン避けか。」
シーラ「ええ、ゴブリンは人間や家畜の動物臭に敏感に反応し、植物性の匂いに感覚が鈍くなりますから。」
エレン「さっき街道からやってきたカーネル騎士団?だっけ?はどうなのかな?私が見つけた時はそれなり遠かったけどいつ来るかな?」
シーラ「おそらく騎士団はゴブリンがいる限りここには来れないわ。」
アナ「えーなんでだよ?」
シーラ「昔の戦争の文献だけど、ゴブリンのスタンピードの中では馬は全く活躍できなかったそうよ。」
カルム「ここら辺の土地は昔カーネル騎士団を設立した連中の土地だったらしい。
カーネル騎士団の入団宣誓でも祖先の土地を取り返せと言う文言があるそうだ。
だが、現代のカーネル騎士団は祖先の土地の特性が解っとらんのだな。」
皆はシーラの指示で家に引火生を強めた植物油をまく。
カルム「...本当にいいんだな?」
シーラ「...ええ、燃焼したアロマはゴブリンに良く効きます。」
カルム「...わかった。炎がつき次第、沿岸まで休まず走るぞ。」
シーラが家に火を放つと、皆植物油を頭からかぶる。
皆、一目散に三姉妹の家を後にする。
エレンが目に涙を浮かべながら家の方向に振り返ろうとすると、
シーラ「振り返ってはダメ!あなたは前を見て進みなさい!」
場面は変わり、ミラド海賊船。
ケヴィン「正規軍の砲撃は一旦は止んだようだな。
...村は生存者は望めまい。
カーネル騎士団も微動だにしないようだ。」
ケヴィンが状況をつぶさに観察していると、船員の1人が闇夜に紛れてミラド海賊船に接近してくるのを発見する。
船員「ケヴィン!!何かが接近しているぞ!!」
ケヴィンが手持ちの望遠鏡で確認すると小型艇のようだ。
船員は皆フードを被っている。
すると小型艇の船員がフラグを上げて信号を伝える。
ケヴィン「正規軍公式のフラグシグナル!?いや国際交易のフラグシグナル!?
正規軍の交渉人か!?
それとも商人の生き残りか!?
」
ケヴィンは断定出来ない。
ミラド「...丁重にもてなせ。戦闘員がすぐに応戦できるようにな。」
ミラド海賊船に小型艇が持ち上げられる。
ケヴィンは今の状況を分析する。
我々の現在の最悪のケースは小型艇の船員が正規軍であり、交渉の有無で戦闘に発展する事。
ならば辺境伯の通行許可証を提示した上での交渉がベストか。
小型艇の乗組員がデッキに降りてくる。
ケヴィンは最敬礼の格好をし、
ケヴィン「ようこそお越しくださいました。
当船は栄えあるミラルドルフ・フォング・スピリアルド辺境伯から未知の海域の探検の任を承りましたミラドが船長を務めております。
私は船内の案内をいたしますケヴィンと、、、」
アナ「おっしゃあ!!船に着いたぜ!!」
ケヴィン「!?」
エレン「ね!言ったでしょ?旗を使った連絡手段があるって」
ケヴィン「は?」
カルム「いやー肝を冷やしたぞ」
ケヴィン「カルム!?お前!?」
シーラ「...どなたが船長ですか?」
三姉妹がミラド海賊船に到着する。
ゾーマ「カルム!?お前生きてたのか!?何だその小娘たちは!?お前の戦利品か!?」
ケヴィン「...フラグシグナルが正確に出来ていなかったのは知識が曖昧だったからか。」
アナ「んー?いや、両方とも理解してたぜ。ワザと混ぜたんだよ。」
ケヴィン「何ぃ?」
アナ「正規軍の砲撃があった後だろ?ピリピリしている空気の中で真面目にシグナルを出してはい狙撃、じゃあ困るんだよ。
だから混乱させて情報を求めるようにしたんだよ。」
ケヴィン「!!?」
カルム「その話を補足するとだな、血の気が登っているだろうゾーマより、まず状況確認をするだろうケヴィンを前に出したかったんだよ。」
ケヴィン「!?」
エレン「私の目なら望遠鏡が無くても黒人さんの動きはバッチし見えていたからね!」
ケヴィン「!!」
場を制するようにミラドが現れる。
シーラはミラドと互いに目を合わせながら挨拶をする。
シーラ「三姉妹の長女シーラと申します。」
ミラド「船長のミラドだ。
ようこそ我が船へ、聡明なお嬢さん達。」




