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三姉妹と未知の海洋  作者: SQUID MILL


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魔の海域攻略編中編 悪童訪問④

フィリップス団長「まずは1つ目の人間の毒となる存在だな。

この毒という表現も俺は魔獣の本質を説明しきれてないと感じている。

まあ、説明を簡潔にするために毒と表現するがね。

魔獣の研究をしているとこの毒と言う概念を魔法の源の力、だとか説明する場合が見受けられる。」

フィリップス団長はカルムと酒を交わしているケヴィンに声を掛けて、

フィリップス団長「君の故郷にも独特の解釈があるんじゃないかな?」

ケヴィン「お声を掛けて頂き感激です、フィリップス団長。

私の故郷の場合、呪術師が魔獣の力を借りて相手を呪い殺す、などと説明されます。」

フィリップス団長「ふ、なるほど。」


フィリップス団長「君は西の土地の出身だね?魔獣の経験はあるのかな?えーと、名前を聞いてもよいかな?」

ケヴィン「ケヴィンと申します。以後お見知りおきを。

ご指摘の通り、私は西の土地の出身でございます。

西の土地の外に出て気付いたのは、やはり西の土地は他の土地と比べて魔獣の出現がしやすい土地柄であると言えます。

それゆえでしょうか、王の不在の土地、いえ、より正確に説明するならば人間の王が不在の土地であるようです。」

フィリップス団長「ふふ、現地の人間らしい指摘だ。」




フィリップス団長「ケヴィン君が説明した様に、西の土地はオークキングが統治する領域であると認識すべきだろう。」

シーラ「オークキング!?各地に屈強なオーク傭兵団を派遣しているオークの首領ですね!?」

フィリップス団長「そうだ。

西の土地は毒が溜まりやすい土地柄なのか魔獣が発生しやすい。

その毒に対する抵抗力を備えているオークの部族が西の土地を事実上支配している。」

ジェルミ「バァルジモアが海洋の開発に力を入れてきたのも、オークが支配する西の土地が隣接している事が影響しているといえるな。

陸の軍隊じゃバァルジモアは南下する事が出来なかったからな。」

シーラ「...そのオークも様々な部族がひしめきあっている中でまとめあげる存在が出てきましたね。」

フィリップス団長「それがオークキングだ。」


フィリップス団長「そしてオークの様な存在が魔獣の条件の2つ目と関連するともいえる。

どういう事か分かるかな?」

シーラ「...!?毒の耐性があるからと言って一概に魔獣とは言えない、でしょうか!?」

フィリップス団長「...ふふ、さすがはシュトラバルツ。

察しが良いな。」

シーラ「...フィリップス団長、お褒めの言葉ありがとうございます。

しかし、私や妹達は読書の習慣を身につけただけで、何も特別な訓練などは受けておりません。」

ジェルミ「...。」

フィリップス団長「...話しを続けよう。

魔獣の条件の2つ目、魔獣は魔獣の性質の子供を産まない、だったなね。」


フィリップス団長「逆説的に魔獣は魔獣の子供を生み出す可能性があると主張する学者もいる。

しかし、カーネル騎士団の魔獣討伐記録から魔獣は次世代の魔獣を生み出さないと仮説を立てた方が合理的なんだ。

ま、私は目の前の現実に柔軟に対応するつもりだがね。」

シーラ「...魔獣が魔獣の性質を持つ子を出産する場面に立ち会うケースが無い、というより、魔獣の発生条件が親から子に受け継がれるのではなく、環境に左右されるものなのでしょうか?」

フィリップス団長「その通り。

君達の読書習慣を身につける環境の様にね。」


シーラ「...これは好奇心で質問するのですか...

例えば毒に耐性の獣では無く、毒に耐え得る人間という存在はあり得るのでしょうか?」

フィリップス団長「...私は出会った事が無い...

しかし、可能性としては、君の知識の文脈の中で既に登場してるんじゃないかな?」

シーラ「...!?魔女!?あるいは魔法を操る者!?」

フィリップス団長「...そうだ。

御伽話で語られるばかりで私自身体験した事が無い。

カーネル騎士団をまとめる者として根拠の無いものに依拠してはならない。

だがね、魔獣というものを討伐している立場からするとふと疑問に思うのだよ。

何故人間は毒にたえられないのか?耐え得る人間は存在するのか?とね。」

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