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三姉妹と未知の海洋  作者: SQUID MILL


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魔の海域攻略編前編 漸進推移②

シーラ「...辺境伯にとってはバァルジモアとの接触はチャンスでもあり、リスクであると考えられます。」

エレン「あー、今は辺境伯の権限がないからバァルジモアが新しいパートナーになるチャンスだもんね。」

アナ「でも権限剥奪中に王都の意向を聞かないで交渉するのはリスキーだよな。ミルドランから軍隊が派遣されちまうかもな。」

カーラ「...バァルジモアが辺境伯に接触したのは、

...多分、艦隊を派遣した派閥の利益があるからだと思う。」


カーラは初めて皆の前で口を開いた。

エレン「!!?カーラちゃん!それってどういう事!?」

カーラ「...艦隊を動かすにはすごくお金がかかるの。

例え国の王であっても気まぐれで艦隊を動かしたりは出来ない。」


シーラ「...艦隊が動くならば明確な理由が生まれるのですね。」


アナ「まあ、状況整理してみりゃあ、十、八九、アルグ海域の攻略が本命だろうな。」


エレン「そうだね。私も海域を観測し尽くした訳じゃないけど、アルグ海域を何度も往復できる航路を開拓したいんでしょ!?多分だけど、海域の入り口としてはこの辺がベストじゃないかな?

それで航行のための補給基地を確保するために、この近海の領土を把握している辺境伯に接触するのは適切だと思うよ。」


シーラ「ここからミルドランの王都まで場合によっては数ヶ月、往復でその2倍の時間がかかってしまう。

王都の意向を反映させるより、現場の状況で判断する事が適切でしょう。」


カーラ「!!!」

シーラ「?どうされましたか?カーラさん?」

カーラ「い、いや、3人とも凄いな、って。」


エレン「でも、アルグ海域攻略が目的だったとしても、表向きはジェルミって人の捕縛でしょう?バァルジモアの偉い人がよく艦隊を動かす事を認めてよね。」

アナ「そうだよな。交易ギルドを通じて手配書を配るじゃダメなのか、って反論はどう押し除けたんだろうな?」

カーラ「...それは、ジェルミがバァルジモアの、順位は低いけど、皇位継承権を有している事が絡んでくると思う。」

シーラ「ジェルミがバァルジモアの皇族!?」


カーラ「ジェルミの正式な皇位継承順位は私もわからない。

ジェルミ本人は他の皇位継承者が全員死なないと自分には継承権が回ってこないだろう、って言っていた。

でも、逆にその立場が皇族内でも彼を支持する勢力が生まれた見たい。

皇族として争う事が無く、また、海軍士官学校での歴代最高評価と実際の海軍の運用実績が彼の根強いファンを生み出したみたい。」


シーラ「昔のバァルジモアの皇族で指揮権を持たずに他国と戦争した者が大罪人として処罰された実例があるわ。

ジェルミもミルドラン海軍の軍艦を度々沈める逸話を持つ危険人物。ジェルミ捕縛の大義名分を考えるのは難しく無い。

でも実際に艦隊が動くのとは話しが別よ。」

アナ「?どう言う事?」

シーラ「艦隊を動かすには帳簿上の莫大な資金の流れが血液の様に循環し続けなればならないの。」

カーラ「そう。その動く筈の無い巨大な人形を動かすのが私達商人の役割よ。」


カーラは続けざまにエレンに質問を投げかけた。

カーラ「...エレン、あなたは私に、私の父の商船がこの海域を航行してたって話しをしてくれたよね?」

エレン「!?うん。私達が住んでいた漁村にも長い間停泊していたから、お姉ちゃん達も知っているよ。」

カーラ「...海域航行の話し自体は私は知らなかった。

...でも今考えれば、それが巡り巡って今私が首輪に繋がれている理由が生まれたのかもしれない。」

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