魔の海域攻略編 漸進推移①
カルムとケヴィンの交渉から一夜明け、太陽が昇りきった正午頃。
船員「おーい、バァルジモアの小型艇から荷物がとどいているぞ。差し入れ?らしい。」
船員はバァルジモアから届けられた差し入れに群がっている。
シーラ「...何の騒ぎですか?」
ゾーマ「ん?ああ、航海士の小娘か。
バァルジモアの方から差し入れみたいだぜ。
てっきりうちから美人航海士を差し出すのかと思ってたけどよ。」
シーラ「...バァルジモア産の酒のようですね。」
ゾーマは差し入れの酒を開けて飲もうとする。
シーラ「...良いのですか。バァルジモアの酒はとても強いそうですよ。」
ゾーマ「ん?ああ、大丈夫だ。俺は今非番だしよ。チャンスが巡ってきたら飲んでみるしかないだろ。
お頭からまだ聞いてないのか?」
シーラ「...これから船長室で今後の方針を船長に直接確認するところです。
...バァルジモアの酒を開けたと言う事は相手の要求を飲むという事ですよ?」
ゾーマ「...わかってるさ、そのぐらい。分かってて俺はお頭についてくんだ。」
そう言うとゾーマは酒瓶をあおった。
シーラは船長室を後にして、3人が待つ4人部屋に戻ってきた。
エレン「!お姉ちゃんお帰り!どうだった?」
アナ「...船長はどんな感じだった?」
シーラ「...これから話すわ。
カーラさん、私がこれから話す内容に耳を傾けていただけませんか?
これは命令ではなく、同じ船を生きる者同士忌憚の無い意見を聞きたいのです。」
カーラ「!!!..」
シーラ「まず、これから私達に影響を与える事が2つあります。」
シーラ「1つ目が、バァルジモアの艦隊はミルドラン連合国の中央政府とでは無く、辺境伯と直接交渉をする事。
2つ目は、それを前提にこの船はバァルジモア艦隊と連携してアルグ海域を攻略し、アルゴラ大陸に到達する事よ。」
エレン「え!?辺境伯と?」
アナ「えーと、私達はジェルミを捕まえるじゃなく、魔の海域に集中すればいいって事?」
カーラ「!!?」
シーラ「...私自身もいろんな意見があるけど、まずはみんなの意見が聞きたいわ。
...特にカーラさん、あなたの父君が運営されているバァクシン商会や対立していたクルーシル商会はこの一連の流れに関与している可能性が高いと私は考えているわ。
あなたの意見を聞かせてちょうだい。
私達の未来の選択肢を増やすために。」
カーラ「...私の意見...」
エレン「うん、ゆっくりでいいよ。私達も自分の意見を考えるから。」
アナ「じゃあさ、ふと思ったんだけど、バァルジモアの連中はどうやって辺境伯と交渉するんだ?辺境伯は今、王都だろ?」
シーラ「...いいえ、辺境伯は領地にいるわ。」
同時刻
カーター提督「これは、これは、辺境伯。お会いできて光栄です。」
辺境伯「...。」




