魔の海域攻略編 未来知己
場面は変わり、バァルジモア海軍艦隊の至近距離で距離をとりつつ、ミラド海賊船が緊張した空気で状況を監視している。
ミラドとエレンの会話。
ミラド「...準備は万端か?」
エレン「うん!船長に指示された私の役割はまだだから姉さん達と交代で定時観測をしているよ。
そういえば、カーラちゃんってどうするの?」
ミラド「...カーラ?」
エレン「うん!状況によってはバァルジモアの偉い人がこの船に来るんでしょ!?その時、カーラちゃんを見られたらどう思われるかな?」
ミラド「...確かにな。潔癖なヤツに当たったら厄介だ。」
エレン「カーラちゃんの部屋って船長室の隣でしょ?バァルジモアの偉い人?と多分話さす場所の隣だよね?」
ミラド「...お前らの部屋は4人部屋だったな。」
エレン「うん。アナが散らかしてるけど四人目のベッドは使えるよ。」
ミラド「...よし、エレン、いまからお前にカーラを管理する権限を与える。
しばらくはカーラの面倒はお前が見ろ。」
エレンは敬礼の格好をしながら、
エレン「了解です、船長。」
エレンはカーラのリードを持ちながら無理強いはせず、カーラを三姉妹の部屋に連れてきた。
エレン「さ、カーラちゃん。ここが私達の部屋だよ。」
カーラ「...」
エレン「せっかく歳が近い女の子同士どんな話をしよっか?
カーラが興味ありそうな話?
そうだな...
昔、この魔の海域を通り抜けた商業船があるんだ。
...あの船ってさ、カーラちゃんのお父さんの船?」
カーラ「!!!?」
全く表情を表に出さなかったカーラの目の色が明らかに変化した。
エレンとカーラは船内でゾーマとすれ違う。
ゾーマ「!?おい、ガキンチョ、何でお前がカーラのリードを持ってるんだ。」
エレン「ああ、これ?船長命令だよ。バァルジモアの艦隊と近接している間は私が面倒みるの。でも、私も仕事があるからお姉ちゃん達と交代でカーラちゃんの面倒見ようよ、て話しをこれからするところ。
お姉ちゃん達は測量室かな?」
ゾーマ「まあ、カーラがウチの船にいるのはもともとドデカいギルド同士のいざこざの後始末の結果だからな。
奴隷市が開いてなかったからお頭が気まぐれで引き取っただけだしな。」
エレン「...へぇー!どんなギルド同士の争いだったの?」
ゾーマ「ん?ああ、カーラのオヤジが仕切るバァクシン商会と対立してたクルーシル商会?だったか、国を跨ぐほどのいざこざがあったみたいだが、まあ、俺達海賊には関係ねーがな。」
エレン「...船長はギルドの偉い人の娘さんをペットにしてたんだ。
なんて言うか派閥の争いとかに巻き込まれるじゃないの?」
ゾーマ「はは!お頭は何処にも属してねーのさ!」
エレン「...でも辺境伯には属してるよね?」
ゾーマ「...まあ、細けーことはいいのさ。
俺はお頭についていってんだかな。」
ゾーマは何かを言いたげだったが、何も言わずその場を立ち去った。
夜の帳も降り、
アナはカーラを連れて定時観測とバァルジモアの艦隊の行動をつぶさに観察していた。
アナはカーラの船乗りとしてのスキルを掛け値なしで評価した。
アナ「...バァルジモアの挙動も気になるけど、こんな身近に参考になるヤツがいるなんて、、、」
しばらくすると、バァルジモア艦隊から小型艇が戻ってきた。
カルムとケヴィンが交渉から戻ってきたようだ。
カルムとケヴィンは当然疲れた様子だ。
アナはカーラを連れてカルム達に話しかけた。
アナ「よお、交渉はどうだった?」
カルム「ん?なんでお前がカーラを連れてるんだ。」
アナ「船長命令だよ。バァルジモア艦隊がいる間は私達姉妹が交代でカーラを世話する事になったんだよ。
で、せっかくだから観測を手伝ってもらってたんだよ。」
ケヴィン「なるほど、アナ、君らしい行動だ。」
アナ「で、結果はどうだったんだよ。なんか悪酒を飲まされたって感じだぜ。」
ケヴィン「ふ、悪酒か、現在の状況に相応しいな。」
アナ「...で、2人の感想としては上出来なのかよ?」
ケヴィン「...彼方が予想以上に我々に期待している点についてはな...
しかし、どう好意的に解釈しても、相手の気まぐれで明日にもこの船が沈められるかもしれん状況である事に変わりない。」
カルム「ああ、船長にこの海に留まるかすぐ撤退するかを判断してもらわんとな。」
カルムとケヴィンは船長室に向かおうとする。
その際、カルムはアナに紙束を渡した。
アナ「!?...シーリングってバァルジモアの通貨の単位だよな?」
カーラ「...」
カルム「...最高額で大体この船を3回建て替えられる。」
手配書 ジェルミ
捕縛あるいは優良な情報提供に対して最高30万シーリング




