第2話 リーフ村
意識が戻ったとき知らない家の知らないベットで寝ていた。
「やっと目覚めた、大丈夫かい?」
そう尋ねてきたのは頭にナプキンを巻き、エプロンを着た少し丸っとした女性だった。
「大丈夫です、ここは?」
「よかった、ここはリーフ村だよ。あんなとこであんた何やってんだい」
そう聞かれ体を起こそうとすると激痛が全身に走った。
「いてっ!」
「まだ休んでなきゃダメだよ」
そういってベットに横にしてくれた。
「あの、教えて欲しいことがいくつかあるんですけど」
そう聞くと女性は優しくいろいろ教えてくれた。
ここはネルヴァス大陸の南東部にあるエレラウ王国にあるリーフ村だということがわかった。リーフ村は人口30人程度の小さな村で主に狩猟と植林を生業としているらしい。
看病をしてくれた女性はハンナさんというらしく、この家で猟師をしている旦那のクラブさんと2人の息子と暮らしているとのことだ。
どうやら俺は森の入り口で倒れていたところ、狩猟帰りのクラブさんに助けられてここにきたとのことだ。
俺は療養のため3日間その家で世話になった。
「お世話になりました」
そういって家を出ようとするとクラブさんに引き止められた。
「今日はもう遅い。出発は明日の朝にしな。いいウサギも取れたしみんなで食べよう」
そういってもらったのでもう一泊することにした。
ベットに入り休もうとした時、村の鐘が鳴り出したと同時に「敵襲」という叫び声が聞こえた。
急いで家から飛び出し外の様子を確認すると、村の柵にたくさんの魔物が張り付いていて今にも中に入ってきそうだった。
どうするべきか迷っていたところ
「お兄ちゃん、パパを助けて」
そういって足にしがみついてきたのは、まだ幼いクラブさんの息子だった。
「任せとけ」
どうしたらいいかわからないが、玄関に立てかけてあった剣を手にして村の柵の方へ走っていった。
村の柵は丈夫なものではなく今にも破られそうだった。
クラブさんや猟師の人たちは弓で応戦しているが、数が多いため全く太刀打ちできてなかった。
「アルドリック、お主戦えるのか?」
そう尋ねてきたのは、この村の村長だった。療養中に何度か話したため一応認識はされていた。
「一応剣は使えます」
「そうか、ならこの作戦に参加して欲しい」
そういって村長は、村にいる3人の騎士を連れてきて作戦の説明をした。
その作戦とは村の裏門から剣士を出し、正面に回して魔物を側面から攻撃するという一見簡単そうだが、4人で50体の魔物を相手するという難しいものだった。
「我々は訓練を受けている騎士ですが、そちらの方はこの戦いについて来れるのですか?」
騎士の1人がそう尋ねてきた。
「わからん、この作戦を聞いてどう思う、アルドリック」
そう尋ねられた時、どう答えていいのか正直わからなかった。今まで剣の特訓はしてきて正騎士からも一本取れるようになったが、魔物との戦闘は初だからだ。
なので自信のない
「は、はい」
という返事をしてしまった。
「本当に大丈夫なんですかね」
ため息混じりに騎士たちが話しているのが聞こえた。
しかし時間もないため作戦はそのまま決行になった。
魔物の襲撃を受けている真反対にある裏門から走って正門前に向かうことになった。
配置はリーダー騎士っぽいのを筆頭にひし形で、俺は1番後ろから騎士たちについて行くことになった。
裏門を出てから正門に行くまで特に魔物や敵に襲われず無事に行くことができ、奇襲攻撃することは成功した。
リーダー騎士の掛け声と共に他2人の騎士が剣を抜いて敵に突っ込んでいった。
騎士達は苦戦しながらも少しずつ魔物の数を減らしていった。
何をしていいか分からず棒立ちになっていると、一体の魔物がこっちに向かって飛びかかってきた。
棍棒を持ち2メートル近くあるゴブリンは、右手に持つ棍棒を俺に向かって振り落としてきた。
俺はその攻撃をかわしつつ抜いた剣で、ゴブリンの左脇下から太ももにかけて一刀両断した。
血吹雪を上げながら息を絶えたゴブリンを見た俺は調子が出てきて、乱戦と化している正門前に突っ込んでいった。
いったい幾つの魔物を倒したか分からない。
返り血や攻撃を浴びながらも50体の魔物を討伐した。
被害がどれほど出たか分からないが、勝利でこの戦いを終わることができた。
「食料を求めて攻めた村でこんなに被害がでるとはねー、困ったもんだよ」
そういって門の前に立っていたのは、2メートル半ぐらいの大柄なゴブリンだった。




