第3話 魔将ダハーズ
「たかがこの程度の村に全滅とは、なんといっていいやら」
そういっていたのは2メートル半もあるゴブリンで、右手には巨大な剣を肩に当て、左手は腰に当てながらため息をついていた。
それを見た騎士3人は突撃態勢に入り、一斉に攻撃を開始した。
しかし巨大ゴブリンは、赤子の手をひねるようにいとも簡単にあしらった。
それを見て俺は剣を手にし、構えて巨大ゴブリンに向かった。
足首を狙って一撃を入れようとしたものの、硬すぎて刃が通らなかった。
「誰か、この魔将ダハーズに敵うものはいないのか」
魔将と聞いた瞬間、騎士や戦っていた猟師達が急に逃げ腰になってしまった。
「俺が相手になろう」
そういって倒れた体を起こし、剣を中段の構えにしてダハーズを睨みつけ、向き合った。
「お前、さっき俺に刃が通ってなかっただろ」
挑発してくるダハーズに対し、
「だが、今度こそ斬る」
無我夢中で答えた。
剣先に集中して力を入れると、両手からついこないだ見たような、見てないような金色の光が溢れ、両手、そして剣を包み込んだ。それと同時に、先ほどまでの乱戦の疲れが嘘のように吹き飛んでいった。
そのまま剣を構えてダハーズの足元に潜り込み、足首を狙った。
さっきは刃が通らなかったのに、嘘みたいに足首が綺麗に斬れた。
不意に足首を斬られたダハーズはよろめき、そのまま膝から崩れ落ちていった。
しかしダハーズの足は、瞬きをする間もなく一瞬で回復して立ち上がり、右手を俺に向かって振り下ろしてきた。
剣で受け止めたものの、そのまま吹き飛ばされてしまい、村にある教会の壁に打ち付けられた。
その後、騎士や村民達が必死に村への侵入を防ごうとしたが、突破を許してしまった。
村に侵入してきたダハーズは、一直線に教会へと飛ばされた俺のところに向かってきた。
「お前、龍の使いだな」
ダハーズは胸ぐらを掴み、神妙な面持ちで言ってきた。
「なんのことだか、わかんねぇーよ!」
意識が朦朧としながら、右手に持つ剣でダハーズの右腕を切り落とした。
流石に傷が深いのか、さっきほどのスピードでは回復せず、今度は左腕で殴りかかってきた。それを剣で受け止めたら、剣が真っ二つに折れてしまった。
そしてもう一度俺に左腕を振り下ろした瞬間、それを見た騎士が後ろから左腕を切りにかかった。
腕は落とせなかったが、ダハーズの気を一瞬逸らすことに成功し、俺はそのまま高くジャンプをして、折れた剣でダハーズの心臓を突き刺した。
「ゔぅ」
とダハーズは吐血をし、そのまま前に倒れた。
それを見た騎士の1人がすかさずダハーズの首を切り、ダハーズを倒すことに成功した。
俺はそれを見届けたあと、そのまま意識を失ってしまった。




