そうこうしているうちに時は過ぎて
そうこうしているうちに時は過ぎて、気が付けば下校時刻になっていた。
ほっとするけれど、帰る場所は王宮ではなくて学院の寮。最上階の3階にある王族専用の部屋なのでメイドも侍女もいるのだけど、初めての場所なのでやはり不安がある。
でもそれは私だけのことではないようで、教室にいる多くの生徒たちは不安げな顔をしていた。
ワクワクした顔のクラスメイトはチャイムが鳴るや否や教室を飛び出していったから、早くも楽しみを見つけているんだと思う。ちょっと羨ましい。
そういえば、課外活動も充実していたんだったわね。私は生徒会に入る予定があるから多分加入は難しいけれど、一度見て回るのもいいかもしれない。オズも生徒会に参加するって言っていたから、明日にでも一緒に見て回ろうかしらね。
一人、また一人と生徒が去っていく。
一緒に帰る? とフローは聞いてくれたけれど、直後にフローの婚約者のブレッド様がお迎えに来たので謹んで辞退した。ブレッド様は学院でフローと会えたのをとても喜んでいるようで、私にお礼を言って去っていった。むつまじくてとても素敵ね。
教室に残っていた女生徒たちも同じ感想だったようで、思わず目を合わせてふふっと笑いあってしまった。
なんだか嬉しかった。
魔法剣士科のほうが遅いと聞いていたので、先に帰ろうか待とうか悩んでいたら、オズがすごい勢いで教室に駆け込んできた。
危ないので注意したら、残っててくれてよかったと抱き締められた。
「今日、一緒に帰ろうって言い忘れてたから、終わった瞬間教室飛び出してきた」
「あ、ありがとう。でもオズ、荷物は?」
「あ……。忘れてきた」
「もう、仕方ないわね」
「仕方ない婚約者でごめん」
ふふ、と笑う。
「これから毎日迎えに来るから、できたら一緒に帰ろう。授業の関係で難しいときは連絡するよ」
「ふふ、ありがとう。こちらの都合が悪いときはオズのクラスに行くわね」
「嬉しいな。可愛い婚約者を自慢できる」
「あら、それなら私も素敵な婚約者を自慢しなくちゃ」
他愛ないやり取りだけでも心が温かくなる。
こんな生活がしばらく続くと思ったら、なんだか幸せな気持ちになった。
そしたら後ろで誰かが「リア充爆発しろ」って呟いてた。
なんか、ごめんなさい、とか思ってしまった。
ところで、リア獣ってどんな動物なのかしら?
読んでいただいてありがとうございます。
爆発しろと呟いたら文章が半分に削れました……。




