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ドロイドサイリウム ー 漆黒の猫 序の章  作者: 三海怜


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序ー9話

両親を亡くし親族の家で育てられたヒデは、内向的な性格となってしまい友達も作れずに中学を終えた。そして突如遺産が入ることになった彼は高校合格を機に思い切って自立することになったのだ。それから彼の人生は上向きになり…不思議な漆黒の猫との出会いが彼の人生を変えて行く。


そして高校の同じクラスで知り合った漆黒の猫の美人主人と予期せぬ大冒険が始まった。その異世界での試練を経てヒデは知らず知らずに現実世界でも成長していくインキャの冒険譚である。


この物語は『序・破・急』の3章からなり、その続きは『ドロイドサイリウムー本編』へと繋がっていく。

外に投げ出されたヒデは、「イッテー!! 何かにぶつかったのか??」と左肩を打撲してしまったのだ。

一方エリカは頭をぶつけたのだろうか?身動きがない様子だ。


「エリカ!ねえ、エリカ!大丈夫か??」ヒデは足が動くか確認しながらゆっくりと立ち上がり、まだスピーダーにまたがっているエリカに近づいていった。

大きな見えにくいネットにスピーダーがまるで虫取り網に取られたように絡まっていた。

そして、ネットの合間から手を伸ばしエリカの肩を揺すりながら「エリカ!エリカ!!」と呼び続けた。


「あっ、気絶しちゃったのね、私」とやっと意識が戻ったようだ。

「頭を打ったんじゃない??」

「そうね。」と言って頭を触ったのだが、

「打ったところは大丈夫みたいね。」と言いながらネットを払った。


すると、2人を取り囲むように何かが動いた。

「ヒデ、こっちに来て!」とエリカは叫び右横のホルスターから小さなおもちゃの銃らしきものを取り出した。

ヒデも周りの不気味な気配に驚きエリカの声に従がって彼女の隣に駆け寄っていった。

「なんだ、あれは!!」動物のようなシルエットが月の光をうけて浮かび上がったのだった。


「私たち何者かに囲まれているわね!きっとこのネットの仕掛け主よ。」

周りと見回すと、大きな羽根のシルエットと蛇のような頭にブラックパンサーのような姿の3体が確認できた。

エレナが「こいつらはキメラか??」と言いヒデを隣に抱き寄せ緊張が走った。


すると、そのキメラの1人が、「なんだ、あんたら人族か? てっきりケモノがかかったのかと思ったよ。」という声が聞こえた。

リーダーであろうか、「みんな出てきていいぞ!」と言うと、

まずは、2人を囲んでいた3体のキメラが姿を現した。


大きな白鳥のような白い羽を持った金髪のエンジェルような美女

黒髪で後ろから大きな蛇の頭が3つ突き出しているメデューサのようなエキゾチックな美女

そして、全身黒っぽく見えるまるで豹のようなプロポーションの妖艶セクシーな美女達だった。

そして、3体の後ろから、「なんだ!俺たちの出番はないのか!?」と言いながら、

毛に覆われた巨体の熊男とまるでライオンのような顔の筋肉質な大男も近寄ってきたのだった。


「あなた達は何者??」と意外に焦らずエリカは声をかけた。

そして、網に引っかかっているスピーダーに向かって「チェンジバック!」と号令すると、また同じ現象が起こり漆黒の猫のジェットに戻った。


「ほおー そのネコは面白いことするんだね。私らはアンドロイド達の実験で造られた人造人間なのよ。キメラって呼ぶ奴もいるけどね。人間に動物の遺伝子を混合されたからその特性も持っているんだ。空を飛んだり、毒を吐いたり、獣のような力や俊敏さがあったりとね。で、あんた達は何者?」と大きな羽を持ったエンジェルのようなキメラが説明してくれた。


「私たちはどこからか迷い込んできてしまったの。アンドロイドに追われていて・・・」

「あんたら人族だろ? アンドロイドに追われているんだったら、敵の敵は味方っていうじゃないか?要するに私らの仲間になるわけだね。」

「あなた達がアンドロイド達の敵ならばそうなるわね。」とエレナが落ち着いて答えると、

ライオンキングが、

「ここだとケモノが集まってくるから一旦アジトに戻ろうぜ!!」と言い出した。

「そうね!そのほうが落ち着くわね。とりあえず私らについて来て!」とエンジェルが言って暗い森の奥方向に急いで移動を始めたのだった。


「ええ、わかったわ!」とエレナも彼らの後を付いて行くことにしたようだ。

「ヒデ、とりあえず彼らのアジトに行ってみましょう!」

一行は森の中を進んで行き壊れかけた石造りの教会らしき館の中に入っていった。

そこは神などは存在しない無機質な空間に成り下がりケモノ除けの香が炊かれていた。


「ここが私らの家よ! いい感じでしょ?」とエンジェルが言うと、尻尾のような蛇の頭を持つメデューサが、

「私の子達は勝手に噛むから気をつけてね!それに毒もあるからね。」と注意喚起している。

そして、黒豹のようなパンサーが「それじゃ、ディナーにしましょう!あんたらも食べていけば!」と奥に歩いていった。

彼女ら3人の後からついて来ていたベアーとライアンは、「チキショー! やっとケモノが掛かったと思ったんだがな〜」と残念がっていた。


「ねえ、ケモノっていったいなんなの??」とエレナがエンジェルに聞くと、

「ああ、ケモノか、私らみたいに実験で造られた動物の種が混ざり合ったキミラだよ。私らはその獣を狩って食糧にしているのさ。」


「そういうことね。この森に入る前にあの都市を飛び回って観察してみたんだけど、人間みたいに見える奴らは、全員アンドロイドでしょ?」とエレナが聞いた。

「そうよ!よくわかったわね!」

「ということは、人類はいなくなったわけ?」

「そう言うあんた、あいつらに会いたいわけ??」




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