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ドロイドサイリウム ー 漆黒の猫 序の章  作者: 三海怜


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序ー41話

両親を亡くし親族の家で育てられたヒデは、内向的な性格となってしまい友達も作れずに中学を終えた。そして突如遺産が入ることになった彼は高校合格を機に思い切って自立することになったのだ。それから彼の人生は上向きになり…不思議な漆黒の猫との出会いが彼の人生を変えて行く。


そして高校の同じクラスで知り合った漆黒の猫の美人主人と予期せぬ大冒険が始まった。その異世界での試練を経てヒデは知らず知らずに現実世界でも成長していくインキャの冒険譚である。


この物語は『序・破・急』の3章からなり、その続きは『ドロイドサイリウムー本編』へと繋がっていく。

しばらく、カメラオタクの会話が続いていたのだが・・・

「そろそろかな?? 行ってみるか!?」と すでに囲みができているあたりに向けて歩き出した。


「あれって、部長じゃないですか?」

「えっ もう出てきたのか!? そうらしいな!!」と浜田は驚いている。

2人がよく見てみると、田中と野崎の2人メイドコスプレの周りにはすでに大きな囲みが出来上がっているのだ。

「やばい!遅れをとったな!!部長に怒られちゃうよ!!」と行って浜田が小走りで近づいていった。

汗を流しながら顰蹙を買いながらも人混みを分け入って前列に到着した。


「さあ 石塚撮るぞ!!」と浜田は気合が入っている。

「わかりました!!」 ヒデも2人にピントを合わせて連写しているのだ。

一眼レフカメラのファインダー内には2人の天使が現れた。

『イヤー ヤバい!! 2人とも かっわいいー!!!』 「カシャカシャカシャカシャ」ご機嫌の激写であった。


2人とも白黒配色のデザイン違いのフリルミニスカメイドなのだ。

カメラマン達からは、「この2人 やっばいな!! 新人か??こんなカワイイメイドは見たことないよ!」

「ハーフの子も キレカワだけど、もう1人の子はレイヤーとして有名な子じゃないか!?」

「そうだ!そうだ!あの子だよ! いつもはアニメキャラだけど今日はメイドだから一瞬わからなかったよ!」

と聞こえてきており、田中はこの界隈ではレイヤーとして注目されているようだ。そして囲みは激写の嵐となっていた。


「イヤー チョー人気じゃん!!良かったよ!! 部長もこれで卒業だから今回は決めたいと言ってたんだよ! 野崎とコンビでできてよかったな!」

「えー 部長は卒業したらもうレイヤー辞めるんですか?」

「うん、そうらしいんだ。」

「浜田先輩、先輩は部長が大好きなんですね!?」

「まあな!でも一方通行だけどな。それでもいいんだ。ここだけの話だぞ!」

「まあ、僕もエリカが好きですよ! どんな好きかはまだわからないんですけどね。」


「あれ、須藤達もいるな!! あそこ見ろよ!」と浜田が言って指を差した。

ヒデもその方向を見ると4人が固まってメイド2人をスマホで撮影していたのだ。

「やっぱりあいつらも来たんですね!!」

「まあ、部長のコスプレ見たいって言ってからな。」と浜田が他の部員に見られて残念そうに言った。

そうこうしているうちに一旦撮影が終わり、2人のメイドは控え室へと移動を始めていた。


「エリカ!良かったわよ!! 私、学生のうちにこんな囲みの中でレイヤーしたかったのよ!! 付き合ってくれて本当に感謝しているわ!」

「私も意外に楽しめましたんで。撮られるってのもたまにはいいものですね!」

「私はそれが病みつきになってレイヤーになったんだ。」

「着替えたら、とっとと帰ろう! 私は一応受験生だからな。」

「はい、わかりました!」


浜田とヒデはまた人をかき分けながら2人を追っていった。

「部長はこれで帰ると思うんだ。受験生だから。うちらも挨拶して帰ろう!」

更衣室の前でメイド2人を捕まえた。

「田中部長!最高でしたよ!!写真もよく撮れたと思います。 後で写真共有しますね!では、オレ達これで失礼します!」

「おお、浜田、いつもいつも悪いな!!よろしく頼むよ!!」と田中が言うと部屋に入って行った。

ヒデも、「あっ 野崎さん、僕はあの集合場所で待ってるからね!」とギリギリ伝えることができたのだった。


暫くするといつもの普段着姿に戻ったエリカが現れた。

「イヤー、エリカ!!すっごく可愛かったよ!! 家でもメイドやってくれるといいのにな〜」と冗談ぽく言って笑った。

「えー、考えとくわ! いい写真撮ってくれた?」

「ガンガン撮ったよ!!帰ったら見せるよ! しっかし超人気だったね!!」

「田中部長との絡みが良かったと思うわ。やっぱり部長はプロね!!見せ方を知ってるわ!」

「でも、これで部長とのミッション終了ね!! 良かったわ! 約束を果たせて。」

「また、あの世界に戻らないと行けないね!」とヒデが言った。

「実は、私、この会場でもまたアンドロイドが現れるかもと思ったのよ!」

「まあ、出てきても不思議じゃなかったよね。」


そして、2人は会場の出口でまたもや招き猫のように待っていたジェットと合流した。

「早く帰りましょう!!」と言ってスポーツバッグにジェットを入れ込んだ。

自宅の最寄り駅で降りるといつものコンビニでランチを買って部屋に着いた。


「良かったー!! これで何事もなくイベントが無事終わったわね!!」

「へえー エリカ、実は結構緊張してたんだね!?」

「そりゃそうよ!本来私はこの世界にいてはいけないんだから、それなのに公衆の面前にこんな姿を晒したのよ! それなのにあの場でアンドロイドに襲われたらどうしようって思ってたの。」

「そうか!! そんな心配もしなくちゃなんだね!?未来人は。大変だったね。」と一緒にいながらも気づかなかったことを恥じながらエリカの心中を察したのだった。










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