序ー38話
両親を亡くし親族の家で育てられたヒデは、内向的な性格となってしまい友達も作れずに中学を終えた。そして突如遺産が入ることになった彼は高校合格を機に思い切って自立することになったのだ。それから彼の人生は上向きになり…不思議な漆黒の猫との出会いが彼の人生を変えて行く。
そして高校の同じクラスで知り合った漆黒の猫の美人主人と予期せぬ大冒険が始まった。その異世界での試練を経てヒデは知らず知らずに現実世界でも成長していくインキャの冒険譚である。
この物語は『序・破・急』の3章からなり、その続きは『ドロイドサイリウムー本編』へと繋がっていく。
それを聞いたヒデは驚き、
「それ、ほんとなの?? そんなこと初めて聞くしちょっと信じられないんだけど・・・」と思わず否定している。
エリカはいつもの口調に戻り、
「じゃ、ヒデ!思い返して見て! 私から習った未知であったはずの剣技や未知の世界に対する対応力は素晴らしいものだと思わない? その能力は学校の知能検査では測れないものなの。」とエリカが説明した。
『確かに、そう言われてみると・・・苦手な対人関係とはちょっと違って新しいことが出てきても驚くことなくなんとなく普通に対処できるとは思っていたのんだが・・・実は僕にはそういう能力があったのか・・・』
「なるほど・・・ でも、そうだとしたら僕に何ができるの??」
「あなたが良ければ、あなたの遺伝子を頂戴したいの!」
「僕の遺伝子?? それをどうするわけ??」
「私が未来社会からあなたのガーディアンに選ばれたのはあなたを守ることなの。それがあなたの遺伝子を守ることにもなるんだけど。遺伝子工学の研究者のセリアさんからここの技術はかなり発展していることを聞いたわ。
だから、ヒデの遺伝子をこれから生まれてくる子供達に共有してもらいたいの。そうすれば、いずれヒューマンがアンドロイドを凌駕する時代が来ることになるの。」と熱く語ったのだった。
「なるほど・・・・」とサブリーダーは腕組みしながら考えている。
「もし、ヒデ君さえ良ければ、お言葉に甘えて遺伝子を我々ヒューマンの繁栄のために頂くことはできないか?」
「それはどんなことをするんですか?」とヒデは一瞬恐ろしくなり確認した。
すると、エリカが、「あなたの血液を採血して、口内から細胞も採取させてもらえば大丈夫だと思うわ。」
「それぐらいだったらいいけど・・・」
「じゃ、あまり時間がないからセリアさんを呼んでくださいますか?」とエリカはサブリーダーにお願いした。
「わかった。かたじけない!! すぐにセリアにきてもらおう!」
続けて、サブリーダーは、「でも、一番の問題は今をどうするか?なんだが・・・」
すると、エリカが、
「ヒデ。今こそあなたの能力を示す時よ! 私が教えた剣技には自信があるでしょ?? 私と一緒にアンドロイドと戦いましょう!!」
『えっ 僕が・・・』しかし、ノーと言える状況ではなかった。
「これ、あなた用のレーザーブレード!!これからはこれを持ってて!」と再度ヒデに渡した。そして続けたのだった。
「実は、あなたがその気になれば、アンドロイドのバトルタイプ50体ぐらいは私とあなたで倒せるレベルなのよ!」
「えっ そうなの??」
ヒデはエリカが言ったことが俄かに信じられなかったのだ。
「エンリケ、私達に剣技場を貸して下さい! ヒデを覚醒させたいんです!」
「わかった! そういうことなら思う存分使ってくれ!」
すると、その場面に話を聞いたセリアが入ってきたのだった。
「あ、セリアさん! あなたのラボでまずはヒデの採血をしてほしいの!」
「話は聞きました。わかりました、ありがとうございます! では、ご同行お願いします。」
そして、3人はセリアについてラボに向かった。
「ヒデさん、ここにお座りください。実は私、あなたのファンなんです!!」と驚くことを言ってきた。
「えっ、あなたがヒデのファン?? どうして??」とエリカも不思議に感じたようだ。
「私、一眼見た時から胸がドキドキしてしまって・・・また会える時を心待ちにしていたのです。
また会えてよかった〜!!」とヒデを見つめているのである。
『もしかあして、このセリアっていう女性は天然か!?』とエリカは思ったのだった。
驚いたヒデ本人は思わず、「えっ 初対面なのになんで??」と言ってしまった。
「理由はありません。できることならヒデさんにはココにずっといて欲しいと思っているぐらいです。」
『なんと・・・この前の中学時代の加藤も僕に対する態度が以前と違っていたし、この女性もいきなり好意があるようだけど・・・ 一体僕の中で何が起こってるんだろう・・・』
「ああ、ありがとうございます!仮にお世辞でも嬉しいですよ!」と初対面らしく丁寧に反応している。
そして、セリアの熱い眼差しを感じながらも採血とセル採取が終わった。
「私の念願の研究の成果があなたの遺伝子によって実現できるのです。実は私の両親はキメラの実験を始めた者なのです。とは言ってもアンロドイド達に強制されてなんですが。奴らは動物や人間を使って何かしら有効活用できそうな事全てを母に試させたのです。その結果酷い現実が生まれてしまいました。でも、私はその両親の実験データを引き継ぎ私達の将来に役立てたい一心で続けてきました。とても貴重なヒデさんの遺伝子を大切に使わせてもらいますからね!人類の栄光のために!本当に有難うございます。」と感謝の言葉があった。
次にヒデとエリカは剣技場に向かった。
「しかし、セリアさんってどうなっているんだろう?」とヒデが不思議がっていた。
「でも、私わかるわ!あなたと最近ずっと一緒にいるからそれほどの違いは実感していなかったんだけど、
冷静に比較すると、あなたは以前より物凄くいい感じに変わっているわよ!! もしかしたら、これって俗にいうモテ期なのかしら?」
「ははは! エリカ!君まで揶揄うなよ!!」とそれを聞いてヒデはただただ苦笑いしている。
「着いたわよ!! ヒデ、レーザーソードを使って思いっきり戦ってみて!! 私相手に!」
「思いっきり? 僕を覚醒させるんだよね!? そうすれば覚醒するんだろうか??
もちろん君の方が強いんだけど、それでも身内相手だとどうしても遠慮しちゃうんだよねー・・・」
「まあ、とりあえずやってみましょう!」
「わかったよ!」と言いながらヒデは先ほど渡されたソケットからレーザーブレードを抜いた。
「ブウォーン!」青く光るレーザーが出現した。
そして、エリカもレーザーブレード抜いて向かい合った。
「行くわよ!!」とエリカが言うと、一方的にヒデに切り掛かっていったのだった。
いつもと違う彼女の猛攻に押されてヒデは受けるだけとなり後づさりをしている。
「ビ!ビ・ビ・ビ ビ!」お互いのレーザーがぶつかり合っている音が剣技場にこだましていた。
「いーい、ヒデ! あなたは、私の動きを見ながらパターンを見い出して先を予想できるはずなのよ!!」
『なるほど!そうなのか!』そう言われて冷静に戻ったヒデは激闘の中冷静になりエリカの剣さばきの観察を始めたのだった。
こうしたシークエンスを20分ぐらい続けていると、なんとなくの彼女が言うパターンとやらが見えてきた気がした。
「エリカ! なんかわかったような気がするよ!」とヒデが言った。
今ではエリカが打ち込む場所を予測しヒデは同じタイミングで受けているのだ。
「そう!そうよ!! わかってきたかしら??」
「それがあなたの能力よ! あなたは考えなくてもできる予測能力があるのよ!」




