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ドロイドサイリウム ー 漆黒の猫 序の章  作者: 三海怜


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序ー37話

両親を亡くし親族の家で育てられたヒデは、内向的な性格となってしまい友達も作れずに中学を終えた。そして突如遺産が入ることになった彼は高校合格を機に思い切って自立することになったのだ。それから彼の人生は上向きになり…不思議な漆黒の猫との出会いが彼の人生を変えて行く。


そして高校の同じクラスで知り合った漆黒の猫の美人主人と予期せぬ大冒険が始まった。その異世界での試練を経てヒデは知らず知らずに現実世界でも成長していくインキャの冒険譚である。


この物語は『序・破・急』の3章からなり、その続きは『ドロイドサイリウムー本編』へと繋がっていく。

そうそう、移動の最中はジェットはエリカのスポーツバッグに入れられたままなのであった。


「チノ地区って、路地裏が多いから探検ぽくて面白そうだね!」と、ヒデは単に美しい場所よりも何が出てくるかわからない路地裏が好みのようである。


「ねえ、エリカ!もっと先に行ってみようよ!」と言いながら彼女の腕を引っ張り路地裏をどんどんと進んでいったのである。

そして、エリカは、ここなら大丈夫と言うことでジェットを離した。すると、ジェットがその路地裏の先に走っていってしまったのだった。

「えっ どうしたのかな? あのこ?」


暫くすると路地の先の方から、猫同士が争う激しい鳴き声が聞こえてきた。

エリカが焦って路地の先へと走っていくと、そこにはもう1匹の漆黒の猫と争うジェットの姿があったのだ。


「まずいわ!!?見つかっちゃったわ! ここにもいたのか!?」と独り言を言っている。

「どうしたの?エリカ?」「えー また黒猫?? ということは?」

「まずいわ!引き返しましょう!」と言うと、「ジェット!リターン!」と呼びかけた。

そして2人はジェットを伴い、走って路地を引き返して行った。


すると、狭い人気がない路地の向こうからナイフを持った若い男が近づてきていたているのが見えた。

「やっぱり見つかったんだわ!あいつ!またアンドロイドよ!」


「見つけだぜ!! シェイプシフターの波動をキャッチしたから追ってきたら、なんとお宝じゃねえか!!」と言って笑っている。アンドロイドは視覚で標的を捕捉すると、そのデータを元に個体識別をすることができるのだ。ヒデはミッションXのアルティメイトターゲットという最優先タスクに位置付けられているため、付近にいるアンドロイドは真っ先に対処する対象なのである。


それに対するエリカは予想だにしていなかったアンドロイドの出現になんの準備もなかった。

「ヒデ、この前と同じようにジェットをシェイプシフターに変えておいて!とりあえずヤツを迎撃してみるから!」

この危機的緊急事態を察したヒデは、「わかった!気をつけてね!」と言うと早速ジェットを抱いた。


アンドロイドはアサシンのようにすかさずエリカにナイフで襲いかかってきた。

エリカは体術でそれを防いているが、アーマーを着用していない普段着の彼女の動きはまたいつもと違って美しかった。

それに見とれている場合ではない!ヒデは急いでコントロールパッドをジェットに差し込んだ。

流石に武器を持たないエリカは守りのみとなっていたのだ。


「エリカ、できたよ!!」とシェイプシフターに変形したと同時に声をかけると、

守りに徹していたエリカは、一旦少し距離を置くと逃げると見せかけ前のめりになったアンドロイドに回し蹴りを喰らわした。彼はその強力な一撃を頭部に喰らい右側壁面に叩きつけられたのだった。

そして、彼女は間髪を入れずにシャイプシフターに乗り込むコントロールパネルをタップした。

アンドロイドが立ち上がった時には、すでに彼らの姿は消えていたのだった。


咄嗟に未来社会の2人の部屋に転移したエリカは、

「危なかったわね!! まさか、あそこまで追ってくるとは想定していなかったわ!でも、あり得た話ね。」と彼女なりにまた反省しているようである。


「しかし、ボディスーツを着てなくても強いんだね!! 驚いたよ!」

「まあ、格闘技は得意だからね。それはそうと、せっかくまたここに来たからサブリーダーに状況を聞いておきましょう!」と言い連絡を取った。

そして、この地下施設が緊急事態になっていることを聞き、すぐに例のミーティングルームに行くことになったのだった。


「転移してきたばかりなのに来てもらって悪い。実は今ここはアンドロイド達に包囲されているんだ。この前の人キメラ救出に俺たちが関連しているに違いないという理由で奴らの征服対象地区になってしまったらしいんだ。正門は奴らで塞がれているから現在籠城戦の状況だ。」


「そうですか! あおのアンドロイド達は私がどうにかできますが・・・問題はそれだけでは済まなくなることですね。アンドロイドとの全面戦争になってしまいます。」

「まあ、永遠に地下に潜伏してられるということは考えていなかったが、今なのか?とは考える。だが、今じゃなくてもいずれそうなるだろうから避けては通れない道だとは思っているんだ。」

「つまりお互いの存続を賭けたヒューマン対アンドロイドってことですね! この世界では共存は難しいみたいですね!? 敵の戦力はわかりますか?」


「あのシティの中には1000体ほどのアンドロイドが生活しているんだが、その中の戦闘部隊はわずか5%の50体だと考えられる。それと城壁のレーザーキャノンもすでに修復済みだ。厄介なのは、奴らが乗るスピーダーだ。レーザーガン装備で2名乗車の後部席がガンファイターなんだ。」

「なるほど・・・」と言ってエリカは考えている。


暫くの間 沈黙した時間が流れ、エリカが口を開いた。

「実は、ヒデには特殊な能力があるのです。人類がもつ遺伝子の話になるのですが・・・」といつものと違う口調でしかも真剣な表情で話し始めたのだった。


「いわゆる人類の知能は2つに分かれるのです。

一つは、流動性知能と言われ、それは新しい状況に適応し、未知の問題を解決する能力なのです。柔軟な思考力や推論力を指します。そして、もう一つは、結晶性知能です。それはこれまでの経験や、学習で培われた知識やスキル、情報を用いる能力なのです。蓄積された知恵や語彙力を指します。

アンドロイドの知能を形成するAIの能力にももちろんこの2つの知能がありますが、我々人類がどうしても敵わないのが結晶的知能です。しかしながら流動的知能に関しては人類がアンドロイドを凌駕できる可能性が残されているのです。


実はヒデにはこの流動的知能において物凄く高度な遺伝子が含まれているのです。」










ここまでお読み頂きまして有難うございます!!

これからどんどん面白くなっていきますよ!

お楽しみに!!

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