序ー29話
両親を亡くし親族の家で育てられたヒデは、内向的な性格となってしまい友達も作れずに中学を終えた。そして突如遺産が入ることになった彼は高校合格を機に思い切って自立することになったのだ。それから彼の人生は上向きになり…不思議な漆黒の猫との出会いが彼の人生を変えて行く。
そして高校の同じクラスで知り合った漆黒の猫の美人主人と予期せぬ大冒険が始まった。その異世界での試練を経てヒデは知らず知らずに現実世界でも成長していくインキャの冒険譚である。
この物語は『序・破・急』の3章からなり、その続きは『ドロイドサイリウムー本編』へと繋がっていく。
そして、その変化が終わった。
「着いたわよ!! 成功ね!! みんな、まだそのままでいてね!今度は、また元世界に戻るわね!! 」と言い、ヒデの後ろから再度スクリーンパッドの座標を変えてタップした。
また、同じような変化が起こり再度静止状態になった。
コロッセオからヒデの世界の剣技用練習庭に一瞬移動したのだが、そこから再度ネクストワールドの地下施設に戻ったのだった。
「やったー!!大成功よ!!」とエリカが嬉しそうに叫んでバルーンの外に出た。
そう、そこは予定通り、地下施設内にあるヒデ達の部屋の中である。
往復リープは大成功であった。
「ヒデ、大丈夫だった?」
「うん、君に訓練された剣技が役だったみたいだよ!」
キメラ達はヒデをとり囲んで、
「おー お前、よくぞ我々を救ってくれたな!!危機一髪だったよ!! 今や感謝しかない!!」と言ってハグしながら感動の涙を流していた。
「これで処刑されないで済んだわ! もうダメだと思ってたんだけど」
「本当にありがとう!!」
すると、エリカが、「恩を返すって言ったでしょ!!」笑顔で返した。
「まあ、そうだが・・・ヒューマンにこんなにしてもらえるなんて・・・ これで君たち2人とは親友だな!」とエンジェルも涙を流している。
そして、エンリケを呼び、彼らを保護してもらったのだった。
部屋に残った2人は改めて無事を確認すると成し得た成功を噛み締め硬く抱き合った。
「ヒデ、良かったわ!! あなたに何かあったら・・・」
「大丈夫だよ、先生! エリカに鍛えてもらったからどうにかあいつらの攻撃を防げたよ! 師匠が強いから自信もあったしね!型どおりやってみたら結構いい感じで相手を潰せたよ!」
「私、ほんと嬉しいわ!」と言ってヒデの唇に口付けをしたのだった。
『えっ これってキスなのか??』と驚きのあまり顔がこおばってしまったのだが…
2人はその場で凍りついたかのようにそのまま抱き合ってしまったのだった。
ヒデは、人生上で初めて経験した何とも言えない満足感に、エリカの甘いキスがトッピングされてその時幸せの絶頂にいた。
『そうか、これがやり遂げた幸せってもんなんだな・・・』
すると「トントントン!」ドアを叩く音が聞こえた。
2人は我に返り、「はい!」と言ってエリカがドアを開けた。
そこには、銀髪ボブの色白の若い細い女性が立っていた。
「あなたはどなた?」
「私は、サブリーダーのエンリケから言いつかって来ましたセリアです。」
「あなた方は未来から来たと聞きまして、私の研究の参考になるかもしれないということでお話を聞きに伺ったのです。」
「ということは、あなたは例の研究者??」
「はい、人類の遺伝子と細胞の研究をしています。」
「そうなのね!」
エリカは本能的にこの女性は未来世界のキーを握っていると感じたのであった。
「あなたはどんな研究をしているの?」
その女性は小さな声で、「実は、私は、あのキメラ達を作った研究者の娘なのです。そして、母の研究を引き継いで、今現在は、簡単に説明すると遺伝子情報を設計図として、有機物で作った人工細胞を組み合わせてデザインすることにより理想のヒューマノイドアンドロイドを造る研究をしているのです。」
「なぜ、そんな研究を??」
「その研究があのアンドロイド達から私たちヒューマンを守るガーディアンを創ると母が亡くなる時に言っていたからなのです!」とそのフレーズには力が入っていた。
エリカには思い当たる節があるように見えた。
「人口細胞ねー つまり人類の遺伝子情報に合わせて人口のヒューマノイドアンドロイドを作るってことよね!?」
『はい、その通りです。出生自体は人口とはなりますが強化人間エンハウンストを生み出すイメージになります。」
「わかるわ。あいつらみたいに機械人間ではない有機物質でできたアンドロイドってことよね?」
「はい、簡単に言うとそうなります。」
「それに対応できるラボはここにあるの?」
「はい。一般には閉鎖されているのですが、この地下の更に下に大きなラボがあります。私はそこに住んでいるようなものです。」
「わかったわ!! あなたはセリアね、覚えておくわ! でも、私たち、すごく疲れているから、今から元の世界に戻るの。だから、次回来たときに協力するわね!それでいいかしら??」
「わかりました!ぜひ、よろしくお願いいたします!」というと部屋を出ていった。
「あの子、研究者なんだね? 綺麗な子だったね!?」
「えっ 私とどっちが綺麗??」とエリカが少し表情を変えて聞いてきた。
『しまった!やばいこと言っちゃったな・・・』
「もちろん、エリカに決まってるじゃない!!」と冷や汗が…
「でしょ!? それじゃ、戻りましょう!!」
とその場は収まった。
エリカはジェットを操作し、あの廃屋の庭に戻ってきた。
「しかし、とんだ災難だったわね!私、今回はさすがに疲れたわ〜」
「コンビニで夕食買って、食べたらすぐお風呂に入って寝ようか?!」
「そうね! そうしましょう!!」
と2人はこうしてやっとのことで部屋に戻ることができたのであった。




